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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1375789615/ 咲「なにそれ、私に対しての嫌味?」 京太郎「いーえ別に?」 咲「……」 ギュー 京太郎「いだだだだだっ!!」 咲「京ちゃんの耳、よく伸びるねー」ギュー 京太郎「すまんすまんすまん! 咲をおんぶできて幸せの限りだから止めろホント痛い痛い痛い!」 咲「……ふんっ」 ギュッ 京太郎「んっ」 咲「ほら……ちゃんと支えてよ…………落ちちゃうでしょ……」 京太郎「……へいへい……」 京太郎「仰せの通りに、ワガママなお姫様」ギュッ 咲「……//」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 深堀「あの…確かにおんぶされたいとはいいましたけど」 京太郎「ふ…くっ…!」プルプル 深堀「…無理しなくていいですよ?」 京太郎「いえいえ。こんな可愛い女の子のお願いだったら、多少の無茶だってお手の物ですよ…!」ニコッ 深堀(かっこいい…///)キュン 京太郎(それに胸が背中に押し付けられて俺も得させてもらってますから!) ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ヒュー....... ドォーン! 咲「あ、花火始まったよ」 京太郎「綺麗だなー」 咲「だね」 京太郎「けど、これがインターハイに行かなかったから見れた、っていうのも皮肉な話だよな」 咲「……うん」 京太郎「……」 ヒュー ドォーン 咲「……ねえ、京ちゃん」 京太郎「ん、なんだ?」 咲「インターハイ、連れていけなくてごめんね」 咲「最後の年、だったのにさ」 京太郎「そんなん、咲が謝ることじゃねえだろ」 京太郎「俺だってこの三年間で何もできなくて、今年も個人戦突破できなかったし」 京太郎「こっちこそ、ごめんな」 咲「……じゃあ、リンゴ飴おごってくれたら許してあげる」 京太郎「なら俺は焼き鳥な」 咲「ふふっ」 京太郎「ははっ」 京太郎「そろそろ帰るか」 咲「うん!」 京太郎「んじゃ、お手をどうぞ、お姫様」 咲「もう、恥ずかしいんだよ、それ」 京太郎「わぁーってるよ」 ブチッ 咲「……鼻緒切れちゃった」 京太郎「うわ、マジかよ」 咲「あ、だけど片足だけでも大丈夫だよ、ほら」ピョンピョン 京太郎「そーゆーのいーから、ほい」シャガミ 京太郎「お姫様には立派な馬が必要だろ?」 咲「またそう言って……」 京太郎「よいしょ……っと。ま、白馬ってよりは犬だけどな」 咲「優希ちゃんじゃないんだからそんなこと言わないよ」 咲「京ちゃんは京ちゃんだよ、それに……」 ヒュゥッー ドォーッン! 咲「馬っていうなら地面に這いつくばってよ」 京太郎「それこの雰囲気で言う台詞か!?」 咲「だったらどんな言葉が良かったの?」 京太郎「いや、希望とかは別にねえけど」 咲「うーん、じゃあ……」 ヒュゥー 咲「……好き」 ドォーン 京太郎「……え?」 咲「とかの方が良かったかな?」ニコッ 京太郎「…………くっ」 京太郎「くそぉーっ!」 京太郎「男子高校生の純粋な心を弄びやがってー!」 京太郎「咲なんて市中引き回し、いや、夏休み中連れまわしの刑だぁーっ!」ドドドドド 咲「ちょっ、京ちゃん!止まってよ!」 京太郎「ウオオオオオオオオオ!ウオオオオオオオ!ニャンミー!」ドドドドド 咲「誰その人!?」 咲(……結局、残りの夏休みの間はずっと、京ちゃんと遊びました) カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「軽い」 咲「えへへ」 京太郎「軽すぎて心配になる」 優希「なにぉーっ!?」 京太郎「普通」 まこ「おうなんかコメントせえ」 京太郎「……ち、近すぎる」 久「密着しちゃうと落ちちゃうじゃない? ふふふ」 京太郎「でかい」 和「何を言ってるんですか貴方は」 京太郎「……意外とある!?」 怜「にへへー」 京太郎「ない(断言)」 泉「はっ倒すぞ」 京太郎「……意外とでけえ!」 セーラ「叫ぶなや!」 京太郎「コメントしづらい」 船Q「愛宕姉妹のある方ぐらい欲しいんやけどなぁ」 京太郎「俺もう死んでもいいや。死ぬには、いい日だ……」 竜華「死んだらあかんよー?」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「……ッ……ッッ」 ゆみ「須賀。 どうしたんだその格好は」 京太郎「あ……加治木さん……どうも……ッ」 ゆみ「……腰でも痛めたのか? どうも辛そうだが……」 京太郎「……み……見えないんですか?」 ゆみ「?」 京太郎「……いえ……なんでもないです……ッ」 モモ「~~ッ!」スリスリ 京太郎(東横さん……加治木さんの前ですけど……!!)ボソッ モモ(須賀くん須賀くん須賀くん須賀くん!!)スリスリスリスリ ムニュウウウウ 京太郎「うごぉ……ッ」 京太郎(片や背中に柔らかいものが当たり、片や首が猛烈に締まってるこの状況……) 京太郎「まさに、天国と地獄……」 ゆみ「?」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎『お、おんぶですか……』 京太郎『まぁ抱っこよか楽でしょうけど……』 姉帯『わあい!』 姉帯『(京太郎くんの背中におぶさる夢、やっと叶うよー!!)』 姉帯『わくわく!』 京太郎『…………』 京太郎『(短い人生だったなぁ……)』 京太郎『スゥ…………、…………南無三ッ!!』 グッ!! スッ 京太郎『あれ、意外と軽い』 姉帯『!!』ガーンッ ――― ―― ― 京太郎「とまぁそんなことで……」 塞「あーあーあー……」 姉帯「……」グスン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 竜華「ん……うぅ……」 京太郎「あ、気づきました?」 竜華「……須賀……」 竜華「え、須賀?」 京太郎「俺ですが」 竜華「な、なな、何してんねん! お、おま! おま!!」 京太郎「この歳で俺なんかにおんぶされるのは屈辱でしょうけど、せめて部室までは我慢してください」 竜華「や、なに言っ……!」 フラッ 竜華「きゃっ!」 京太郎「っとと。 病み上がりなんですから無茶しちゃだめですよ」 竜華「な、なんでこないなことに……」 京太郎「覚えてませんか?」 竜華「……だってウチはさっきまで……皆と……」 京太郎「軽い脱水症です。 ちゃんと水分補給してなかったでしょう?」 竜華「あぅ……」 京太郎「怜さんじゃなくて竜華さんが倒れるとは、一瞬驚きましたよ」 竜華「……だ、だって」 京太郎「わかってます。 なんだかんだで竜華さんが一番部の為に頑張ってることは」 竜華「えっ……」 京太郎「皆さん怜さんのことばかり気にかけて……そりゃあ病弱な怜さんのことを気にかけるのは当然ですけど」 京太郎「でも、竜華さんだって一人の女の子なんですから」 竜華「な……」 京太郎「無理させてすいませんでした」 竜華「…………」 ポフッ 京太郎「んっ」 竜華「……」 京太郎「……竜華さん?」 竜華「……うっさい……。今ダルいんや……」 竜華「……ちょっと肩貸し……」 京太郎「……はいっ」 竜華「ん? というか、なんで部室で倒れたのに今部室に向かっとるんや?」 京太郎「あぁ、実はその後怜さんが貰い泣きならぬ貰い倒れしちゃいまして」 竜華「え、ええっ!?」 京太郎「ですので一度二人を保健室に運んだんです」 竜華「と、怜は!? 怜は大丈夫なんやろなぁ!?」 京太郎「大丈夫です。 俺がちゃんと看護してたんで」 竜華「そ、そか……」 竜華「…………ん?」 竜華「い……今なんて?」 京太郎「はい?」 竜華「と、怜を……看護……?」 京太郎「ええ。 それが?」 竜華「……須賀……お前まさか……」 竜華「怜の服、着せ替えたんか……?」 京太郎「あっ」 竜華「おまっ!その反応はやったなぁああああ!!?」 京太郎「いいいやでも大丈夫です!上着だけですから!!ホントに!!」 竜華「信用できるか! どうせドの付くド変態の須賀のことや……怜の身体の隅々まで……」 竜華「……というか……まさかウチも……!!?」 京太郎「………、………ハハッ」 竜華「須賀ァあああああああ!!!!!」 この後、大声の出し過ぎでまた竜華が倒れたとか。 おわり。 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「おんぶですか・・・」 詠「そそ。それをすればいいんじゃね? 知らんけど」 京太郎「つっこみはひとまず置いときますね」 詠「冷てー」 京太郎「放っておいて下さい」 京太郎「まぁ麻雀の指導のお礼なんで詠さんが納得出来るなら構わないんですけど・・・」 詠「なら問題ないだろー? ほれほれ、さっさとしゃがみな」ワクワク 京太郎「いや、無理ですって」 詠「うん? さっきいいって言ったじゃんかー」 京太郎「俺的にはやってもいいんですけど・・・」 詠「けど?」 京太郎「詠さんの着てる着物、その・・・足が開けないですよね?」 詠「・・・」 京太郎「・・・」 詠 ガバッ 京太郎「ちょ!! いきなり帯緩めないで!! 脱ぎ始めないで!!」ガシッ 詠「うるせー!! 私が脱げば問題ないだろうがっ」ジタバタジタバタ 京太郎「何言ってんのか理解してます!?」 詠「いいからおんぶしろ須賀ァ!!」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「論外」 照「 」 京太郎「論外」 誠子「 」 京太郎「論外」 淡「 」 京太郎「髪とかさらっさらですね」 菫「うん? そうか?」 京太郎「貴方が白糸台の、最後の希望だ」 尭深「そ、そうかな?」 京太郎「あ、すみません調子に乗りすぎましたすみませんごめんなさい爪と指の間にリー棒は入らないです許して下s」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 優希「おい、犬!」 京太郎「あん?」 優希「今すぐタコスを買ってこい!このままじゃタコスパワーが切れてイマイチ調子を保てないのだ」 京太郎「またか……たまには自分で買いに行ったらどうなんだ?いい加減俺もうんざりしてきたぞ」 優希「えーい、口答えする出ない!」 優希「原作じゃたいして出番のないお前にわざわざ使命を与え、出番を増やしててあげようとする私の心遣いに気付かないのか!」 京太郎「!!」 京太郎「そうだったのか……だから、お前はいつも俺にタコスを買いに行かせようとしてたのか……」 京太郎「ありがとな。お前の気持ち、確かに受け取ったぜ!じゃあ俺ちょっと行ってくるわ!」 優希「おう!5秒で頼むじぇ」 優希(こいつアホだじぇ) ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 春「こ、く……と…ぉ」カタカタ 京太郎「おいしっかりしろ!後ちょっとでスーパーだから!」 春「一度で良いから……和三盆のかりん糖が、食べたかった…」 京太郎「それ黒糖じゃないからな?色はどちらかと言うと黄色っぽいからな?!」 春「こまかいこと……今はいい」カタカタカタ 京太郎「やばい…重症だ」 春「………きいろ……目の前に……」カタカタ 京太郎「何言ってんのかな春さん?目が虚ろなんだけど」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 衣「zzz....」 京太郎「……」 一「なにそれ、コアラ?」 京太郎「知りませんよ……こっちが聞きたいくらいです」 純「すげえな、衣の奴、寝ながら須賀の肩にしがみついてるぜ」 京太郎「動くに動けないし……どうしましょう?」 一「普通に起こせばいいじゃん。 衣、衣。 ホラッ」ユサユサ 衣「んぅぅぅっ……やぁだぁ……」 純「やだじゃねえ、起きろって」ユサユサ 衣「や~!」スススッ 京太郎「うおおっ」 純「こ、今度は腹のほうに……器用だなおい」 衣「……えへへへ……きょーたろぉ……」ギュウウウウ 京太郎「……どうしましょう?」 一「なんかもう、いいや」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「うおおおおおおおおおおお!!タコスタコスタコスタコスうううううう!!」 トシ「あたたた……」 京太郎(ん?……何だあの婆ちゃん、横断歩道に突っ立って――」 京太郎(っておい、あそこ信号ねーじゃん。ずっとあそこに居たら……) プップー トシ「だ、誰か……腰をやってしまって動けなくなったわ……」 プップップップー!! 京太郎「や、ヤベッ!うおおおおおおおおおおお!!間に会ええええええええええええ!!」 ズサーッ ドッカーン!! 京太郎「ふう、危なかったぜ……大丈夫か、婆さん。怪我はないか?」 トシ「あらあら……すまないねえ。危ないところを助けていただきほんとにありがとうねえ」 京太郎「おう!気にしないでください!では俺はこれで――」 トシ「あたたたたた!!」 京太郎「ど、どうした!?やっぱりどこか痛めたのか?」 トシ「ええ、ちょっと持病の腰痛が悪化してねえ。ちょっと動けそうにないんだわ」 京太郎「おいおい、大丈夫かよ……」 トシ「心配させてすまないねえ。なに、30分くらい休めばよくなると思うから、お兄さんは気にしないでおくれ」 京太郎「婆さん」 トシ「?」 京太郎「ほら、俺のここに乗りな。おんぶしてやんよ。あなたのような美しい女性を俺には見過ごすことなんて出来ねえ!」 トシ「あらあら……美しい女性なんて言われたのは何十年ぶりかしら」 京太郎「さあ、どこでも送ってあげるから俺の背中につかまってくれ!」 トシ「じゃあ、お言葉に甘えて……よっこいしょ」 京太郎(おおう……なかなかエレガントな匂いがするぜ) 京太郎「で、どこに行くんだ婆さん」 トシ「そうだねえ。今麻雀の全国大会をやってるんだけど、そこの会場まで送ってもらえないかい?」 トシ「場所がわからないなら、その都度教えてあげるから」 京太郎「ああ、そこの会場なら知ってるから大丈夫だぜ――って」 京太郎「 麻 雀 ! ? 」 トシ「ん?どうしたんだい、何か気にでも触ったかい?」 京太郎「いや、俺も今その麻雀大会に雑用係として帯同してるんですよ!」 トシ「あらまあ、じゃあお兄さんも麻雀を……?」 京太郎「そうなんっすよ!でも、俺まだまだ弱っちくて県予選で敗退しちゃったんすわ!ははははは!」 トシ「そうかい……」 京太郎「ところで婆さんは何で麻雀の大会なんかに用があるんすか?お孫さんの応援にでもきたんですか?」 トシ「違う違う、私は岩手県代表宮守女子高校の監督をしていてね」 トシ「ちょっとカップラーメンを買いに外に出たんだけど、見ての通りこのありさまでね」 トシ「それで、危ないところをお兄さんに助けられて現在に至ってるのさ」 京太郎「ふーん……その年でカップラーメンですか。塩分過剰摂取に気をつけてな!」 トシ「ところで、あなた麻雀をやってるらしいわね」 京太郎「ああ!でもさっき言った通り、まだまだ初心者だからな。今日だってパシリされてここにいるわけで」 トシ「……」ジトーッ 京太郎「ん?どうした、婆さん。俺の顔に何かついてるか?」 トシ「……ちょっと話がかわるけどいいかしら」 京太郎「おう!」 トシ「私はこう見えて、他人の麻雀の才能を磨くのに長けていてね」 トシ「見たところ、お兄さんも荒削りながら、麻雀の素質が感じられるんだわ」 京太郎「ええっ?いやいやいやいや、俺なんて全然ビギナーのヘボプレイヤーっすよ。婆さんの節穴だって!」 トシ「いいや、節穴なんかじゃないよ。厳に私はこうやって宮守女子をインターハイまで率いたからね」 京太郎「……マジで?」 トシ「ええ、マジよ大マジよ」 京太郎「ゴクリ……」 トシ「それなんだがね、もし時間が空いてるなら宮守女子の控室まで来てもらってもいいかい?」 トシ「あなたを最強の雀士に育ててあげるから」 京太郎「最強の……雀士……!!」 宮守控室 胡桃「頑張れトヨネー!愛宕率いる春季大会5位の姫松なんかに負けるなー!」 エイスリン「ワタシタチ ゼッタイ ユウショウスル! サイコウノ オモイデヲ ツクルンダ!」 白望「はやく帰りたい……でも、豊音には勝ってほしいし……ダルい」 塞「いや、そこはダルがらないでちゃんと応援しようよ!」 コンコン 胡桃「ん?誰だろ」 エイスリン「キット トシセンセーダヨ。サエ、ドアアケテアゲテ」 塞「はいはい」 ギイッ 京太郎「うっす!」 塞「……は?」 エイスリン「トシセンセー……ジャナイ!!」 胡桃「あ、あんた誰よ!関係者以外は立ち入り禁止よ!はやく出てきなさい!」 トシ「こらこら、この方は私をここまで運んでくれた恩人なんだよ。邪険に扱わないでほしいねえ」 塞「あ、あれ?熊倉先生、いたんですか」 エイスリン「ナンデ オンブサレテルノ?」 トシ「いつものあれだよ。突発性腰痛だよ。それより、ここまで運んでくれたお兄さんに感謝しないとねえ。どうもありがとう」 京太郎「ああ、別にいいっすよ!俺、こういう扱いには慣れてるんで!」 胡桃「なんだか状況をイマイチ把握できないけど……そこの人、ゴメンね」 エイスリン「ユルシテチョンマゲ!」 塞「どこでそんな言葉覚えてるの……?」 白望「あっ、もうオーラス……」 塞「嘘っ!?」 胡桃「トヨネ頑張れー!!負けるな、ファイトー!!」 咲『ツモ、400・800です』 ウオオオオオオオオオオオオオオオオ 豊音『えっ』 『2回戦第3試合決着――!!準決勝に進むのは長野代表清澄高校と南大阪代表姫松高校となりました……!!』 胡桃「ぎゃああああああああ!!やられたああああ!!」 塞「そんな……私達の夏はここで終わってしまうの……?」 エイスリン「Oh……I was very sad」 白望「……」 京太郎「おっし、咲のやつやってくれたぜ!これで準決勝進出だぜ!」 京太郎以外「は?」 シーン…… 京太郎(なんだ?急に静まって……っておい!ここ対戦相手校の宮守女子の控室じゃねーか!!) 京太郎以外「……」ジトーッ 京太郎(やべぇよ……やべぇよ……つい、咲の姿を見て応援しちまったよ……) 京太郎(くそっ!俺はバカか。婆さんもつい数レス前まで宮守女子の監督してるっていってたのに……) 京太郎(雰囲気も優希がタコスを切らして不機嫌な時みたいに悪いし、ここはとっとと立ち去ろう!) 京太郎(最強の雀士?んなの知らねえよバッキャロー!) 京太郎「で、では俺はここでおいとまさせてもらいます……それでは!」ダッ トシ「待ちなさい!」ガシッ 京太郎「ぐわっ!」 トシ「……あなた、清澄高校の生徒っだったのね?」 京太郎「さ、さあ……?何のことやら――」 トシ「嘘おっしゃい!私には丸っとお見通しなんだよ!」 京太郎「ひいいいいっ!!」 京太郎「す、すんませんした!悪気はなかったんです。ここが宮守女子の控室だということを忘れて」 京太郎「つい、本能で清澄を応援しただけなんです!許して下さい、何でもしますから!」 トシ「ほう」 胡桃「今」 塞「何でもするって」 エイスリン「イッタヨネ?」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「ここに降ろしますね」 白望「ん、ありがと」 塞「お疲れさん。シロも自分で歩けばいいのに……」 白望「京太郎も喜んでるから問題無い」 豊音「京太郎君おんぶするの好きなのー?」 京太郎「え……?いや……まぁ……はい」 胡桃「……正直にシロの胸が当たるから好きって言った方が良いとおねーさんは思うな」 京太郎「いや……別にそういうわけでは……」 塞「私がおぶるわけじゃないから良いけどさ、あれ見てみなよ」 豊音「京太郎君すごいよー」オメメキラキラ 京太郎「oh...」 白望「乗り心地は最高だからオススメ」 京太郎「ちょっと白望さ…… 豊音「どーーーーーん!」(身長197の場合、痩せすぎと言われるモデル体型ですら75kgになる) 京太郎「うわぁっ!」 塞「頑張れ男の子」 胡桃「次は私ね!」 豊音「わくわくっ」ワクワク 塞「わー・・・期待度が半端じゃないっぽいね」 京太郎「・・・ですね」 豊音「じゃ、じゃあいっちゃうよー!」ムギュッ 塞「私たちの話も聞こえてないし」 京太郎「・・・ですね」 塞「・・・1+1は?」 京太郎「・・・ですね」 塞(何となく邪念を感じる・・・) 京太郎(うぉぉ!!) 京太郎(背中に感じる程良いおもちの感触!!)ウーン、チョットイワカンガアルヨー 京太郎(ちょ、そんなにむにむにサービスとは)ヨイショ、ヨイショ 京太郎(え、まじで。まさかそんな・・・)エヘヘ、コレデピッタリダネー 京太郎(後頭部!!!圧倒的新感触!!)マダタッテクレナイノカナー 京太郎(まさか身長差がこんな素晴らしいマジックを生み出すとは・・・)エイッエイッ 京太郎(そして悪戯に頭を抱き締める豊音さんまじイタズラっ子)ハヤクオンブシテクレナイトモットヤッチャウヨー? 京太郎(実際問題上背のある豊音さんは・・・結構来るけどっ)ワワワワッ 京太郎(ここで立たないのは男じゃねぇ!!)スゴイ!!チョースゴイヨー!! 京太郎(我が生涯に一片の悔いn)アレ?キョウタロウクn 京太郎 べしゃっ 塞(うーん、可哀想だけどざまぁみろとかちょっとチャンスかもって思っちゃうんだよね)キョータロークーン!? 塞(ま、私だけのチャンスじゃないんだけど・・・)シンジャダメダヨー!! 塞(とりあえず豊音を諌めてからたっぷり世話でもしてあげるよ、京太郎くん)ウワーン!! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 春「いただきます」パクッ 京太郎「食うな!それ俺の髪の毛だから!」 春「……あむあむ」カタカタカタ 京太郎「なんで黒糖が切れただけでこんなポンコツになるんだよコイツは…」 春「まずい…」ペッ 京太郎「そりゃそうだろ。食い物じゃねぇんだし」 春「でも無いよりはマシ」カタカタカタ 京太郎「いや、その理論はおかしいから」 春「いただきます」パクリ 京太郎「ぎゃあーーっ!?!首!首に噛み付いてるから!痛ぇよ!」ジタバタ 春「あむあむ」カミカミ 京太郎「痛こそばゆい!なんだこの新感覚は!ってノリツッコミしてる場合じゃねぇよ!」 京太郎「春さん!?もうスーパー見えてきたから止めてくれない?!」 春「あむあむ…ガリッ」 京太郎「み゛ゃ゛ーーー!!!?」 春「ちょっと塩味っぽくなった。ここのはクオリティが高い」カミカミ 京太郎「それ俺の血ぃ!!」 部室に戻った時、京ちゃんの首周りがベッタベタなのを追求されたりされなかったりの未来が待ってたり カンッ! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| はやり「京太郎くん、おんぶして☆」 京太郎「なんですかいきなり……って酒くさ!!」 はやり「今日は仕事終わりにいっぱい呑んできたからね」ムハー はやり「さぁ、おんぶして私を部屋まで連れていきなさい☆」 京太郎「そんくらい自分で歩いてくださいよ」 はやり「問答無用!!」ダキッ 京太郎「ちょっ、飛び乗らないでください!!」 はやり「良いから良いから」ギュッ 京太郎「(ヤバい。おもちが背中に……)」 はやり「……………………あ、ヤバい。吐きそう」 京太郎「へ」 京太郎「…………何か言うことは?」 はやり「すいませんでしたもう二度とこんなに呑んだりしません許してください」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 煌「あいたたた……すいませんね買い物付き合ってもらったのにこんなことになってしまって」 京太郎「いえ、構いませんよ。それに先輩軽いですし、こんくらいラクショーっすよ」 煌「そ、そうですか。それは、その、そういってもらえると助かります。あと……ありがとう」 煌「しかし張り切って買出しに来たはいいけれど、運ぶのにも苦労するわ挙句に足を挫くわと情けない限りで」 京太郎「そんなこと、困ってる時はお互い様ですよ」 京太郎「それに元々部の買出しの役目は俺だったのに、こちらこそありがとうって言わせてください」 煌「京太郎さんが遅れてくるという話でしたから。でも買出しの量が多いからって追いかけてきてくれたんですよね?」 京太郎「量がこの通り……多いですからねっと」 煌「すばらっ! 私をおんぶしながら、両脇にそれだけ荷物袋持てるなんて力持ちなんですねえ」 京太郎「普段から雑用で力仕事は多いですし、俺もこう見えても男ですからね」 煌「そうですね。立派な、男の人、なんですよね……」 京太郎「えっ?」 煌「え? あ、いやこれはそういう意味ではなく!」 京太郎「え、ええと、そういう意味?」 煌「いやその、やだ私ったら!」 京太郎「だ、大丈夫ですよ、気にしてませんから! いや気にはなりますけど、そんなそのアレってことでは!!」 二人(気まずい……) ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 穏乃「あたたたた……」 京太郎「高鴨はしゃぎすぎ」 穏乃「いやははは。テンション上がっちゃって、つい」 京太郎「そら、乗れ乗れ」ひょい 穏乃「わ、なになに!?」 京太郎「その足でホテルまで帰れるのか?」 穏乃「だ、大丈夫だよ! こう見えても山育ちだし!お、おろせー! おろせー!」 京太郎「はいはい。山育ちなら、金狼でも一撃ですねと。うお、軽っ!」 穏乃「わ、高い!」 京太郎「よーし、行くぞ。さっさと帰らないとそっちの監督さんに怒られる」 穏乃「うぅ……はずかし……」 京太郎「お子様が何言ってんだ?」 穏乃「お、お子様じゃないよ! お子様じゃないもん……お、女の子だもん……」 京太郎「女の子は二十四時間ジャージでいません」 穏乃「い、今はちゃんと制服着てるでしょ! ふんだ! きょーたろーなんか大っ嫌いっ!」 京太郎「……」 穏乃「最初に会ったときから、ずっとずっとずっと子供扱いして、本当にもうっ、もうっ……」 京太郎「俺はお前のこと好きだけどな?」 穏乃「え?」 穏乃「え、あ、いや? あの? え? あ、えええええええええええ!?」 穏乃「きょ、きょきょきょきょきょーたろーー!? 今、今何言ってっ」 穏乃「あ、うん、わ、私も好きだけどっ、好きだけどでもっ、何もこんなときに――」 京太郎「……ん~? どうしたのかな、穏乃ちゃん?」ニヤニヤ 穏乃「……」 穏乃「あーっ! またからかったなー! 京太郎のバカ、バカ、バカ!」 京太郎「あっはっはっはっは! やーい引っ掛かった-!」 穏乃「おとめ心を踏みにじってーっ! 許さないんだからねっ!」ポカポカポカ 京太郎「あっはっは……いたいいたいいたいっ! マジで殴んな!」 穏乃「フカーッ!」 京太郎「猫かお前は! ……インターハイが終わったらさ、お前は奈良に帰るんだよな」 穏乃「え? うん……そりゃそうだけど」 京太郎「俺は長野。ちょっとばかり遠いな」 穏乃「メールがあるし、電話もあるよ。ケー番交換したでしょ?」 京太郎「……こうして、お前を間近に感じられなくなるのはちょっと辛い」 穏乃「え? い、いきなり何――」 京太郎「冬休み。……そっちに遊びに行っていいか?」 穏乃「……あ、うん。いいよ、京太郎なら大歓迎……!」 京太郎「次の夏休み、インターハイ。どうなるか分からないけど、また会おうぜ」 穏乃「うん……」 京太郎「次の冬休みも、次の次の夏休みも。……お前は、大学に行くのか?」 穏乃「まだ、分かんない……」 京太郎「俺は大学に行くつもりだ。だから、もし大学に行く気になったら教えてくれ。お前と一緒の大学に行きたい」 穏乃「……え……あ……」 京太郎「要するにだ。これから先、できるだけお前と一緒にいたい。……迷惑か?」 穏乃「……ううん、全然。全然、迷惑なんかじゃない」 京太郎「そっか」 穏乃「そうだよ!」 京太郎「高鴨! じゃない、穏乃!」 穏乃「うん!」 京太郎「好きです! 付き合って下さい!」 穏乃「よろしくお願いします、大好きです!」 ………… 穏乃「ただいま! 憧、みんな! 恋人ができちゃった!」 全員「ブフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!?」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 咲「優希ちゃーん、部活終わったよー……ってあれ?」 優希「くかー……」 久「あら、優希寝ちゃってるわね」 京太郎「そういえば昨日寝不足だったらしいですよ……どうしましょうか」 優希「むにゃむにゃ、もっとタコス食べるじぇー……」 まこ「ここまでぐっすり眠っとると起こすんも悪い気がするのう」 和「ですがこのままというわけにもいかないのでは?」 咲「そうだよね……」 久「うーん……よし、須賀君」 京太郎「……だいたい想像つきますけどなんでしょうか?」 久「優希をおんぶして家に送ってあげてくれないかしら」ニコッ 京太郎「ですよねー……」ガクッ ―― 咲「じゃあ京ちゃん、また明日ね」 和「また明日」 京太郎「おう、また明日な……さてとじゃあタコスの国のお姫様をお送りいたしますか……」 優希「すうすう……」 京太郎「全く気持ちよさそうに寝やがって……」 京太郎「あーあ、どうせならもうちょっと背中に色々当たるのを堪能出来る子をおんぶしたかったぜ」 優希「んう……」 優希(んっ、私寝ちゃってたのか……あれ、なんかあったかいじぇ……) 京太郎「……」スタスタ 優希(……えっ!?)ビクッ 京太郎「んっ?優希、起きたのか?」 優希「……す、すー」 京太郎「ってわけじゃないのか……まあ、起きて騒がれるよりはこのまま寝ててくれた方がいいか」スタスタ 優希(あ、焦ったじぇ……で、でもなんで京太郎が私をおんぶしてるんだ?) 京太郎「全く部長もいくら俺が一番優希と家が近いからって……」ブツブツ 優希(なるほど……) 京太郎「にしても軽いな優希の奴……あんだけタコス食ってるからもうちょい重いと思ってたんだけど」 優希(失礼な奴だな……私だって女の子なんだからそこは気をつかってるんだじょ!は、始めたのは最近だけど……) 京太郎「……」 優希「……」 優希(……京太郎の背中大きいな。自分が小さい方なのは自覚してるけど、それを抜いても男の子なんだな……) 京太郎「んしょ……」サワッ 優希「……!」 優希(ううー、そういえばおんぶされてるから太ももとか触られてるのか……な、なんだか恥ずかしくなってきたじぇ)ドキドキ 京太郎「……」スタスタ 優希「……」ドキドキ 優希(いつか、起きてる時にもこうしてほしいな……うん) 京太郎(寝息はなくなってるし、心臓ドキドキしてるし……寝たふりなのバレバレだっつうのタコス娘) 優希(でも今はこうして京太郎の背中を堪能するじぇ……えへへ)スリスリ 京太郎(くすぐったいんだが……まあ、いいか。こういうのも、なんだかんだで別に嫌じゃないしな) カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 淡「キョータロッ!」ガバッ 京太郎「うおっ。 淡~、突然は止めろよ~」 淡「あははっ、ごめーんっ」ギュッ 淡「すんすん。……ん~、キョータローはいい匂いがするなぁ~」 京太郎「そうか? むしろ汗臭かったり……」 淡「ぜーんぜんっ! 私この匂い好き!」 京太郎「そうかそうか」 淡「でも~……」 ギュウウウウッ 淡「キョータローの方がだーい好きっ!!」 京太郎「俺だって、大好きだよ淡!」 淡「キョータロー!!」 京太郎「淡!!」 アハハハッ! ウフフフッ! 尭深「幸せになるのですよ……」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 淡「……」 京太郎「……」 淡「……何よ、何か言いなさいよ。いつもみたく、バカにすればいいじゃん」 京太郎「できると思うか?」 淡「いつだって、バカにしてたじゃない」 京太郎「そりゃあ、バカだからな。お前は」 淡「ほら……!」 京太郎「でも、今のお前はバカじゃないだろ。白糸台の大将で、精一杯頑張ったんだろ」 淡「でも、負けたもん。白糸台の大将が、ぽっと出の清澄の、一年に負けたんだよ?」 京太郎「俺の中で、お前は勝ってる」 淡「何言って……!」 京太郎「負けたがどうした。お前は、大将になるまで頑張って」 京太郎「決勝に残るまで頑張って、南四局までずっと頑張ってきただろ。俺は、お前の頑張りを知っている。だから、勝った」 淡「……でも、」 京太郎「うるせえ。兄貴の俺が言うんだから間違いねえ」 淡「……ふん、バカ兄貴。かっこつけて……」 京太郎「かっこつけならお前も相当だ。……淡。俺はおんぶしてるからお前が見えない。……もう、いいだろ。意地っ張りもそこまでだ」 淡「…………う、ぐっ」 淡「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! くやしい、くやしい、くやしいっ……!」 淡「負けちゃった、負けちゃったぁぁっ……! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……う、ぁぁぁぁぁぁっ……!」 京太郎「よく頑張ったよ、淡。お疲れ様」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 優希「…汗臭いじぇ」 京太郎「文句言うな。こっちだって引っ付かれてくそ暑いんだっての」 優希「……ごめんなさい」 京太郎「……別にそこまで怒ってねーよ」 京太郎「お前がしおらしくなるなんて、明日は久々に雨でも降るのかもな」 優希「……うるさい、馬鹿犬 」 京太郎「偏食ばっかしてるからバテて体調崩すんだよ、このタコス馬鹿」 優希「……」 京太郎「……ちょっと急ぐか。あんま揺らさないようにするけど、気分悪くなったら言えよ?」 優希「ううん、ゆっくりでいい」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 尭深「・・・」 京太郎「・・・」 尭深「・・・あの」 京太郎「は、はい!!」 尭深「わざわざ、ありがとうございます」 京太郎「いえ、男としては当然と言いますか・・・ははは」 尭深「あ、そこは右で・・・」 京太郎「はいっ」 京太郎(偶々足を挫いている場面に出くわして) 京太郎(確か白糸台だったなーなんて思って話かけ) 京太郎(試しにおんぶを提案してみたら、まさか本当にすることになるとは・・・) 京太郎(いやっ、ひにじょーっに役得ではあるけども!!) 京太郎(体全体なんか柔らかくてさっ、スカート越しの太腿も素晴らしい!!) 京太郎(特に背中の お も ち の感触なんてもう!!) 京太郎(・・・でもこの人、なんか邪気が少なすぎて罪悪感がひしひしと・・・)モヤモヤ 尭深(・・・ちょっと、はしたない、かな) 尭深(会って間もない男の人におんぶして貰ってるなんて・・・)カァ 尭深(でも・・・話し掛けられたことは凄く嬉しかったし) 尭深(この人になら大丈夫って思っちゃったんだもん) 尭深(・・・お父さんとは違う背中) 尭深(私よりずっと広くて、頼もしい) 尭深(髪の毛も淡ちゃんと同じ色なのにかっこよく見える・・・)ナンデダロ 尭深(匂いも、ちょっと汗の匂いが混じってるけど、嫌いじゃない)クンクン 尭深(もしかして) 尭深(一目惚れって、やつかな)ギュッ 尭深(だったら―――) 尭深(もっと大胆にならなきゃ、ダメだよね)クス、スリスリ 京太郎(え、ちょ、なんなんだこれ!?) 京太郎(なんだこれっ、もぉぉぉ!!!) ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 香菜「きょーたろーには、この香菜ちゃんをおんぶする権利をあげるんだし!」ビシッ 京太郎「へいへい、ありがとうごぜえます」 香菜「コラ、京太郎! 感謝の気持ちが足りないんだし!」ペチペチ 京太郎「あいたたた、殴るな殴るな!」 香菜「フン。全く京太郎は仕方ないんだし! 麻雀もよわよわだし、頭もキンキンだし、不良っぽいんだし!」 京太郎「うっせー、こいつは地毛だ。香菜こそ、天然の猫耳みたいな髪してるじゃねえか」 香菜「香菜ちゃんは可愛いからいいんだし!」 京太郎「はいはい、香菜ちゃんは世界一可愛いですねー」 香菜「そうだろう、そうだろう。だから京太郎は、香菜ちゃんと結婚するんだし!」 京太郎「あっはっは、まだ早いっつーの!」 香菜「香菜ちゃんが嫁に行ってあげるっていうのに、何の不満があるんだし!」 京太郎「そうだな、無い……と言えば無いのかなあ。よーし、香菜。それじゃあ、結婚するか!」 香菜「やったー! これで京太郎は香菜のものだし!」 香菜「むにゃ……うにゅ……にゅぅ……」 京太郎「ははは、はしゃぎすぎたか。よっと、ただいまー」 華菜「あら、あなた。おかえりなさい、香菜は寝ちゃった?」 京太郎「ああ、おんぶしてたのに大はしゃぎで大変だったよ」 華菜「ふふ、こうしていると昔の私にそっくり」 香菜「むにゃ……」 京太郎「にしても、昔の華菜の口癖なんかどこで覚えてきたんだ」 華菜「血は争えないのかしらねぇ……」クスクス カン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「………」テクテク 穏乃「あ、きょーたろーじゃん!おーい」フリフリ 京太郎「ん、穏乃か?………ちょい待て。なんで距離を取る」 穏乃「行っくよ~!!?」イチニツイテ 京太郎「いやな予感しかしねぇ!」ヨーイ 穏乃「どんっ!!」バッ 京太郎「でりゃあ!!」ダッ 穏乃「まて~!」ダダダダダ 京太郎「誰が待つかよ!」ドドドドド 穏乃「ひっどぉーい!宥さんに言い付けてやる」 京太郎「ヤメテ!俺のハートが壊れちゃう!」 …。 ……。 …………。 ……………………。 京太郎「なん…とか巻いた、か…」ゼーハーゼーハー 穏乃「あれー?きょーたろーどこー?」 京太郎「なんつー体力してんだよアイツ。山育ちで片付くレベルじゃねぇよ」 京太郎「ま、このまま5分も隠れてりゃなんとかなるか」 穏乃「むむ…山で私に勝負を挑むとは良い度胸だね」ニヤリ 京太郎(なーに言ってんだかあのジャージ娘は) 穏乃「そこだぁ」ガバッ 京太郎「へ?」 穏乃「へへっ♪きょーたろー発見!」ギュー 京太郎「な、なんでここが分かったんだよ」 穏乃「勘!」ニパーッ 京太郎「はぁ…。聞いた俺が間違ってたよ」 穏乃「まあ良いじゃん。勝負は私の勝ちなんだし」 京太郎「なんの勝負だ。なんの」 穏乃「なんだっけ?」 京太郎「なんだそれ」ガクッ 穏乃「てな訳で負けたきょーたろーに罰ゲーム!学校まで私を運んでって」 京太郎「ちょっ!散々ここまで走ったってのに本気かよ!?」 穏乃「逃げたのはきょーたろーの勝手じゃん。良いから場合ゲーム!」 京太郎「トホホ……どうせなら玄先輩が良かったぜ」 穏乃「文句は聞きませ~ん」ギューッ 京太郎「ぐぇ。ちょっ穏乃、首絞まってるから」ペチペチ カンッ! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ガチャッ !! 洋榎「うなぁー! 外あっついわー!!!」バタンッ!! 恭子「あちゃぁ……来ちゃったよ……」 京太郎「うわぁ……来ちゃいましたね……」 洋榎「おー恭子! なんや死にそうな顔してババみとぉなっとるなぁー!! アハハハハハッ!!!」 恭子「……」 洋榎「おっす京太郎! お前もお前でシケた顔しとんなぁ! 気合出せ気合ー!!アハハハハハッ!!!」 京太郎「……」 恭子「……須賀くん、頼むわ」 京太郎「御意」スッ 京太郎「……」 洋榎「お? どしたんどしたん? なんかくれんのか?」 京太郎「……失礼しますッ」 ガバッ ギュッ 洋榎「ふぇっ」 洋榎「……あっ……?」 洋榎「なっ、やっ、ええっ!? ちょ、ちょちょちょちょおおおお!!? 須賀、おま、なにしとん……」 京太郎「よっと」 グッ 洋榎「ひゃっ」 京太郎「よいしょーっ」 グルンッ 洋榎「きゃっ」 京太郎「どっこいっ」 キュッ ポフンッ 京太郎「あ、洋榎さんむっちゃ軽いっすね」 恭子「お見事っ。流石やね」 京太郎「いえいえ」 洋榎「な、ななななな……!」 洋榎「……なんでウチが須賀におぶさって……」 恭子「どうや主将?」 洋榎「どどど、どうっておま、これ、やっ、あかんて、ほんまっ」 恭子「もっと喜びーや。 夢に見た須賀くんの背中やろ?」 洋榎「す、須賀の…………須賀の……」 洋榎(……須賀の背中……めっちゃ広くて……あったかくて…………) 洋榎「ぁ、アカンよ………こんなん……アカンて…………」 洋榎「……うぅ……//」 京太郎「静まりましたね」 恭子「グッジョブやで、須賀くん。これからも頼むわ」 京太郎「ええ、喜んで」 恭子「後でウチにも頼むわ」 京太郎「えっ」 洋榎「……アカン……アカンよこんなん……//」 ギュッ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 豊音「あれ?京太郎君、足どうしたの?」 京太郎「いえ…さっきの山道を下りる時に挫いちまったみたいで…」イテテ 豊音「だいじょうぶ?ちゃんと歩ける?」 京太郎「ええ、ゆっくり歩けば何とか…つっ!」 豊音「もうすぐ日も暮れちゃうし…ど、どうしよう…」オロオロ 豊音「あっ、そうだっ!」 ――― ―― ― 京太郎「あの…重くないすか?」 豊音「へーきへーき!重いものは持ち慣れてるんだよー」 京太郎「なんかすいません…姉帯さんに迷惑かけちゃって…」 豊音「め、迷惑なんてちーっとも思ってないよー?」アセアセ 京太郎「…」 豊音「…」 豊音「ご、ごめんね?」 京太郎「ちょ、どうして姉帯さんが謝るんですか!?」 豊音「だって私が山菜採りに行こうなんて言ったから…」ショボン 京太郎「そんな!この足は俺の不注意で…それに山菜採り楽しかったっすよ!」 豊音「ほ、本当に…?」 京太郎「ええ!だって姉帯さんと一緒なんですから!」 豊音「えっ///」 京太郎「あっ…」 豊音「////」 京太郎「////」 京太郎(き、気まずい…) 京太郎(何か話をしないと、間が持たない…) 京太郎(…しかし…あれだよな…) 京太郎(姉帯さん…大きい体がコンプレックスって言ってたけど…) 京太郎「体つきは女性らしいよな…柔らかいし、いい匂いがするし…」 京太郎「髪もすごく艶っぽいし…うなじも白くてキレイだし…」 京太郎「こうやっておんぶされてると…やっぱり恥ずかしいけど…」 京太郎「でも、あったかくて、なんかすごく落ち着く…」 京太郎「おんぶっていいよな…」 豊音「~~~~ッ////」プルプル 京太郎「ど、どうしたんですか姉帯さん!?」 豊音「なんでもない!なんでもないんだよーーっ!!////」ブンブン 豊音(京太郎君の独り言、聞こえてるよーーっ!ちょーはずかしいよー…//////)プルプル ――― ―― ― 京太郎「あのー…姉帯さん?そろそろ降ろしてもらっても…」 豊音「/////」 マァ クスクス ナニアレー 京太郎「えーと、もう町中ですし…その、さすがに人の目が…」 豊音「/////」 ママーアノオニイチャンコドモミタイー 京太郎「」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「さぁ、菫さん、どうぞ」ニヨニヨ 菫「・・・」 京太郎「菫さーん?」 菫「・・・顔が緩んでるぞ」 京太郎「そんなことありませんよ」キリッ 淡「すみれー、早くしてよー」ニヤニヤ 照「その通り」ニヤニヤ 誠子「王様の言うことは絶対ですよ、先輩」ニヤニヤ 尭深「・・・」ニヤニヤ 菫「うるさいっ、お前ら絶対にグルだろう!?」 照「これは酷い言い掛かり」 淡「証拠出せしょうこー」 菫「ぐ・・・」 京太郎(実は俺は全く関係ないんだけどな)ヤクトクヤクトク 菫(いきなりの王様ゲームがまず不自然) 菫(そしてあからさまなアイコンタクトとおかしなボディーランゲージ) 菫(事前に打ち合わせがあったと考えるのが自然) 菫(・・・というか打ち合わせをしたならもっと上手くやれないのか) 菫(こんなことに乗ってしまった私もどうかと思うが) 菫(そして何より) 菫(理由を付けてお、お、おんぶして貰えるのが嬉しいと感じている私に腹が立つ)カァァ 淡「お ん ぶー」 菫「!?」 照「お ん ぶ」 誠子「お ん ぶー」 尭深「お ん ぶ・・・」 四人「お ん ぶ!! お ん ぶ!!」 菫「・・・っ」プルプル 四人「お ん ぶ!! お ん ぶ!!」ニヤニヤ 菫「」プツン 菫(もう、いい・・・疲れた、私は、あそこで休む)フラフラ 京太郎(流石に気の毒な気がしてきた・・・) 京太郎(お? 菫先輩の目が虚ろに) 菫「京太郎くん」ポソ 京太郎「は、いぃぃ!?」 菫「疲れた、私は。どこか遠く行きたい」ムギュムニュニュ 京太郎「で、では、屋上なんてどうでしょうか!!」 菫「いいな・・・頼む、そこに」ムギュ 京太郎「了解です!!」スタスタスタッ 菫「君は・・・意外に逞しいんだな」サワサワ 京太郎「うえっ!? ま、まぁ鍛えてますからねっ」 ソウカ・・・タクマシイノハイイコトダ、ワタシハスキダゾ チョ、ホントウニダイジョウブデスカ!? アア、ワタシハダメダ。ダカラマモッテクレ。 ウッ。コリャホケンシツカ? 誠子「少し追い詰め過ぎましたかね」 照「大丈夫、菫は強い子だから」 淡「だいじょぶだいじょぶー」 誠子「無責任な・・・」 尭深「・・・それに、もう先輩の不器用なアプローチを見るのは沢山」 誠子「それは、まぁ・・・」 尭深「むしろ、感謝されてもおかしくない・・・」 誠子「そ、そうかな?」 尭深「きっとそう」 誠子(尭深、結構鬱憤が溜まってたんだね・・・) ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| (俺の彼女は見た目と違って大層子供っぽい。だがそれがいい) 豊音「ねーねー、おんぶ、おんぶ。京太郎くん、おんぶおんぶ」 京太郎「わーかーりーまーしーた」 豊音「えへへ、やったー!」 京太郎「ちぇいさぁっ!」ヒョイ 豊音「わわっ、やったっ!」 京太郎「……うん、これなら何とかなるか」 豊音「えへへー、京太郎くん。ちからもちー」 京太郎「伊達に豊音さんの彼氏じゃないっすよー」 豊音「か、彼氏って。やだなあ、恥ずかしいっ!」 京太郎「じゃ、歩きますねー」 豊音「うんっ!」 京太郎「……」テクテク 豊音「……ねえねえ、京太郎くん」 京太郎「はいはい?」 豊音「本当に私で良かったの?」 京太郎「……」 豊音「だって私でっかいし、ぼっちだし、世間とか知らないし」 豊音……京太郎くんの幼馴染みの、咲ちゃんみたいに小さくないし。それでも、いいの?」 京太郎「…………初めて会ったときさ」 豊音「うん」 京太郎「あ、守ってあげようって思った。豊音さんが辛い想いをするなら、それから守ろうって」 京太郎「笑えるなら、一緒に笑おうって。――君を、一人にしたくなかった」 京太郎「村の掟なんか、糞食らえだ。俺は豊音さんと生きる。一目で惚れて、二目でそう決めた」 京太郎「だから豊音さん。……困ったときは、頼ってくれ。俺は、豊音さんだけの英雄になるから」 豊音「……うんっ!」 カ―― 豊音「ところでさ、京太郎くん」ヒソヒソ 京太郎「わ、耳くすぐったいっ!」 豊音「えへへ。今日なんだけどさ。……泊まっていっても、いい?」 京太郎「え、あ、う……」 豊音「……だめかな?」 京太郎「オールオッケー! 今夜は寝かさないぞぅ!」 豊音「きゃーっ! もー、京太郎くんのえっちー!」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 衣「きょーたろー、衣をおんぶしてくれ。」 京太郎「はい? なんでまた……?」 衣「以前きょーたろーに負ぶさった時非常に乗り心地がよかったのでな。」 京太郎「あれ? そのとき衣さん寝てましたよね?」 衣「衣は途中で起きたぞ、夢寐にも忘れぬ心地だった。」 京太郎「そうなんですか。」 衣「兎にも角にもおんぶしろー!」 京太郎「はいはい、わかりましたよ衣お嬢様。」 衣「うむ! それでいい! それでは全速前進だ!」 ハギヨシ「須賀君が来てから衣様が明るくなられましたね、おんぶのおかげでしょうか。」 透華「あら……ならこちらもしてもらおうかしら……ハギヨシ。」 ハギヨシ「はい、透華お嬢様。」 透華「こちらは安全運転でお願いしますわ。」 ハギヨシ「かしこまりました。」 透華「……たまにはこういうのも良いかもしれませんわね。」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 「……すっかり秋ですね。」 「うん。」 バイクでゆっくり走りながら私たちは町並みを眺める。 京ちゃんが運転して側車には私が乗っている。 木々が色付く季節になり、町の並木にも風情が感じられる。 若しくは京ちゃんと一緒にいるからかもしれないけど。 家まで辿り着いてバイクが止まった。 ただ、まだ少し京ちゃんと一緒に居たいから駄々をこねる。 「京ちゃん、もうちょっと町を回らない?」 「良いですけど、バイクは置いていっていいですか?」 「うん、散歩しよっか。」 「いえいえ、今度は側車じゃなくて俺の背中に乗ってください。」 「……いいの?」 「ええ、照さんおんぶするくらい、軽いものですよ。」 大きくて落ち着く背中が肌寒い木枯らしから私を護ってくれる。 バイクを走らせてきて冷たくなった肌が少しずつ暖まる。 京ちゃんの足が止まる、目線を辿ると自販機があった。 「照さん、身体冷えたでしょ? 何か温かい物でも飲みますか?」 「ううん、別に良いよ。」 「あー……じゃあ、俺の分買っても良いですか?」 「うん。」 京ちゃんが器用に自販機から暖かいお茶を買っていた。 それを私に寄越して言う。 「俺今手が塞がってるんで持っててください。」 「わかった。」 温かいお茶を持って私の手が暖かくなる、私の手が冷たくなっていたのに気付いて気を使ってくれたのだろう。 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 玉子「進むのだ馬よ!」 京太郎「暑い…」 花子「おー玉子、いい乗りモン乗ってんじゃねーか」 玉子「花子、いつもの原付はどうしたのだ」 花子「いやーとうとう史織と2ケツで登校してるのバレてさー」 史織「花子ちゃんがぁ無茶して大通り通るから~…」 玉子「それは不運だったな、明日からこの馬を貸してやろう」 京太郎「マジっすか…」 花子「そりゃいいな」 史織「おんぶとか久しぶり~」 京太郎「…」 史織「?」ボイン 京太郎「…アリですね」 史織「キモーイ」 京太郎「ヒドーイ」 京太郎「…」ホッコリ 花子「幸せそうな顔だなあ」 玉子「下心満載であるな」 史織「私も花子ちゃんに肩車してもらいた~い」 花子「えー、史織はおっぱいの分重いからなあ」 玉子「何気に余をバカにしておるだろう」 京太郎「なーに言ってるんですか浅見さん、おっぱいには夢が詰まってるんですよ」 京太郎「即ちおっぱいが重いということは抱いた夢の重さが云々」 史織「本格的にキモいんですけどぉ」 花子「ブレないなあ…どれ、ちょっと私にも乗らせろよ」 史織「えっ…」 花子「え?ダメ?」 史織「い、いや…どうぞぉ」 花子「あぁ…冗談冗談乗ってけ乗ってけ、史織も女の子だなー」ニヤ 史織「~~~!」ゲシッ 京太郎「何故蹴った!?」 おわり 越谷流行れ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 憧「……ぅ…」ボーッ 「お、気が付いたか?いきなり倒れたからびっくりしたぜ」 憧(この声は、須賀?ああそっか私部活中に倒れたんだっけ) 京太郎「先生の話だと体調不良と軽い熱中症が重なっただけみたいだからしばらく休んどけってさ」 憧(まさか部室で熱中症になるなんてね。いや、結構多いらしいけど) 憧(………カッコ悪いとこ見せちゃったなぁ)シュン 京太郎「みんなも心配してたんだぞ?特に穏乃なんかはテンパり過ぎてさ――」 憧(……………ん?なんか可笑しいわね) 京太郎「赤土さんなんて冷静装ってたけど冷や汗がヤバくってさ。宥さんに注意されてたんだぜ?」 憧「……んぅ…」パチクリ 京太郎「どうかしたか?」on his back 憧「………ヒッ…」サァーッ 京太郎「まさかまた気分悪くなったとか?ならすぐに家まで送ってってやるからな!」オロオロ 憧「………ふきゅぅぅ…」クラクラ ポスン カンッ! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 泉「うぁ~…あっつぅ~…汗ぐっちょりで不快感がMAXやわ…」グデー 京太郎「なら足くじいてんじゃねえよ、阿呆娘」 京太郎「このクソ暑い中、おんぶしてるんだからぼやくなよ」 泉「そんなん言うても仕方ないやん」 泉「…というか…京太郎のシャツもグショグショやし…ちょっと汗臭いし…」スンスン 京太郎「…え?…マジ?…」 泉「ホンマホンマ」スンスン 泉「ちょっと制汗剤の匂いもするで。ほとんど汗の臭いだけど」スンスン 京太郎「おい、嗅ぐな!恥ずかしいだろ!」 泉「ほらアレや…くっさい靴下嗅いだらもう一度嗅いでしまうアレやで」スンスン 京太郎「今の俺、靴下並かよ!?」 京太郎「ホテル帰ったらシャワーあびよ…」 泉「…浴びんでええやん」ギュ 京太郎「…は?」 泉「…ウチはこの(京太郎の)匂い好きやで」スンスン 京太郎「…今すぐ降りろ、匂いフェチ」ドンビキ 泉「ちゃうわ!察しろや、この鈍感!」ムキー! カン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 賢姉様:おんぶなう 俺:いちいちそういうの拡散しなくていいから とー子:ちょっと淡さん!?どういうことですの!? 賢姉様:んー?どういうことって、そういうことだよー 賢姉様:今、愚弟の背中におんぶされてるのー アコ丸:またアホ姉弟がベタベタしてると聞いて シ ズ:仲良いよね。京太郎と淡 のどか:けど正直16にもなってこれはどうかと思います 巨従士:あやしい… とー子:ハギヨシ!今すぐ白糸台に向かいますわよ! 執事:かしこまりました。お嬢様 片目:ハギヨシ様、私もお供いたします 執事:ありがとうございます。美穂子さん 賢姉様:トーカ、うちに来るの?じゃあお土産よろしくね! てるる:お菓子が良いと判断できます。――以上 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| シロ「あ゛ー……」 京太郎「……」 シロ「……ダッル……」グデー 京太郎「なら離れてくださいよ……暑いんスよいい加減……」 シロ「離れるのもダルい……」 京太郎「こちとら暑いわ重いわでそろそろ倒れそうなんスけど」 シロ「……」 ギュウウウウ 京太郎「ぎゃあ」 シロ「女子に向かって重いだなんて失礼……」 京太郎「重くしてるのはシロさんでしょうが……うわ、足絡ませてきたっ」 ペロッ 京太郎「おわぁ!」 シロ「ふふっ……しょっぱい……」 京太郎「……人に勝手におぶさったり足絡ませたり首筋舐めたり……もうヤダこの人……」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「俺が花田先輩を背中合わせに背負って!」 煌「私が背中合わせに須賀君の背中の上に乗っかって!」 京太郎「俺が目標に向かって全力疾走!」 煌「私は何もしない!」 京太郎「そして体当たり!」 煌「私は何も以下略!」 「「ロングホーン・トレイン!!」」 優希「あの二人、何やってるんだじぇ・・・?」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 高一最強が足首捻ったそうです 京太郎「文化系の部活で足首捻って転ぶやつなんて初めて見たぞ」 泉「うぅ……ありえへん、こんなん何かの間違いやて」 京太郎「残念ながら現実だ……あー、なんか長野に置いてきた幼馴染み思い出してきた」 泉「ん?京太郎って幼馴染みとかいたん?」 京太郎「ああ、これがまたどんくさいやつでさ……なんかほっとけないやつなんだよなー」 泉「そう、なんや……」ズキッ 京太郎「いっつも本ばっかり読んでてさ、京ちゃん京ちゃん言いながら世話やいてくるんだよ……」 京太郎「そういえば、あんな事もあってさ!」ペラペラ 泉(……その幼馴染みの子、ずっと須賀くんと一緒にいてたんやろな、だから気兼ね無く隣にいれてたんや) 泉(……なんか、うらやましいな)ギュッ 京太郎「でもまぁ、こっちに引っ越してから寂しくなるんだろうな……って思ってたけど、そんな事無かったんだよな」 京太郎「今は泉がいるし、退屈になることなんか全然ないからな」 泉「……え?」ドキッ 泉(それって……長野の幼馴染みと同じくらいに見られてるってことなんかな?) 泉(あ、いやでも私ってけっこー自意識過剰っぽいみたいやし!船久保先輩とかにも釘刺されてるし!!勘違いに決まってる……) 泉(あ、いやでも万が一……そういう風に見られてるってことも……あーもう、なんなんやろこの感じ……!)ドキドキ 京太郎「……泉、心臓の鼓動早くなってんな」 泉「ふへっ!?」ドキッ 泉(あ、せや……体くっつけてたからモロバレやないですか……は、恥ずかしくなってきた///)カァァ 京太郎「泉、おまえ……」 泉「……!///」ゴクリッ 京太郎「胸無いから余計に分かりやすいのな」 泉「」ドスッ 京太郎「……はっ!?、その理屈で言ったら清水谷先輩の胸の鼓動は感じられないって事か!?」 京太郎「クソッ!!なんてこった!妄想は結局妄想でしかありえないって事なのか!!」 泉「……」ガシッ 京太郎「おい泉、首に腕回してどうしふぐぅぅっ!!?」ギュゥゥゥ 泉「さぁどうしてですかねぇぇぇ?」ギリギリギリ 京太郎「あぎぎ!ちょ、ちょーくすりーぱーはなばいって、しぬって、あぶないって!!!」ギギギギ 泉「落とされたくなかったらはよ保健室に連れてってくださいね、須賀くん?」ニコッ 京太郎「ぐぅおぉぉぉぉァァ!!!!?」ギリギリギリ カンッ ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| ひろえ「おかんおんぶしてやー!」ピョン きぬえ「じゃあおとんはうちをおんぶして?」 雅枝「こら!急に飛びつくやない!」ゴン ひろえ「うえーん!おかんがぶった!このぼうりょくま!」 京太郎「そんなこといわないの…ひろえは言葉使いと行動を女の子なんだから考えるんだよ?」メッ きぬえ「そうやでおねえちゃん!おんなのこはおしとやかにするっていわれとるやろ?」 雅枝「そうや…言われたことは守らないと悪い子になってまうで?」 ひろえ「…ごめんなさい」グスッ 雅枝「よし!ちゃんとごめんなさいできたな…ええ子やな…」 京太郎「じゃあそろそろ帰りますか…ほらきぬえこっちにおいで、おんぶしてあげるから」 雅枝「ひろえもごめんなさいできたからおんぶしたるで?」 きぬえ&ひろえ「はーい!」 雅枝「でも荷物もあってこの子達おんぶするのはちょっと重いな…」 京太郎「でもそれが幸せの重さですかね…」 雅枝「そうやなぁ…京太郎と結婚して子供もできて…幸せやなぁ…」 京太郎「久しぶりに手でもつないで帰りますか?」スッ 雅枝「まるで新婚みたいやな?」ギュッ 京太郎「俺の気分はいつでも新婚ですよ…なんなら今夜証明しましょうか?」 雅枝「あら…夜が楽しみやな?」 ひろえ「おかんもおとんもなかよしやな!」 きぬえ「うちらはかぞくやもん!とうぜんやで!」 雅枝「せやね…これからも家族みんなで仲良くがんばっていくでっ!」 みんな『おーっ!』 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「あれ?」 和「つうっ……」 京太郎「お、おいどうしたんだよ和!」 和「あっ、須賀君……足をくじいてしまいまして。立とうとしてるんですけど痛みが走ってなかなか……」 京太郎「無理はしない方がいいって!親御さんに迎えに来てもらうとか出来ないのか?」 和「父も母も今日は深夜まで帰らないんです……」 京太郎「うーん、そうか……そりゃ困ったな。よし、それなら……」 和「須賀君?」 京太郎「家まで送ってく。ほら、背中に乗った乗った」 和「いえ、そんな、そこまでしてもらうわけには……」 京太郎「いいっていいって。それとも暗くなるまでここでうずくまってるつもりなのか?」 和「それは……」 京太郎「こんな時くらい頼ってくれよ、な?」 和「そ、それじゃあ……失礼しますね」ギュッ 京太郎「ちゃんと掴まったな?よし、行くぞ!」 和「きゃっ!?」 京太郎「あっ、悪い、痛かったか!?」 和「ち、違います。少し驚いてしまっただけなので……」 京太郎「ふぅ、それならよかった。じゃあ改めて行くとしますか」 ―― 京太郎「……」 和「……」 和(誰かにこうして背負われるなんていつ以来でしょうか……幼い頃父に背負われて帰った日を思い出します……)ギュッ 京太郎「和?」 和「えっ?」 京太郎「いや、なんか抱きつく力が強くなったからさ。どうかしたのかなって……」 和「す、すいません。昔の事を思い出したらつい父に背負われているような気がしてしまって……」 京太郎「お父さんか……なあ、やっぱり寂しかったりするのか?」 和「そう、ですね……全く寂しさを感じないと言えば嘘になります」 京太郎「……」 和「あっ、けど、今は寂しさより楽しさを感じる事の方が多いんですよ?」 和「ゆーきや咲さん、部長や染谷先輩、麻雀部のみんながいますから」 京太郎(そこに俺はいないのね……いや、わかってたけどさ) 京太郎(元々俺は雑用くらいしかできない麻雀部にとってもいくらでも換えがきく存在だし……) 和「もちろん須賀君もその一人ですよ?」 京太郎「……」 和「須賀君?」 京太郎「和って実はエスパーだろ?」 和「な、なんですかいきなり、そんなオカルトありえません!」 ―― 京太郎「本当にここでいいのか?」 和「えぇ、ここまで来たら後は一人でも大丈夫なので。さすがにこれ以上須賀君が帰るのを遅くするわけにもいきませんし……」 京太郎「ははっ、気遣ってくれてサンキュー」 和「須賀君」 京太郎「んっ?」 和「今日はありがとうございました」 京太郎「おいおい、お礼ならさっきも言われたぜ?」 京太郎(それにお礼なら正直色々堪能させてもらった俺の方が言いたいし……) 京太郎(いや、途中から話に集中してなんかうやむやになっちまったけど) 和「いえ、それだけではなくて……久しぶりに背負われて、少しあの頃の気持ちを思い出せましたから」 和(それに須賀君の背中が意外に大きい事もわかりましたし……って私は何を考えてるんですか!?) 京太郎「なんかよくわかんないけど……」 京太郎(まあ、和が嬉しそうだからいっか) カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「何やってんだか」 憧「あははは……」 京太郎「穏乃と遊ぶならカラオケとかにでも行けよ。アイツの山(テリトリー)に入ってねんざするとか」 憧「面目無い」 京太郎「ほら、背負ってやるから乗れよ」 憧「う、うん」ギュッ 京太郎「うわっ、軽っ!!ちゃんとしメシ食ってんのか」ヒョイ 憧「うるさい!!女の体重について触れんな!!」ポコン 京太郎「いってえ!!『軽い』って言ってんのに駄目なのかよ!!」 憧「まったく……そんなんだから女の子にモテないのよ」ギュ 京太郎「うるせぇ」 憧「(京太郎の背中、意外と大きい……ヘタレだと思ってたけどやっぱり男の子なんだなぁ)ドキドキ」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 友香「脚が痛いで~」 京太郎「一日歩くつってんのに和服に草履なんかで来るから…」 友香「和服は日本の良き文化でぇ~」 京太郎「はいはい」 友香「面目ないで~」 京太郎「まーいいんだけどさ、役得だし」 友香「スケベだ!太ももばっか触られるで~」 京太郎「うっせ!うっせ!どこ持ちゃいいんだよ、触らせろ!」 友香「で~~」 梢「何でお尻丸出しなんでしょうか」 澄子「和服なんで手繰り上げないとおぶされないそうです」 莉子「友香ちゃんが露出狂になっていく…」 美幸「外で何やってるのもー!」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 緋菜「たかいし!」 菜沙「そろそろおりるし!」 城菜「菜沙はさっき乗ったからつぎはあたしだし!」 華菜「お前らいい加減しろ須賀が死にかけてるし!」 菜沙「まだまだ乗るし!」 城菜「乗り足りないし!」 華菜「昼寝しない子にはおやつあげないぞ」 緋菜・菜沙・城菜「おやすみだし!」 華菜「はーーやっと寝た。大丈夫か須賀?」 京太郎「子供だと思って油断してました。まさか3時間も乗り続けられるとは……」 華菜「あれくらいの子供は一回やると次々来てとまらないからねー」 京太郎「ずっと中腰でいたから膝と腰が痛い……」 華菜「お茶入れてくるから少し横になってろ」 京太郎「ありがとうございます……」 華菜「お茶入れてきたぞって……寝てるし」 京太郎「寝てませんよ」 華菜「ならついでに持ってきたアイスも食べて休んでろ」 京太郎「池田さんはどうするんですか?」 華菜「あいつらが寝てる間に家事済ませちゃうし」 京太郎「手伝いますよ」 華菜「良いから寝て早く回復させてろ」 京太郎「何が目的ですか?」 華菜「べ、別にチビ達が羨ましかったなんてことは無いし!」 華菜「回復してもらえば華菜ちゃんも1回くらいやってもらえるかもとか思ってないし!」 京太郎「……」 華菜「早く回復するのは別に悪いことじゃないからな!だから須賀は休んでるし!」 京太郎「……」 華菜「おい……須賀?どうした?」 京太郎「……zzz……」 華菜「……疲れてるのはわかるけど話の途中で寝られると予想以上に腹立つな」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 初美「きょうたろー!さっさと走るのですよー!」 京太郎「はいはい、やればいいんでしょ、やれば」 初美「境内一周してくるのですよー!」 京太郎「あーもう面倒くせえ!」タッタッ 京太郎「霞さんならまだしもなんではっちゃんなんだよ……」 初美「何か言いましたかー?」グイッ 京太郎「痛っ!背中つねんなよ!」タッタッ タッタッタ...... ......コソコソ 小蒔「」ジーッ 春「」ジーッ 巴「あー、あの二人まだやってるんですねー」 小蒔「巴ちゃん!はっちゃんはどうして須賀さんにおんぶしてもらっているんですか!」 春「」コクコク 春「羨ましい」 巴(ああ、二人とも正直だなー) 巴「須賀くんがはっちゃんのお菓子をつまみ食いしちゃったのでその罰、らしいですよ」 小蒔・春「「」」ピクッ 小蒔「お菓子……」 春「……つまみ食い」 小蒔・春「「!!」」ピコーン 小蒔・春「「ふっふっふっ……」」コソコソ 巴(なんか面白そうだから見守ろう) <コラー、マダオシオキハオワッテナイノデスヨー! 京太郎「ふぃー、小っちゃい先輩の世話は疲れるなー……っと、お?」 黒糖「」 ぽたぽた焼き「」 京太郎「なんで小蒔さんと春の好物がこんなところに置いてあるんだ?」 黒糖―【春】 ぽたぽた焼き―【私のです!】 京太郎(思いっきり二人の字だし……) 小蒔「」ジーッ 春「」ジーッ 京太郎(視線も感じるし……) 京太郎(何やってんだあの二人) <キョウタロー! 京太郎「今行きますよー、カルピスと麦茶どっちがいいですかー?」 <カルピスー! 京太郎(放っておこう)トタトタ 小蒔「」ウルウル 春「」ウルウル 巴「あのー……二人とも?」 小蒔「須賀さんがおせんべいを食べてくれないです……」シュン 春「黒糖、おいしいのに……」シュン 小蒔「須賀さんがおせんべいを食べたところで突撃しておしおきとしておんぶをしてもらおうと思ったのに……」 春「……」コクッ 巴(予想はできてましたよ、はい) 巴「姫様、春ちゃん、いいですか?」 小蒔「何ですか……?」 巴「そんな回りくどいやり方をしなくても、須賀くんはおんぶをしてくれますよ」 巴「正直に、正面から言えばいいんですよ」 小蒔「でも、そんなのはしたないです……」 巴「そうかもしれないですね、ですけど、たまにはそんな姫様でもいいんじゃないでしょうか」 巴「「おんぶをしてください」って頼めば大丈夫ですよ」 小蒔「巴ちゃん……」キラキラ 小蒔「巴ちゃんの言うとおりです、頑張りましょうね、春ちゃん!」 ポツーン 小蒔「……あれ?」 京太郎「えー、今度は春かよ」 春「……だめ?」 京太郎「いや、いいよ。ほれ」 春「ん……」ギュッ 春「……」スリスリ 京太郎「んじゃ、京太郎号出発だー!」 タッタッタ...... 小蒔「先を越されましたー!」ウェェン 巴「よしよし」ナデナデ カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 優希「おい犬!」 京太郎「あん?」 優希「私をおんぶしろ!タコスパワーが切れて歩けなくなったのだ」 京太郎「は?何甘えてんだ、自分で歩け自分で――ってか、さっきタコス食ってただろお前」 優希「えーい、だまれだまれだまれ!早く私を食堂までつれてけー!」 優希「おりゃ!」ピョン 京太郎「ぐはっ!」 京太郎「おい、頭を掴むんじゃねえ!」 優希「おんぶして運んでくれるまでこのままだじぇ」 京太郎「わ、わかったから!おんぶするから、せめて肩につかまってくれ!」 優希「ふふん、最初から私に従えばいいんだじぇ」 京太郎(とほほ……) 京太郎「……」 優希「おりゃ!」 京太郎「…………」 優希「うりゃりゃりゃりゃ!」 京太郎「……………………」 優希「これでもか!これでもか!」 京太郎「……あのさぁ」 優希「なんだ」 京太郎「さっきから何やってんのお前?暴れられるとおんぶしづらいんだけど」 優希「当ててやってんのよ!」 京太郎「は?」 優希「漫画でよくある胸を押しつけるあれをやってるんだじぇ。京太郎も私のダイナマイトボディにメロメロだな!」 京太郎「あの……」 優希「ん?」 京太郎「まったくその感触が背中に伝わらないんですが」 優希「な、何っ……!」 京太郎「それ以上しょーもないことやったら本気で降ろすぞ?」 優希「うるさいバカ犬!それがレディーに対する言葉か!死ね死ね死ね死ね!」ジタバタ 京太郎「お、おい!今階段降りてるんだぞ!そんなに暴れると――」 ズルッ 京太郎「うわっ!」 優希「きゃっ!」 二人「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 ズッテンコロリンドンガラガッシャーン! ………………………… …………… …… 優希「いたたたた……」 優希「こら、犬!足を踏み外すでない!もう少しで大怪我するところだったじぇ!」 京太郎「」 優希「……京太郎?」 京太郎「」 優希「お、おい!しっかりするじょ!だ、誰か、誰かああああああああああ!!」 咲「……優希ちゃん?」 優希「さ、咲ちゃん!京太郎が、京太郎が返事をしないんだじぇ!」 咲「う、嘘!?とりあえず誰か呼ばないと……!!」アワアワ 優希「きょうたろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 ――― ―― ― 病院 ドアハアアアアア゙ンッ! 咲「京ちゃん!」 優希「大丈夫か京太郎!?」 憩「……須賀さんのお知り合いの方ですか?」 咲「は、はい!それで京ちゃんは!!京ちゃんはどうなったんですか!?」 優希「――えっ」 そこには顔に白い布をかけられた京太郎の姿があった 憩「…残念ですが、須賀さんは先程息を引き取りました……」 咲「そ、そんな……」ヘナヘナ 優希「う、嘘だじぇ……だって、京太郎はさっきまで私としゃべって――」 憩「……」ハァ 優希「私が……私が、京太郎を……?」 優希「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 清澄部室 咲「ツモ、四暗刻です!」 優希「ぎゃー!また咲ちゃんに飛ばされたじょ!!」 咲「えへへ、麻雀って楽しいよね、一緒に楽しもうよ!」 優希「咲ちゃんばっかり和了るからちっとも楽しくないじぇ!」 久「はいはい、今日の部活はこれまでー。各自忘れ物しないよう気をつけるように」 和「もうこんな時間ですか。あっという間でしたね」 京太郎「俺、今日焼きとりばっかだったんですけど……」 咲「あれ、染谷先輩の姿が見当たらないよ。どこにいったんだろう……」 久「ああ、まこなら仮眠室で一日中寝てたわよ」 咲「え?」 久「どうやらメイド雀荘でお疲れみたい」 まこ「ぐごおおおおおおおおおおおお……ふんがああああああああああ」 優希(ひどいいびきだじぇ……) 久「まこー、起きなさい。今日の部活は終了よー」 まこ「んん……わしはまだまだ寝足りんのじゃ……んごごごご」zzz 久「あらあら」 和「……起きませんね」 久「んー、仕方ない。須賀君!」 京太郎「はい」 久「まこをおぶって家まで送ってもらえないかしら?」 京太郎「……はい?」 久「"はい"って言ったわね?じゃあ、お願いね!」 京太郎「ちょ、待って下さい!今のは違いますよ!」 久「あら、男に二言はないわよ!ほら、かついだかついだ!」 京太郎(とほほ……) (泣) 咲「頑張ってね、京ちゃん!」 和「まさかとは思いますが、女子高生をおんぶできることにうれし泣きしてるんじゃないですよね?」 京太郎「違う!!」 京太郎「ってか、俺染谷先輩の家知りませんよ?」 久「大丈夫、私が一緒についてあげるわ」 京太郎(あ、部長と一緒に帰れるしそれならしいいかも……)デローン 優希「むっ、貴様なに鼻の下を伸ばしてるんだじぇ!」 優希「まさか染谷先輩でいやらしいことを考えたな!?」 和「須賀君、最低ですね」 咲「見損なったよ、京ちゃん……」 京太郎「だああああああっ!違うわ!ほら、染谷先輩をおんぶするんで早く帰りましょう!!」 久「須賀君もこういってることだし、みんな部室から出た出た!」 優希「はーい」 久「じゃあ須賀君、まこをお願いね」 京太郎「あ、はい……よっこらしょ」 まこ「ん」 京太郎(うわっ、女の子ってこんなに軽いんだな) 京太郎(染谷先輩、いつも早弁したり、部活中ワカメラーメンとか食べてるからそれなりに重いと思ってたけど……意外だな) 久「どう?女の子をおんぶした感想は」 京太郎「いや、染谷先輩もなんだかんだ女の子なんだなぁって」 久「それまこが聞いてたら殴られるわよ」 京太郎「え」 京太郎「じゃ、じゃあフローラルな香りがします……」 久「……ふーん」ニヤニヤ 優希「早く帰ろうじぇー!私はもうお腹ぺこぺこで待ちきれないのだ」 久「今行くわー!」 帰り道 久「私と須賀君はまこを送り届けるから3人とはここでお別れね」 和「そうですね」 優希「タッコス~♪タッコス~♪タッコスが私を呼んでいる~」 咲「お疲れさまでした。京ちゃん、また明日ね」 京太郎「おう!」 タコスダーッシュダジェ! ユーキ、ソンナニイソグトコロビマスヨ! ギャアアアアアアア! ホラ、イワンコッチャナイ…… アハハハハ…… 久「あの子たちは部活が終わっても元気ねぇ……それじゃ、私達も行きましょうか」 京太郎「了解でっす」 京太郎「……」 久「……」 京太郎「…………」 久「…………」 京太郎(うわっ、なんか急に咲達がいなくなったから気まずくなったぞ……!) まこ「すぅすぅ……」 京太郎(しかもこんな時だけ染谷先輩いびきかかねえし……) 久「……ねえ、須賀君」 京太郎「は、はい」 久「須賀君って中学時代に運動系の部活でもやってたの?」 京太郎「え?」 久「だって長時間女の子をおんぶするのって疲れない?私だったら5分でギブアップするわ」 京太郎「えっ、いや、別に大丈夫っすよ?染谷先輩すっげー軽いんで」 久「ふーん、そうなんだ……」 京太郎「まあ、男子高校生ならこれくらい余裕のよっちゃんですよ」 久「………………」 京太郎(やべっ、完全に滑った!めっちゃ恥ずかしい!!) 久「……えいっ」 京太郎「へ?」 久「へー、男の子の体ってやっぱりゴツゴツしてるのね」モミモミ 京太郎「ちょ、いきなりどこ触ってるんですか部長!」 久「あら、いいじゃないちょっとくらい。えいえいえいっ!」ツンツン 京太郎「それ以上腕を刺激すると染谷先輩落っこちちゃいますよ!」 久「んふふ、頑張りなさい。ほれほれほれ!」サワサワ 京太郎「んほっ……あっ///」 久「あ」 まこ「むにゃむにゃ……ん?」 ズッテンコロリンドンガラガッシャーン!! まこ「ぎゃーす!!」 京太郎「うわっ」 久「やば」 京太郎(染谷先輩、尻から落下していったぞ……!) 久(ちょ、ちょっと須賀君!男の子ならもうちょっと耐えなさいよ!)コソコソ 京太郎(部長に何度もやめてくださいって言ったでしょ!)ボソボソ まこ「いたたたた……おい!何してくれるんじゃ、アンタら!」ギロリッ 京太郎「す、すんません染谷先輩!」 久「逃げるわよ、須賀君!」 京太郎「えっ、えっ?」 久「ほら、急いで!」スタコラサッサ まこ「待たんかいお前らあああああああああああああああああああ!!」ドドド ―――――――― ―――― ―― 久「はぁはぁ……どうやら逃げ切れたみたいね」 京太郎「染谷先輩、鬼の形相でしたよ……明日雷くらいますよ、俺達」 久「ま、まあその時はその時よ。アハハハハ」 京太郎「この人はまったくもう……」 久「ねえ、須賀君」 京太郎「何ですか、もうこういうお役は御免ですよ」 久「私、疲れちゃった。おんぶしてよ」 京太郎「へ?」 久「ほら、男の子ならまだまだ体力持つでしょ?だからおんぶして!」 京太郎「いや、流石にさっき全速力で染谷先輩から逃げたからキツイっすよ」 久「大丈夫、大丈夫!それ、捕まえた!」ガシッ 京太郎「ちょ、捕まえたじゃないですよ!肩を?まえないでください」 久「だーめ。だって私もう歩けないもん。はやく私をおんぶしないと帰れないわよ~?」ニヤニヤ 京太郎「はぁ、ほんとにこの人は自由人なんだから……」ヨイショ 久「じゃあ私の家までお願いね、レッツゴー須賀君!」 京太郎「はいはい」 ――― ―― ― それから俺は無事部長を家まで送り届け帰宅した 部長の方が染谷先輩より軽かったから比較的楽に感じたのはいうまでもない まったく、この人にはかなわないぜ ……でも、たまにはおんぶってのも、いいもんだな 美穂子「こんなこと起きていいわけがない、こんなこと起きていいわけがない……!!」 池田「キャプテン、はやくベッドで眠りにつくし!!」 おわり ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| エイスリン「キバセン!」フンス つ【足軽】 京太郎「違いますって。ただのおんぶですから。それに絵も間違ってます」 エイスリン「ソナノ?」 京太郎「騎馬戦ってのはだいたい四人一組でやるもんですよ」 京太郎「やるなら小瀬川先輩は除外するとして、ウィッシュアート先輩、臼沢先輩、姉帯先輩、鹿倉先輩の四人でやらないと」 エイスリン「デモソレダト上ニナレナイヨ?」 京太郎「……鹿倉先輩が聞いたら怒るだろうなぁ」 エイスリン「折角ダカラ“ブショー”ニナリタイナ」 京太郎「武将って、なんとまあ外国の人らしい呼び方を」 エイスリン「ポニーデ我慢スルカラコノママデモ良イ?」 京太郎「トホホ……俺ってポニー扱いなのか…」 エイスリン「ポニー可愛イヨ?キョウタロ嫌ダッタ?」 京太郎「俺だってこれでも男なんですから可愛い扱いはちょっと、ね」 エイスリン「ゴメンナサイ」シュン 京太郎「いや、あのですね。そりゃ姉帯先輩と比べたら小さいですよ?うん。そうだ俺ちっちぇっす!」 京太郎「そう考えたらポニーって呼ばれるのも当然ですよ。俺が間違ってましたごめんなさい」 エイスリン「ウウン。ワタシモゴメンナサイ」ペッコリン ムニュン 京太郎(いゃっふぅ~いっ!!頭を下げた拍子に形を変えるおもち頂きましたぁ!おっし頂きました!) エイスリン「ドシタノ?」キョトン 京太郎「………」 エイスリン「What s happened??」 京太郎「汚れた心で……ごめんなさい……」ゴフッ カンッ! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 良子「~♫」フフーン 京太郎(すげぇ・・・体温高くて、柔らかくて、えろい)ゴクリ 咏「」ウギギ はやり「」ゴゴゴ 健夜「」オロオロ 理沙「」プン・・・プン・・・ 京太郎「・・・」 京太郎「あ、あのー、次はカラオケ・・・でいいんですよね?」 良子「えぇ、いぐざくとりー、ですよ。京太郎」ムギュ 京太郎(柔けぇぇぇ!!!) 咏「・・・!!」ピコーン はやり「・・・」 咏「それよりさー京太郎」 京太郎「はい?」 咏「流石にこの時間連れ回すのも気が引けるしそろそろ帰っt」 はやり「そうだねー☆ どうせだし今夜はオールナイトでフィーバーしちゃおっか☆」ガシッ 咏「!?」モゴモゴ はやり「迂闊だよ、咏ちゃんっ。」ヒソ 咏「・・・どういうことっすか」ヒソ はやり「今帰らせようとなんてしたら、良子ちゃんも帰るとか言い出しちゃうに決まってるんだよ☆」ヒソ 咏「まじっすか」ヒソ はやり「それで人のいい京太郎くんは良子ちゃんを送って言って・・・」ヒソソ 咏「・・・」ゴクリ はやり「なんやかんやで○○になって△△しちゃってから□□でゴールインしちゃうんだから☆」ヒソッ 咏「ゴールイン(結婚)!?」ヒソォ はやて「そうだよ★」ギリッ 健夜「・・・」チラ 理沙「・・・」チラプン 良子「京太郎京太郎」 京太郎「・・・何ですか?」 良子「当ててるんですよ」ムニニ 京太郎「ちょ、止め、ぐぉぉ・・・」 良子「これでもスタイルはいい方だと思うのですが?」フゥ 京太郎(あ、やべ)ムクムク 良子「ねぇ、京太郎・・・?」ギュッ すこはやりさうた「・・・」ゴゴゴゴゴッ 京太郎(oh・・・これは死んだわ) ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 玄「ふんふーん♪」 京太郎「ずいぶんご機嫌ですね」 玄「おや、京太郎君。私の下でなにをしているですか?」 京太郎「なにしてんでしょーね」 京太郎「はしゃいでずっこけるって、アホですかあなたは」 玄「えへへ」ギュゥ 京太郎「あの、当たってますよ」 玄「当ててるんですのだ!」 京太郎「ちょ、なにやってんすか!」 玄「京太郎君は志を同じくする者だけど……」 玄「あんまり他の娘のおもちに見とれてちゃイヤだよ」ボソッ 京太郎「っ…………!///」 京太郎「とっくに」 玄「ん?」 京太郎「とっくに玄さんのことしか見えてませんよ」 玄「ほうほう、ほほう~」ニマニマ 京太郎「なんですかその顔は、鬱陶しい」 玄「いやいや。そんなことないですよ」 京太郎「じゃあ松実先輩は元気そうなのでここらへんで降りてもらって……」 玄「あれ~なんだか親愛度レベル2くらい下がってない?」 玄「あ、京太郎君あっち! あっちから帰ろう!」 京太郎「ええ、そっち遠回り……まぁ良いか」 玄「えへへ、もうちょっとだけこのままでも良いよね」ギュウ 京太郎「はいはい、お任せあれ」 玄「もーそれ私のセリフーっ!」 カン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「ん? 別におもくねーよ」 京太郎「もうちょっとでつくから、それまで俺の背中で我慢してな」 京太郎「ついた。よし、おろすぞ」 京太郎「それより、あいつら本当に乱暴だよな! お前が足挫くぐらいバンバンやりやがって……」 京太郎「別にいいって、いいわけないだろ! お前は、その、あの……」 京太郎「あ、先生呼んで来なくちゃな! じ、じゃあちょっと行ってくるわ!」 京太郎「おとなしくしてろよ」 雀卓「……」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 宥「穏乃ちゃんや憧ちゃん、それに菫ちゃんのお話もあって、オムニバス形式ってとってもあったか~い」 宥「そろそろ、私も京太郎くんや菫ちゃんにおんぶしてもらえるあったか~いSSが投下されてる頃だよね」 宥「わあ、玄ちゃんのもきてる。じゃあいよいよ私のも///」 宥「……」ドキドキ 宥「えっ?」 宥「あったかくない……。」 玄「おねーちゃんが寒がってるのです! 行くのですボクたち!」 京太郎「合点承知! 行こうぜ俺達!」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 史織「須賀君…重ぉい…」ブルブル 花子「だははは、生まれたての小鹿みたいになってるぞー」 玉子「乗り心地はどうなのだ」 京太郎「めっちゃいい匂いします!」 史織「ちょっとぉ何嗅いでるのぉ…」ブルブル 花子「引くわードン引きだわー」 玉子「京太郎!余が許すぞー!」 京太郎「あいさー!」モミモミ 史織「きゃっ…」グシャッ 花子「あーやっちまった」 京太郎「す、すまん」 史織「痛ぁい立てなぁい、部室までおぶってぇ」 京太郎「おう…悪いな、怪我ないか?」 史織「全身骨折よぉ、死ねばかぁ、ぼけぇ」ゲシゲシ 京太郎「痛い痛い」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| カピー「キュー」ネエネエ 京太郎「んっ?どうしたカピー?」 カピー「キュキュ?」コノマエオンナノコオンブシテタヨネ? 京太郎「あー、和のやつが転んで足くじいちゃったから仕方なく…」 カピー「キュー!キューキュキュ!」ズルイ!ボクモオンブシテホシイ! 京太郎「でもお前60kgくらいあるし重いんだよな…」 カピー「キュー!キュー!キュー!」オンブシテクレナイトコンヤモフモフサセテアゲナイ! 京太郎「なんだって!お前をもふもふしできなきゃ疲れも取れないし安眠できないんだぞ!」 カピー「キュ!キュー!」ナラチョットサービスシテヨゴシュジン! 京太郎「仕方ないな…ほらこいよ…」 カピー「キュー!キュ…」アリガトウ!ヨイショ… 京太郎「どんな感じだ?」 カピー「キュー…キュキュ…」オオ…タカイタカイ… 京太郎「気に入ったか?」 カピー「キュ!キューキュー!」モチロン!コノママオソトニイキタイ! 京太郎「仕方ないなぁ…じゃあ公園まで散歩するか」 カピー「キュー!」オウ! 京太郎「だけど帰りは歩いて帰るんだぞ…運動しないとな?」 カピー「キューッ…」エーッ… 京太郎「今日はちょっといいご飯だから運動しないと食べさせないぞ?」 カピー「キュ!キューキュー!」ホントニ!ゴシュジンダイスキ! カン ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 和「元々、おんぶという意味の言葉は『おぶう』という言葉がなまったものだと言われています」 京太郎「ほー」 和「そして『おぶう』という意味の言葉にはおんぶに近い意味はなかったという説もあります」 和「その場合、『おぶさる』という言葉と意味が混同されたと言われていますね」 京太郎「へー」 和「『背負う』の負うという字から派生して、『おぶう』『おぶさる』という能動と受動の言葉として確立された、とのことです」 京太郎「なるほど」 京太郎「それはともかくおぶさせてくれ和。もしくはおぶわれてくれ和」 和「そんな言葉はありません。おんぶの件は検討しておきますね」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 智葉「……すぅ」 ネリー「あー!サトハが寝てるよー!」 メガン「サトハは昨日深夜3時までワタシとラーメン談義をしていましたカラネ」 京太郎「談義じゃなくて一方的なスピーチじゃないっすか……やめてあげましょうよ」 慧宇「それで、どう部長を帰しましょうか?」 明華「起こすのは忍びないですよね……」ウーン ネリー「鼻をクワガタに噛ませて起こすっていうのはどうかな!」 メガン「斬られマスネ」 明華「血が出ますね」 慧宇「痛いですね」 京太郎「殺されるな」 ネリー「だよねー……」 京太郎「よいしょ、っと」 京太郎「どうしてこんなことになるんですか……」 智葉「すぅ……」 メガン「キョウタローは家が近いからネ」 明華「それに、重いものを持つのは得意そうですものね」 京太郎「部長に聞かれたら斬られますよ?」 慧宇「サラシが無いから男の子としても損は無いと思いますけど」 京太郎「そりゃあ確かにそうなんだが」 ネリー「私も乗る!」ピョン 京太郎「危ないから乗るなバカ!」ヒョイ ネリー「あべしっ」コケッ ネリー「うぅぅ……痛ぁーい!」 ネリー「痛いよー!これはおんぶをしてもらわないと治まらないタイプの痛みだよー!」 ネリー「誰か背が高い人におんぶしてもらわないと痛すぎて痛いよー!」 京太郎「うぜぇ……」 メガン「ジャアネリーは私の背中に乗ってクダサイ」 ネリー「やったー!」 京太郎「んじゃ、俺たちこっちの方なんで」 明華「お疲れ様でした」 慧宇「また明日、です」 ネリー「バイバーイ!」ブンブン メガン「あまり背中で暴れないでクダサイ」 京太郎「慧宇、後で宿題のこととか聞くからよろしくな」 慧宇「はい、待っていますね」 ネリー「ねー、ネリーは?」 京太郎「授業すら聞いてないやつに何を聞くというんだ」 ネリー「寝てるんじゃないよ、マンガ読んでるんだよ!」 京太郎「それも悪いわ!」 ネリー「じゃあ明日からは寝る!」 京太郎「だからダメだ!」 智葉(…………) 京太郎(また部長の家に行くのか……親戚のおじさん?とかたくさんいて恐いんだよな、ドスも置いてあるし) 京太郎(ひょっとして俺が部長を連れて行ったらボコボコにされるんじゃないか……)タラー 京太郎(やべーよこえーよどうしよう) 京太郎(……まあ、こうやって部長の胸を堪能できるんだから役得だな)プイッ 智葉「……」 京太郎(やっぱり綺麗だなぁ……) 智葉(はぁ……) 智葉(つくづく自分が嫌になるな) 智葉(こんな演技でもしなければ甘えられない、なんて) 智葉(なんだかんだで私が男の背中に乗るのは初めて、か) 智葉(案外に心地がいいものなんだな……)ギュッ 京太郎「?」 京太郎(なんか力がかかった気がする?) 京太郎「んしょ、っと」トンッ 京太郎「あとちょっとなんで我慢しててくださいねー」 京太郎「ま、聞こえてないだろうけど」 智葉「……聞こえてるよ」 京太郎「のわっ!?」ビクッ 智葉「すまないな、わざわざこんなことをさせてしまって」 京太郎「いいっすよ、むしろこんな帰り道もアリかなって思ってました」 智葉「うむ……そうか」 京太郎「あっ!あそこの駄菓子屋でアイス買っていきましょうか!」 智葉「いや、私はいいよ」 智葉(待てよ、確かあそこは……) 京太郎「俺が奢りますよ!ハーゲンダッツでもなんでも!」 京太郎「すっみませーん!」タッタッ 京太郎「アイスくっださーい!」ガララ 京太郎「……あ」 顔に傷のついた人「あ゙あ゙ん?」ゴゴゴゴ 小指が無い人「……テメエ、お嬢に何してやがる」ズゥゥン 髪が無い人「覚悟はできてんだろうなぁ?」ボキコキ 京太郎「えっ、あ、あー……」 智葉「はぁ……」 京太郎「に、逃げろー!」 「「「待てゴラァー!!!」」」 ―――翌日 ネリー「キョウタロー、大丈夫?」 京太郎「ああ、大丈夫だよ……ははっ」ボロボロ 慧宇「どうしてもそうは思えないんだけど……」 カン! ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「麻雀強くなりてぇ、どうすりゃいいんだ……」 優希「私にいい考えがあるじぇ!」 京太郎「知っているのか優希!」 咲「私も居るよ」 京太郎「咲!」 和「コーホー」 京太郎「和まで……!」 まこ「こ、これが友情パワーか」 京太郎「俺が優希、咲、和の中から相手に合わせて相性のいい奴をチョイスしておんぶ!」 京太郎「背後からそいつの指示を受けつつの闘牌!」 京太郎「おんぶドッキングで魔物並みの闘牌が可能!」 「「「「ゆゆうじょうぱぱわー!」」」」 久「何? おでん食べるギャグでもやるつもりなの貴方達?」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「地震警報で飛び出して怪我するってどんだけポンコツなんですか姉さんは」 健夜「ごめんね、不甲斐ないお姉ちゃんで」 京太郎「これからは気をつけてくださいね」 健夜「京太郎君に甘えられるならずっとこのままでもいっか」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 美幸「自分で歩けるってもー!」 京太郎「思いっきりくじいてましたから」トコトコ 美幸「行けるって…重くない?」 京太郎「めっちゃ軽いッス、麻雀牌ぐらい軽いっス」 美幸「ふざけないでよもー」 アハハハ モー モー 友香「…」 梢「…」 友梢「ドナドナドーナードーナー」♪ 美幸「牛じゃないわよもー!」プンプン 京太郎「うわっこれは暴れ牛だ!」 美幸「ちょっと!」 京太郎「はいはい暴れない暴れない、怪我が悪化しますよ」 美幸「…もー」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 照「京ちゃん迷惑かけてごめんね」 京太郎「困ったときはお互い様ですよ、照さん」 照(京ちゃん昔からかわらないなぁ)ギュッ 和(京太郎様は私よりあのチャンピオンの方がいいんでしょうか?) 和「どうしてあんなに鼻の下を伸ばしてたんですか?」 京太郎「別に鼻の下を伸ばしてはなかっただろう?」 和「どうなんでしょうね」 和(寂しくなる気持ちも察してほしいです…) 京太郎「俺にはお前しかしないんだからさ」ギュッ 和「あ…」 京太郎「俺ならこうしておんぶしてやれるからさ、いつでも頼ってくれ」 和「あ、ありがとうございます」 京太郎「少なくとも俺がこうしてる間は寂しくないだろう?」 和「はい///」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 宥「あったかくない…くすん」タンコブ 京太郎「なんで地震速報があったのに温室から出ようとしないんですかあなたは…」 京太郎「植木鉢が倒れてきてからじゃ遅いんですから。ホントに…それくらいの怪我で済んで良かったですね」 宥「……温室の植物が気になっちゃって」 京太郎「温室なら学校が修復しますってば」 宥「それもそうだよね。あはは」 京太郎「そうです。―んしょっと」グッ 宥「わわっ?!」 京太郎「あ、すいません。驚かせちゃいましたか」 宥「う、うん。ちょっとだけ…」アッタカクナーイ 京太郎「しっかし先輩。ホースに足とられ転けーの、転けた拍子に頭打ちーの、マフラー濡れーので散々な一日でしたね」 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 京太郎「照さんって年々高見沢に似てきてますよね」 照「って、言われたのでギター買ってきた」 照「音楽界でも頂点を目指す」 京太郎「俺はベース」 深堀「私がド(ラ)ム」 咲「けい おんぶっ!?」
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1 名前: ◆5mnfjK5ySU[sage saga] 投稿日:2014/01/05(日) 22 58 05.95 ID ibH80Pgx0 [1/11] 京太郎SSです。苦手な方はブラウザバック推奨。 元々は2chの京太郎スレで書いていましたが長く書けそうだったので、こちらでスレ立てしました。 なので少し2chで書いたものと同じ内容のものがありますのでご了承ください。 色々とおかしな部分は気にしないで下さい。 安価も程々にあります。できる限りは安価通りにしますが無理なものは再安価になります。 エロネタは程々に。
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夜 京太郎「メールもし終わったし、暇だなー」 京太郎「…………」 京太郎「麻雀でもするか」 京太郎「ネトマでもするか、ちょっと長めに東南で」 京太郎「今日はどんな人と打てるかなー」 京:よろしくお願いしまーす とよねぇ:よろしくだよー player3108:……よろしく のどっち:よろしくお願いします 京太郎(お、姉帯さんと辻垣内さんがいるな、今日も面白そうだ) 東一局 同コンマのため、流局 とよねぇ:のどっちさんと一緒に打てるなんてちょーうれしいよー player3108:私もだ、よろしく のどっち:………… 京:うむむ、流れちゃったかー とよねぇ:次はもらうよー 【先負】発動! 東一局一本場 親 のどっち 26500 とよねぇ 23500 player3108 23500 京 26500 京太郎(先制テンパイ、倍満までいけるな) 京太郎(ここは……) 京:リーチ! とよねぇ:とおらばー とよねぇ:おっかけるけどー 京太郎(姉帯さんの追っかけリーチ!?) 京太郎(前に見た二回戦通りなら……) とよねぇ:ロン、12300 京太郎(……やばい) 豊音(それじゃあ次は……) 【友引】発動! 東二局 のどっち 26500 親 とよねぇ 36800 player3108 23500 京 13200 京太郎(来たっ倍満テンパイ!) 京太郎(今度こそ和了ってやる!) 京:リーチ とよねぇ:ポンだよー 京太郎(一発消しかな?……でも) 京太郎(ナイス小細工ポン) 京:ツモ、4000・8000 豊音(次は速攻でいくよー) 【先勝】発動! 東三局 のどっち 22500 とよねぇ 28800 親 player3108 19500 京 29200 京:ロン、12000 京:よっし、絶好調だぜ! とよねぇ:京くんやっぱり強いよー player3108:ん?二人は知り合いなのか? とよねぇ:うん、ちょっとねー とよねぇ:でも、ここからは私の番だよー 【仏滅】発動! 東四局 のどっち 22500 とよねぇ 28800 player3108 7500 親 京 41200 京太郎(うわっ、なんだこれ) 京太郎(配牌バラバラ、ツモも悪いし) 京太郎(さっきまでの調子はどこいったんだ?) のどっち:ツモ、2000・4000 京:うぐっ、親っ被り…… 豊音(うん、好調好調!次はーっと) 【友引】【赤口】発動! 南一局 親 のどっち 30500 とよねぇ 26800 player3108 5500 京 37200 とよねぇ:ポン 京太郎(これで四副露) 京太郎(対々タンヤオ白赤1) 京太郎(最後の一枚は、何だ?) とよねぇ:ぼっちじゃないよー とよねぇ:ツモ、2000・4000 豊音(あと400点だねー) 【大安】発動! 南二局 のどっち 26500 親 とよねぇ 34800 player3108 3500 京 35200 智葉(もうこれ以上失いたくはないな) 智葉(それがたとえ、遊びであろうとも!) 【抉る眼光】発動! とよねぇ:ツモ、2000オール 京:あちゃーまくられちゃいましたか player3108:ぐぬぬ とよねぇ:まだまだここからだよー 豊音(大安使っちゃったから当分は他の使えないんだよねー) 南二局一本場 のどっち 24500 親 とよねぇ 40800 player3108 1500 京 33200 京太郎(まくられても、取り返せばいい!) 京太郎(これで辻垣内さんを飛ばせば俺の勝ちだ!) 京:リーチ 智葉(調子が出ないな……はぁ) 智葉(……これでいいか?) 京:ロン、24300 智葉(はぁ……) 終局 のどっち 24500 とよねぇ 40800 player3108 -22800 京 57500 のどっち:おつかれさまでした 京:お疲れ様でした とよねぇ:おつかれーちょー楽しかったよー player3108:お疲れ、強いんだな君は 京:最後まであきらめなかったんで player3108:そうか、また今度打とう 京:はい とよねぇ:あ!私も私もー! 京:もちろんいいですよ とよねぇ:やったー! 京太郎「何か少しだけつかめた気がするな」 京太郎「そろそろ寝るか、おやすみー」 【9月第4週 休日】終了 【10月第1週 平日】開始 京太郎「二週間後には文化祭があるんだっけな」 京太郎「内容は確か学校で説明するとかなんとか」 キーンコーンカーンコーン 京太郎「今日は久しぶりのぼっち登校だった……」 ワイワイガヤガヤ 京太郎「ん?やたら教室が騒がしいな」 「転校生ウチのクラスに来るらしいで!」 「勉強もできて可愛いんやって!」 「それに巨乳やって聞いたで!」 ガララ 担任「えーほな転校生を紹介するで」 担任「今日からお前らと一緒の教室で勉強する原村和や」 担任「原村ー入ってきぃ」 ザワザワ 京太郎(原村!?) 咏「お、おい、原村って」ヒソヒソ ガララ 京太郎「おいおい、なんでここにいるんだよ」 咏「どういうことだよ」ヒソヒソ 和「原村和です、みなさんこれからよろしくお願いします」ペッコリン 担任「原村の席はー……須賀の隣や」 和「須賀?……」ハッ 和「まさか同じクラスとは……」←京太郎の左隣 咏「私もいるよーん」←京太郎の右隣 京太郎「なんで三箇牧に転校なんてしたんだ?」 和「親の仕事の都合で……」 咏「あ!麻雀部入る?みんな歓迎すると思うぜぃ」 和「…………」 和「麻雀、ですか……」 原村和が転校してきました 京太郎「久しぶりに食堂に来たぞ」 京太郎「やっぱり人が多いな……」ドン 霞「きゃっ」 京太郎「すみません、大丈夫ですか……って霞さんじゃないですか」 霞「あら、京太郎くん珍しいわね」 京太郎「基本気まぐれなんで」 霞「そう、じゃあ一緒に食べない?」 京太郎「はい、よろこんで!」 霞「そういえば京太郎くん、文化祭の話はもう聞いたかしら?」 京太郎「一応は、また千里山と合同なんですよね」 霞「そうそう、あと部活はもう一つ面白みがあってね」 霞「三箇牧と千里山の部活同士で戦うのよ、どれだけお客さんを満足させられたかって」 京太郎「満足度対決?部活同士ってことは泉たちと戦うってことですか?」 霞「そういうこと、勝った方は相手の部活に一つ要望を聞かせることができるのよ」 京太郎「なんですかその郁乃さんルール……」 霞「それで、私たちは何をしようかな、って考えてるんだけど、京太郎くんは何かいい案あるかしら?」 京太郎「案、ですか」 京太郎(メイド喫茶とかもありなんだろうか……でも霞さんが認めてくれるとは……) 京太郎(いや、郁乃さんなら賛成してくれるはずだな) 京太郎(何と答えるべきかな……) 京太郎「コスプレ喫茶とか……あ、麻雀部だからコスプレ雀荘とかもいいかな?」 霞「きょ・う・た・ろ・うくん?」ゴゴゴゴ 京太郎「いいじゃないですか!俺だって男だもの!」 霞「まあいいけど、他には?」 京太郎「そうですねー……エチュードとかでしょうかね」 霞「エチュードっていわゆる即興劇よね」 京太郎「みんな個性豊かだから案外うまくいくんじゃないんですかね、あとは写真館とか?」 霞「写真館、そうね部の思い出を飾ったりするのは楽しいかも」 京太郎(みんなの水着写真飾ったりしたいな……ぐふふ) 京太郎「まあこのくらいですかね」 霞「うん、参考になったわ。ありがと」 京太郎「どういたしまして、あっ」スッ 霞「えっ?」 京太郎「ご飯粒、ついてましたよ」パクッ 京太郎「霞さんってときどきかわいらしいですよね」ニコッ 霞「う、うん、そうね……」カァァ 京太郎「今日も国麻の練習があるんだよな、確かここで」 京太郎「みんなを集めて文化祭の準備もやっておきたいし……」 放課後 洋榎「お、今日も京太郎おるんか?」 京太郎「はい、打ちたければ打ちますよ?」 洋榎「大きい口たたくようになったやん京太郎のくせにー!」ウリウリ 京太郎「痛い、痛いですよ!」 京太郎(なんか背中に当たってるような……小っちゃいからわかんねえな) 良子「やあ、調子はどう?」 京太郎「好調ですよ、昨日もネトマで飛ばしましたし」 良子「ん、そうか」 良子「そうだ、実は選抜メンバーでのキャンプを企画してるんだけど、京太郎も来る?」 良子「ここにいる全員も参加して、再来週の休日を使って2泊3日なんだけど」 京太郎「合宿ですか……」 良子「今回はここまで、だね」 京太郎「ありがとうございました」 良子「それで決めた?」 京太郎「はい、俺も参加します」 良子「よし、なら部屋も頼まなければね、せっかくだしパジャマパーティーでもしない?」 京太郎「俺と良子さんとでですか?」 良子「友だち同士ならする、と聞いたけど?」キョトン 京太郎「え、えーっと、それは流石に……」 良子「そうか、そうだよな、やっぱり私なんて……」 京太郎(良子さんとお泊りなんて絶対無理だろ!) 京太郎(……もったいないけど) 京太郎「文化祭のことを話しておくか」 【別室】 京太郎「それで、今年の出し物はどうするんですか?」 霞「京太郎くんの考えた4つから考えなきゃね」 郁乃「私はコスプレ喫茶やりたいな~」 憩「…………」 エイスリン「シャシンカン!」 咏「私はなんでもいいよ~」 京太郎「じゃあ多数決で決めましょうか」 京太郎「じゃあエチュード屋さんがいい人ー」 霞「はい」スッ 京太郎「コスプレ喫茶の人ー」 郁乃「は~い」スッ 京太郎「写真館がいい人ー」 エイスリン「ハイ!」ブンブン 京太郎「じゃあコスプレ雀荘がいい人ー」 咏「はーい」スッ 憩「…………」 京太郎「憩さんはどれがいいんですか?」 憩「……」 京太郎「憩さん、憩さーん」 憩「あっ、ごめんごめんちょっとぼーっとしとったわ」 憩「せやな、ウチはコスプレ雀荘がええなー」 京太郎「了解です」 霞「コスプレ雀荘に決定ね」 京太郎「ルールはもちろんノーレートとして、景品とかどうします?」 郁乃「1位の人が4位の人に何か命令するとかでええんちゃう?」 京太郎「んーどうしましょうか」 京太郎「コスプレの衣装は郁乃さんが持ってくるらしい」 京太郎「……大丈夫だよな?」 霞「京太郎くん、今暇かしら?」 京太郎「あまりすることもありませんしね」 霞「そう、なら久しぶりに私と二人で打たない?」 京太郎「いいですね、やりましょうか」 京太郎「そういえば霞さんって絶一門ができるんですよね?」 霞「あんまりやりたくはないんだけどね」 京太郎「じゃあそれを三麻でやったらどうなるんですか?」 霞「やったことはないけど、他二人の方が和了りやすいようになるんじゃないのかしら?」 京太郎「あんまり便利ではないんですね」 霞「時と場合によるわね」 霞「そうだ、文化祭の話」 霞「いつ切り出そうか迷ってて結局任せちゃって、ごめんね」 京太郎「そんなこと気にしなくっていいっすよ」 霞「そう?でも……」 京太郎「それにそういうときはごめん、じゃなくてありがとう、の方が嬉しいです」 霞「ふふっ、いつも通りね」 霞「それじゃ、ありがとね、京太郎くん」ニコッ 京太郎「どういたしまして」 京太郎「さーてと、練習も終わったしどっか行こっかなー」 夕 京太郎「疲れたなー」 京太郎「公園で休むか、っと、ん?」 京太郎「あれは……」 京太郎「あれは……」 「いつもより多く回しておりまーす」 京太郎「大道芸人か、珍しいな」 「お次はこの猿ちゃん犬ちゃん雉ちゃんによる桃太郎劇場でーす」 ワーワー! キャーキャー 京太郎「犬はわかるけど猿と雉はどっから連れてきたんだよ……」 「結局鬼の娘ちゃんは身投げをしてしまいましたとさ」 ワーワー オモシロカッタデー 京太郎「だんだん鬼の娘と桃太郎のラブストーリーになってた気がする……」 京太郎「ま、面白かったからいっか帰ろーっと」 京太郎「今日も疲れたぁー」 京太郎「寝る前にメールでもするか」 京太郎「照に送ってみるか」 京太郎「咲も照もモモも選抜には選ばれるんだろうな、そこんとこも訊いてみるか」 京太郎『調子はどうだ?』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『今日は一通だけじゃないんだね』 照『調子はいいよ、今なら三人にも勝てると思う』 京太郎『ふっふっふ、この男子チャンピオンをなめるなよー』 京太郎『国麻といえば、照は関東選抜に選ばれそうなのか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『小鍛治監督からはかなり睨まれてる』 照『淡とかを見る目が怖い』 京太郎「関東は小鍛治プロが監督なのか」 京太郎「あの人何歳だっけ?結構歳いってたよな?」 京太郎『そっか、頑張ってんだな』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『出られる大会ももうあまり無いから』 照『そろそろ寝るね、おやすみ』 京太郎『おやすみ』ピッ 京太郎「そんじゃあ俺も寝るかなー」 TV『本日は永世七冠、国内無敗の小鍛治プロにお越しいただきましたー』 TV『小鍛治プロはこの37年間で最も嬉しかったこととはなんですか?』 健夜『え、えーっと、近所のちっちゃな子どもたちにバレンタインチョコをもらったとき、ですかね?』 健夜『って!私はまだアラサーですよぉっ!』 京太郎「あっ、照たちを見る目が厳しいのってそういうこと……」 【10月第1週 平日】終 【10月第1週 休日】開始 京太郎「一週間後には文化祭、二週間後には合宿、三週間後には国麻の団体か」 京太郎「楽しんでいこう!」 京太郎「照も咲も頑張ってるっていうし俺も頑張んないとな」 京太郎「今日はどんな感じでやろっかなー」 京太郎「お邪魔しまーす」 霞「邪魔するなら帰ってくれるかしら?」ニッコリ 京太郎「それネタですよね!?恐いですよ!」 霞「冗談よ、冗談」 霞「そういえば憩ちゃん知らない?」 京太郎「来てないんですか?」 霞「どうも昨日から帰ってきてないらしくてね、そう知らないの」 霞「彼氏の家に泊まったりしてるのかしらね」 京太郎「えっ、憩さん彼氏がいるんですか!?」 霞「さあね、今三人揃ってるんだけど打たない?」 京太郎「今日も勝ちますよ!」 咏「お、やっと来たねぃ~」 エイスリン「ハヤク!」 華菜「速く卓につくんだし!」 京太郎「あれ、どうして小池さんがここに?」 華菜「小池じゃないし!池田だし!それに華菜って呼べって言ったろ!」 咏「一応ここの住人だからじゃねえの?知らんけど」 華菜「一応って何だよ一応って!カナちゃんこれでも先輩なんだぞ!」 エイスリン「シャラップ!」 華菜「はい……」 華菜「先制リーチだしっ!」 エイスリン「ロン!8000!」 華菜「なっ!」 京太郎「リーチ!」 華菜「追っかけてやるよ!リーチ!」 京太郎「ロン、12000です」 華菜「はへっ?」 咏「んじゃ、リーチ」 華菜「まだまだあきらめないし!リーチ!」 咏「んーあーそれロン、24000な」 /ノ i!リ ,ヘ ゞ、、 /ノツハメハ } リ ヾ.、 / " /ノ }ノ′ ヘゝ / }、 ,`´〃 lヽヽ、 >/ /\ j `V/ / ゙ゝ.,,_ ,, V/ // /  ̄ ,' 〃 / ,z〟==テ゛゙ゞ,ヽ , " { /. ,、 i ` {. i }. ' ',ヘ { j { ヾ\,, " ' \ / i _,. _,. ' ´ー´´、 _,. '"/゙''ー .,, _,,/ 咏「ふぇ~勝った勝った~」 エイスリン「ニイ!」 華菜「」 京太郎「華菜さん上手いじゃないですか!」 霞「華菜ちゃん中学時代は麻雀やってたのよ」 京太郎「へぇー通りで」 華菜「うるさいし……」グスッ 昼 京太郎「憩さんがいないのは心配だな……」 霞「京太郎くん、今日は練習に来ないの?」 京太郎「……憩さんを捜しに行ってこようと思います」 霞「そう……」 prrrr prrrr 霞「はい、もしもし」 霞「……はい、そうですか、私たちも今から行こうかと、はい、ありがとうございます」ガチャ 霞「憩ちゃん、練習に来てるって」 京太郎「えっ」 霞「んーと、それで京太郎くんはどうするの?」 京太郎「練習に行きます、会場は?」 霞「確か姫松だったかしら、みんなで行きましょう」 バラバラ トン トン パラッ 京太郎「みんな静かだなー」 洋榎「出鼻くじきリーチ!」 京太郎「洋榎さんはうるさいけど」 憩「おつかれさまでしたー」 憩「あ、京太郎くんや」 京太郎「今終わったんですか?」 憩「負けてもうたけどね、あはは」 京太郎「そうですか……紅茶でも飲みます?」 憩「うん、よろしく頼むわ」 京太郎「じゃああっちの机で待っててください」 京太郎「はい、どうぞ」 憩「ん……あったかいわぁ」コクッ 京太郎「そういえば」 憩「うん?」 京太郎「最近、憩さんの部屋から変な声が聞こえ「ブフォッ」るんですけど、って大丈夫ですか!?」 憩「けほっ、こほっ、ご、ごめんなっ、けほっ」 京太郎「口拭きますよ」フキフキ 憩「んっ……」 京太郎「それで、何をしてるんですか?」 憩「えっ、えーっとなー……そのー」 京太郎「あっ、ひょっとしてアニメとかですか?叫ぶような声でしたけど」 憩「せっせや、アニメやアニメ!最近はまってなーいやーこれがおもろいんやー」 京太郎「へぇーじゃあ今度俺にも見せてくださいよ」 憩「そ、それはちょっと無理やなー……」メソラシ 憩「……その声も今日からは聞こえなくなると思うで」 京太郎「もう見終わったんですか?」 憩「…………せやで」 憩「せやから、もう気にせんでええで」 憩「ほな、また」 京太郎「頑張ってくださいね!」 良子「やっ、また来てるんだね」 京太郎「そういう良子さんこそ」 良子「私はコーチだからね、熱心な子は好きだよ」ニコッ 京太郎「!」ドキッ 良子「ん?どうかしたかい?」 京太郎「い、いえ、なんでもないです!」 京太郎(綺麗すぎるだろ、これで何回目だよ、おい!) 良子「そうだ今日もプラクティスをしないか?」 京太郎「はい、よろこんでえっ?」 良子「なんで疑問形なんだ?」 良子「あ、そういえば」トン 京太郎「なんですか?」トン 良子「京太郎と私は同室になったぞ」トン 京太郎「へーそうなんですかー」トン 良子「リーチ」トン 京太郎「ってえええ!?」 京太郎「なんでですか!なんでそんなことになってるんですか!?」トン 良子「ロン、冗談だよ」 京太郎「な、なんだぁ~……」ヘナヘナ 良子「まだ部屋割りは決まってないんだけど」ジャラジャラ 京太郎「もうびっくりさせないでくださいよ!」ジャラジャラ 良子「ごめんごめん」トントン 京太郎「はぁ……」トントン 良子「それで、誰がいいんだ?」トン 京太郎「はい?」トン 良子「この中で同室になるとしたら」トン 京太郎「……なんでそんなことを聞くんすか?」トン 良子「なんとなく、それで誰?」トン 京太郎「……いませんよ」トン 京太郎(風呂上りの絹恵さんとか霞さんとか) 京太郎「良子さんは見てみたいけど、言えない言えない」 良子「……っ!」カァァ 京太郎「良子さん?顔赤いですよ?」 良子「なっ、なんでもない!ばかっ!」カァァ 京太郎「??」 夕 京太郎「まだ練習も続いてるみたいだし、残るか」 泉「京太郎くんは熱心ですね」 京太郎「そうか?みんな頑張ってるんだし当然だろ」 泉「せやろか?」 京太郎「せやせや」 良子「京太郎はいつも暇なのか?」 京太郎「良子さんこそいつも暇そうに見えますけど」 良子「私はこうしてみんなのデータを取っているんだけど……そうだよね」 良子「どうせ私なんて休日に出かける用事もなくて誰かいるといいなーとか考えて近くのスーパーに行ってみるけど誰にも会えなくてさびしい女に見えるんだよね、そうだよね、どうせ私なんて……」ブツブツ 京太郎(どうしてこんなスイッチ入ったんだよ!) 良子「はぁ……ロン」 京太郎「ため息つきながらロンするのやめてくれますか?」 良子「じゃあ、京太郎は私のことをどう思う?」 京太郎「どうしてそんな話に!?」 良子「いや……だって……」モジモジ 京太郎「良子さんは仕事のできるいい人って感じですよ」 良子「そ、そう見えるか?」カミクルクルー 京太郎「良子さんに嘘は吐きませんよ」 京太郎「良子さんは素敵な人ですから」ニコッ 良子「素敵……素敵か、いい響きだな」 京太郎「素敵というより綺麗ですね、可愛いです」 良子「綺麗……可愛い……」カァァ 京太郎「ところで、速くツモってくださいよそれ」 良子「う、うん」 良子(綺麗で可愛い……)プシュー 良子(でも、それはあくまでお世辞とかそういう意味なんじゃ……)ズーン 良子(いや、京太郎はホーネストだ、だって現に―――) 京太郎(ああ、良子さん綺麗だなあ、結婚したいなぁ) 良子(とか考えてそうな顔をしてる、はず)カァァ 京太郎(速くツモってくれねえかなー) 京太郎「憩さん、休憩中ですか?」 憩「あはは、憩と休憩をかけたん?」 京太郎「そういうつもりはなかったんですけどね」 京太郎「休憩がてら何か話しましょうか?」 憩「うん、ええで」 京太郎「それじゃあ……」 京太郎「調子はどうですか?」 憩「絶好調やで!さっきも洋榎ちゃんとばして来たし」 京太郎「えっ」 洋榎「」チーン 憩「それにセーラちゃんも」 セーラ「」チーン 京太郎「うわっ、凄いですね」 憩「せやからなでなでしてー」 京太郎「ええっ、なんでですか」 憩「ご褒美ってことで、どや?」 京太郎「じゃあ、失礼します」スッ 憩「んっ……」 京太郎「こんな感じですか?」ナデナデ 憩「うんうん、そんな感じー」 京太郎「元気でてます?」ナデナデ 憩「出てるで出てるで、おおきに」ニコッ 京太郎「いつまでこうします?」ナデナデ 憩「んー……ずっとー」 京太郎「はいはい」ナデナデ 憩「えへへー」 京太郎「今日の練習も疲れたなー」 京太郎「風呂も上がったし、何しよ」 夜 京太郎「特にすることもないし、勉強でもするか」 京太郎「明日の予習でもしておこう」 京太郎「ここは、こうで……」 京太郎「ここは……あれ?よくわかんなくなったぞ?」 京太郎「ここがこれだからあれがここで、だからここは……むむむ」 京太郎「わっかんねー、何もかんもわっかんねー」 京太郎「久しぶりにネットをしよう」 京太郎「何をしようかなー」 京太郎「某掲示板の京太郎応援スレでも見てみるか」 京太郎「照の応援スレもあるって聞いたから俺のもあると思うんだけどなー」 京太郎「おっ、これか」 京太郎「どんなことが書いてあるんだろうなー」ワクワク 『須賀京太郎とかいうパシリwwwwwwwwwwww』 『毎日咏ちゃんとか憩ちゃんとかをとっかえひっかえしてるんだってなー』 『絶対に許さない(迫真)』 『このスレは須賀京太郎こと出会い厨ヤンキーを応援するスレです』 『そこ替われよチャンピオン()』 『男子個人戦チャンピオン()』 京太郎「なんだよ、これ……」 京太郎「なんで、俺がこんな……」 『なんでそんなに須賀をバカにするんだよ!』 『お、京太郎ゥー!』 『京太郎を庇うエイスリンちゃんの可能性が微粒子レベルで存在する……?』 『いや……… エイスリンちゃんはカタカナやろ~………!』 『じゃあ咏ちゃんだな!こっちおいで、咏ちゃん』 『咏ちゃんprpr』 京太郎「嫌だ……気持ち悪い……早く寝よ」 【10月第1週 休日】終 【10月第2週 平日】 京太郎「昨日のあいつら、なんなんだよ一体」 京太郎「咏たちもあんな風に見られてるんだよな……俺が守らなきゃ、なのか」 少しだけ曇った空、いつかの空とは打って変わって暗かった 京太郎「はぁ……」 一緒に学校へ行く友だちもおらず、住人のみんなともタイミングがずれて、俺はいつも通りのぼっち登校だった 大きな校門、そこへ多くの学生が入っていく その前に一台の車が止まった、黒く長いいわゆるリムジンといううやつだろう静岡のとある小学校に止まってそうな感じの その中から出てきたのは―― 京太郎「……憩さん?」 ナース服に似た制服に身を包んだ憩さんだった 京太郎「一体どういうことなんだ?」 京太郎「リムジンから出てきた憩さん、なんでなんだ……」 京太郎「たまにはトイレで食べるのも乙だよなー」 和「あ、須賀君」 京太郎「原村さん、こんなところでどうした?」 京太郎(石戸さんほどではないにしろ、やはりこれはなかなかのなかなか……)ジーッ 和「須賀君?」ジトッ 京太郎「な、なんだい原村さん?」アセアセ 和「はぁ……もういいです、さようなら」 京太郎「あ、はい、あっ、あれ、あれ?」 京太郎「何だったんだ一体?」 何も起こりませんでした 京太郎「もう放課後かー」 和「ふんっ」プイッ 咏「なーなー、和に何したんだよー」 京太郎「うっ、それはだな……」チラッ 和「なんですか?」ツーン 京太郎「……はぁ」 京太郎「今日は千里山で練習だっけな」 咏「おっ、今日も行くん?」 京太郎「おう、もちろんだぜ!」 咏「じゃさー和もどう?練習来ね?」 和「いえ、私は遠慮しておきます」 咏「そっか、んじゃ行こうぜ京太郎」ダキッ 京太郎「ちょっ、抱き着くなって」 咏「いーいーだーろ」 京太郎「はーなーれーろ」 京太郎「暇そうな人はいないっかなーっと」 霞「あら、京太郎くん暇なの?」 京太郎「女子の練習ですから」 霞「それじゃあまた私と練習しましょうか」 京太郎「いいですね、やりましょうやりましょう!」 霞「私は後ろで見てるから、打ってみて」 京太郎「はい!見せてあげますよ、俺の力!」 京太郎「うむむ、ここは……」 霞「これね」ズイッ モニュッ 京太郎「!?」 霞「あら、どうかした?」モニュッ 京太郎「いえっ、なんでもございません!」 霞「そう……あ、ツモったわよ!」モニュッ 京太郎「おお……」 京太郎(集中できねえ……) 京太郎「霞さんといると身が持たない……」 良子「ふぅー」 京太郎「またコーヒー飲んでるんですか?」 良子「フェイバリットだからね、京太郎もいる?」 京太郎「そんな、良子さんが飲んだものなんて飲めませんよ!」 良子「そうか……」ズーン 京太郎「落ち込んだ!?」 良子「……はぁ」ズズッ 京太郎「良子さーん、すねてないで教えてくださいよー」 良子「……京太郎なんて……はぁ」ズズッ 京太郎「ああもう、飲めばいいんでしょう飲めば!」ヒョイ 良子「えっ……」 京太郎(口紅がついてないとこなら大丈夫だよな)ズズッ 良子「京太郎……」ウルウル 京太郎「おいしいですよ、飲んだんで教えてください」 良子「うんっ!何からレクチャーする?」 京太郎「じゃあまずは……」 京太郎「……」ズズッ コトッ 良子「……」ズズッ コトッ 京太郎(なんでコーヒーカップ共有してんの!?) 京太郎(まずいよ!絶対まずいよこんなの!)ブンブン 良子「?」 良子(京太郎、さっきから集中できてないみたいだけど、どうしたんだろ?) 良子(コーヒーの飲みすぎでおしっこに行きたいのかな……) 良子(そう考えたら私も行きたくなってきちゃった……)モゾモゾ 京太郎(ここで間接キスとか狙いに行ったら軽蔑されそうだし……) 良子(ここで私だけおしっこに行ったら変な目で見られそうだし……) 京良(*1) 京太郎「練習終わり!」 京太郎「あとは何しよっかなー」 京太郎「今日も公園で一休みするか」 京太郎「今日も誰もいないみたいだなー」 京太郎「はぁ……紅葉が綺麗だな」 秘書「あら、また会ったわね」 京太郎「秘書さんですか?」 秘書「何よその呼び名、まあいいけど」 京太郎「それで、何の用なんですか?」 秘書「用事なんて無いわ、ただ通りがかっただけ」 秘書「そういえば貴方お嬢様の彼氏なの?」 京太郎「彼氏?誰が?」 秘書「貴方とお嬢様」 京太郎「お嬢様ってのは憩さんのことでいいんですよね?」 秘書「そそっ、んでどうなの?」 京太郎「ただの先輩後輩ですよ」 秘書「なーんだ、つまんな」 秘書「そそのかそうと思ったんだけどなー」 京太郎「そそのかす?」 秘書「あー忘れて頂戴、そんじゃ」 京太郎「ちょっ、待ってくださいよ!」 京太郎「……もういねえ、なんだったんだ?」 京太郎「そそのかす、って何をだよ」 京太郎「それに今朝の憩さん……」 京太郎「連絡しろって言ってたから、やってみるか」 京太郎「憩さんのことを訊いてみるか、そうと決まれば挨拶からだな」 京太郎『こんばんは、須賀京太郎です』 京太郎「送信っと」ピッ ヴーッ ヴーッ 京太郎「返信速いな、って知らないアドレスだな」 京太郎「読んでみるか」 秘書『秘書よ、こっちがプライベート用のアドレス』 秘書『それで何の用かしら?』 秘書『あまり長くはしたくないから速くして頂戴』 京太郎「見た目によらずきついよな、あの人」 京太郎「憩さんのことといっても何を訊こうか……」 京太郎「…………」 京太郎『憩さんについて、何を知っているんですか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 秘書『随分と曖昧な質問ね』 秘書『私は彼女をよく知らない』 秘書『彼女は院長の娘』 秘書『一年半前に家から出て行った、私が知っているのはそれだけ』 秘書『私はまだここに就いて半年の新米秘書だからね』 秘書『他に訊きたいことはある?』 京太郎「家から出て行った、ってそんな言い方じゃ……」 京太郎「そのことはまだいい、次だ」 京太郎『今、憩さんはどこに行ってるのか知ってますか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 秘書『彼女なら家に帰って来たわ』 秘書『正しくは連れ戻された、だけど』 秘書『それじゃあもう寝るわね』 京太郎「連れ戻された……」 京太郎「でも、そういえば」 京太郎『そういえば憩さんはどうしてここに住んでるんですか?』 憩『ただ単純に親元を離れたかったから、かな』 憩『お父さんやお母さんはウチを医者にさせたいらしいんよ。だから勉強で忙しくなる前に、高校だけでも自由でいたいなー思うてね』 京太郎「どういうことなんだ……?」 憩が住人ではなくなりました 【10月第2週 平日】終 【10月第2週 休日】 【三箇牧・千里山合同文化祭】 【一日目】 京太郎「今日から文化祭だあっ!」 京太郎「いろんな人が来るんだろうな!おもちが大きい人とかおもちが大きい人とかおもちが大きい人とか!」 京太郎「張り切って行こう!」 ワイワイ ガヤガヤ 京太郎「一日目は千里山の人たちがこっちに来るんだよな」 京太郎「賑やかだ、実に賑やかだ」 「わぁーすごーい!」 「ええ景色やなー」 「あんたら千里山の人?せやったらワイと茶ぁしばきいかへん?」 「るっさいわドアホ!ブサイクはさがっとれ!」 「鳴け!喚け!この腐れ豚がァァァァァァアアアア!」 「ブヒィィィィイイイイ!」 「こっちにも尻を向けろクソ虫が!」 「ブヒィィィィイイイイ!」 京太郎「……寂し」 【部室】 京太郎「ちはーっす!」 郁乃「お、京太郎くん二番乗りやな~」 郁乃「見て見て~かっこええやろ~」フリフリ 京太郎「スーツですか……」 郁乃「せやで~」 京太郎(郁乃さんはなんか違うような気がするんだよな、それこそ猫のコスプレとかなら似合ってたかもしれないけど) 郁乃「どや?」 京太郎(なんか期待されてるし、何て言おう) 京太郎(やっぱり正直に言うべきだよな) 京太郎「似合ってません」キッパリ 郁乃「えっ、ええ~」ガビーン 京太郎「郁乃さんはもっと、こう可愛いのが似合うと思います」 京太郎「郁乃さんは、綺麗というよりも可愛い人ですから」ニカッ 郁乃「…………」カァァ 京太郎(黙っちゃった……嘘でも褒めておくべきだったのかな) 郁乃「……~~!」プシュー 郁乃(可愛え……かぁぁ~///)プシュー 京太郎(初っ端から調子悪いな……) 京太郎「俺のは……これですか」 郁乃「せやで……」プイッ 京太郎(女子の制服……でも郁乃さんが用意してくれたんだ、着ないとだめだよな) 京太郎(ウィッグとかは……あるのかよ) 京太郎(とりあえず着替えよ) 咏「うーっす、来たよーん」 京太郎「えっ」 咏「はあっ?」 京太郎「えっ」←スカートを穿こうとしている 咏「…………こんの……」 咏「変態がああああーっ!」カァァ 京太郎「着替えたは良いけど、部室から追い出された……」 京太郎「さっきから通りがかる人がめっちゃ見てくる」 咏「入っていいよ」 京太郎「おう、さっきはごめんな」 咏「いいよ、私が悪かったんだからさ」 京太郎「ところでその衣装って?」 咏「あーこれ?ミイラらしいよ、知らんけど」フリフリ 京太郎「ミイラってただ包帯巻いてるだけじゃねえか」 咏「ずり落ちそうになるのがちょっとねぃ~でもどう?可愛いっしょ?」フリフリ 京太郎(対木さんみたいだな、ところどころ肌が見えるのがなんか……そそる) 京太郎(さて、何て言おう) 京太郎(包帯の下……ごくり) 京太郎「その包帯取ったらどうなるんだ?」 咏「さあ、わっかんねー」 京太郎「やってみるぞ」ヒョイ 咏「は、はぁ?」 クルクルクルクルー 咏「ちょっ、待てよ!おい!」 京太郎「よし、巻き取り終わり……っと」マエヲミル 咏「み、見るな!」バッ ←全裸 京太郎「…………」 咏「見るなっつってんだ……へぇっくし!」←全裸 京太郎「ブフォッ」 咏「うぅ……京太郎のバカ……」ジトッ 京太郎「ごめん、出て行くわ」 咏「……うん」 バタム 京太郎(包帯の下には何もなかった) 京太郎(しょうがないよ、誰だってあれは取りたくなるもの)モゾモゾ 京太郎(ちょっとトイレ行ってこよ) 霞「あら、もう来てたの」 京太郎「霞さん!?」 霞「何よ、そんなにびっくりして先に入ってるわよ」 京太郎「はい、どうぞ……はぁ」 京太郎「はぁ……」 京太郎「なんか今日はみんなのこと怒らせてばっかりだな」 霞「京太郎くん、入っていいわよ」 京太郎「はーい……ってなんですかそれ」 霞「瑞原プロの衣装よ、牌のお姉さんモード」 京太郎「あっ、ああ……」 霞「牌のお姉さんかすみんですっ☆」キャルン 郁乃(キツい) 咏(キツい) 京太郎(キツい) 霞「三人ともあとで覚えておきなさいよ」 郁咏京(心を読まれた!?) 霞「それで、似合うかしら?」 霞「少しきついのよね……」 郁咏京(それはこっちの台詞……) 霞「肩も凝るし、着れる服もないし、困るのよね……はぁ」 京太郎(いやいや、似合うっていうか、それ以前にもうさぁ!) 京太郎(おもちが強調されすぎて……もう) 京太郎(刺激強すぎるんだよぉ!) 京太郎(落ち着け、とにかく落ち着くんだ俺!) 京太郎(ここはあくまで紳士的にいくんだ!) 京太郎「素敵だと思います」 霞「そう?よかったー」 郁乃「うんうん、十歳は若く見えるで~」 咏「それじゃあ霞は八歳じゃね?知らんけど」 郁乃「あ……」 霞「い・く・の・ちゃん?」ゴゴゴゴゴ 郁乃「いやああああ!」 京太郎「なんで俺を盾にするんですか!」 郁乃「可愛い女の子を守るのが、男の子やろ?」 京太郎「そうですね」キリッ 京太郎「って嫌ですよ!」 霞「はやく郁乃ちゃんを差し出しなさい」ゴゴゴゴ 京太郎(おお、俺の目の前に霞さんの縛りおもちが……)ブフォッ 郁乃「きょ、京太郎くん!?」 霞「年貢の納め時よ、郁乃ちゃん」ニッコリ 京太郎「なんとか部室の外まで逃げてきたぞ」 京太郎「あんなの目の前にして我慢しろって方が無理だっつうの……」 エイスリン「キョウタロー!」ブンブン 京太郎「こんにちは、よく俺だってわかりましたね」 エイスリン「キョウタローダカラ!」ニコッ 京太郎「そう言われると、なんだか嬉しいですね」 エイスリン「ナカ、イイ?」 京太郎「大丈夫ですよ、どうぞ」 京太郎(俺は一日持つのかな……) エイスリン「キョウタロー」ヒョコッ 京太郎「着替え終わったんですか?」 エイスリン「」コクッコクッ 京太郎「じゃあ入りますね」ヨッコイショ エイスリン「Angel!」 京太郎「天使ですか、ご丁寧に翼と輪っかまで」 郁乃「セットやったからね~」 京太郎「天使って言うかただの白のワンピースですよね、これ」 郁乃「あ、わかった~?」 京太郎「流石にわかりますよ」 京太郎(スーツ、ミイラときて郁乃さんのセンスを疑っていたが、これは凄い) 京太郎(だってエイスリンさんのイメージそのまんまだもの、まさに天使) エイスリン「エヘヘ」ニコッ 京太郎(可愛すぎるんですけど、これはどうすれば……) エイスリン「キョウタロー」クイクイ 京太郎「なんですか?」 エイスリン「カワイイ?」 京太郎(可愛いとしか言えないのですがそれは……) 京太郎「持ち帰っていいですかこれ」 エイスリン「?」キョトン 京太郎「ああ、持ち帰りっていうのは……Take outのことです」 エイスリン「Take out?」 京太郎「わかりにくいですかね?」 エイスリン「……umm……!」ピコーン 京太郎(わかったみたいだ) エイスリン「……」カァァ 京太郎(照れてる……可愛い) エイスリン「キョウタロー……」チラッ エイスリン「…………///」プシュー 京太郎(どんどん真っ赤になっていくな) 京太郎「あと来てないのは憩さんですか」 郁乃「せやね~」 京太郎「何を用意したんですか?」 郁乃「知りたい~?」 京太郎「すごく!」 郁乃「後でのお楽しみやで」 咏「お前はまた外で待ってるんだよ!」ゲシッ 京太郎「痛っ!」 京太郎「憩さん……か」 京太郎「訊きたいことは山ほどあるんだよな」 京太郎「でも今は普通に接しよう、今はそのときじゃない」 憩「あれ?京太郎くん?女装しとるん?」 京太郎「俺のコスプレです」 憩「うん、似合っとるで」ニコッ 京太郎「それは喜んでいいんでしょうかね?」 憩「中入ってええんやろ?」 京太郎「どうぞどうぞ」 憩「ほなお先ー」 バタム 憩「入ってええでー」 京太郎「ういーっす」 バタム 憩「えへへ」ヒョコン 京太郎(ネコ耳?) 憩「どや?」ヒョコン 京太郎(しっぽ?) 憩「にゃー!」 郁乃「憩ちゃんのコスプレはネコ娘ちゃんやで~」 憩「にゃ~」 京太郎「ネコ娘っていうか殆どネコじゃないですか」 憩「可愛いかにゃ?」ヒョコン? 京太郎(……可愛い) 憩「京太郎?京太郎?」スリスリ 京太郎「」 憩「にゃ~」 京太郎(ウチの麻雀部の破壊力すげー) 京太郎(やべっ、また鼻血出そう) 憩「似合うかにゃ?」ハテッ? 京太郎「誘ってるんですか?」ズイッ 憩「え?え?」 京太郎「そんなネコ耳なんかつけて、鳴き真似もして」 京太郎「俺に頬ずりしてくるって、誘ってるんですか?」 憩「はえぇ?」カァァ 京太郎「憩さんがそのつもりなら俺にだって考えがあるんですよ」←顔を近づける 憩「ま、待って!」ジワァ 京太郎「全部憩さんが悪いんですよ」←もっと近づける 京太郎(からかい終わり……っと) 憩「…………っ///」プシュー 京太郎(え、えーっと……) 咏「じー」ジーッ 郁乃「じ~」ジーッ 霞「……」ジトッ エイスリン「?」ニコッ 京太郎(この状況、どうすればいいんだ?)
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本編 鹿児島で巫女さん0 鹿児島で巫女さん1-1 鹿児島で巫女さん1-2 鹿児島で巫女さん2 鹿児島で巫女さん3-1 鹿児島で巫女さん3-2 鹿児島で巫女さん 断-1 鹿児島で巫女さん 断-2 鹿児島で巫女さん 断-3 鹿児島で巫女さん 断-4 鹿児島で巫女さん4-1 鹿児島で巫女さん4-2 鹿児島で巫女さん4-3 鹿児島で巫女さん4-4 鹿児島で巫女さん4-5 鹿児島で巫女さん4-6 鹿児島で巫女さん4-7 鹿児島で巫女さん4-8 鹿児島で巫女さん4-9 鹿児島で巫女さん4-10(終) 小ネタ 番外編 元スレ -京太郎「鹿児島で巫女さん!」 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1344258974/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 霞「2スレ目よ」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1344535913/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 初美「3スレ目なのですよー」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1344963455/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 春「4スレ目……」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345445210/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 巴「5スレ目だよっ」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345778890/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 小蒔「6スレ目ですっ」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346555777/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 衣「7スレ目だぞっ」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347290687/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 桃子「8スレ目らしいっすよ」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1348937126/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 小蒔「9スレ目です」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350574479/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 豊音「10スレ目だよー」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351619916/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 良子「11スレ目らしい」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352224856/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 咲「ふふっ……12スレ目だよっ」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353340397/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 初美「13スレ目、幸せでした……」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1355062957/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん!」 「14スレ」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356616177/ 【咲SS】 京太郎「鹿児島で巫女さん! 15スレ目!」【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364221970/ 名前 コメント
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364050545/ 京太郎「……あれ?」 京太郎「ない!ないない!アレがないぞ!」 京太郎「ちょっと待て!身長も低い気がする…、ってか胸」 ぷにょん 京太郎「……」モミモミ 京太郎「……俺、女の子の胸とか触った事ないけど多分これがおもちだ」モミモミ 京太郎「落ち着け落ち着け…。クールになれ須賀京太郎」 京太郎「昨日の夜までは…、普通だったよな?」 京太郎「確か…」 和『須賀君、クッキー作ってみたんですけど試食して貰えませんか?』 京太郎『和が俺に?何の冗談だ』 和『じっけ…いえ、たまたま作りまして。ほら、今日は咲さんがお休みじゃないですか』 京太郎『確かに咲は休みだが…。優希とか居るけど』 和『須賀君に食べて欲しいんです!ぜひ!ぜひぜひ!』 京太郎『い、頂くよ。和の手作りとか珍しいからな』カリッ 和(食べましたね!)ニヤリ 京太郎『結構美味しいぞ』ポリポリ 和(効果が出るのは12時間後。とある病院で開発された性別反転キノコを使ったクッキーです) 和(もし…、これが成功すれば咲さんから咲君になって、咲君は私の体の虜になるはずです) 和(男の子は大きいおもちが大好きですからね。須賀君の視線もいつもおもちばっかりですし) 和『えーコホン。明日は必ず部活に来て下さいね』 京太郎『風邪でも引かない限り行くつもりだが?』 和『風邪引いても来て下さい!お願いしますね!』ギロッ 京太郎『お、おぅ…。今日はいつになく優しいな』 和『須賀君は清澄麻雀部に欠かせない存在ですからね』ポッ 京太郎(これは…、脈ありなのか…。優希すまん!お前に悲しい報告をする日が来るかもしれねぇ) 須賀家のトイレ 京太郎「やっぱりチ○コないわ」cv井上麻○奈 シャアアアアア、ブリュブリュュ 京太郎「オシッコしようと思ったらウ○コまで出たぞ!?女の体って不便だなぁ」 京太郎「……」フキフキ 京太郎「あんまりグロいから見たくないな。ちくしょう!モザイクの向こう側はこんな世界だったのかよ!」 京太郎「とりあえず部長に相談してみるか。学校行こう」 33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 02 17 18 ID 9roUFHEs0 部室 京太郎「ちわー」ガチャ 久「あら?見かけない顔ね」 まこ「もしかして入部希望者かの?」 京太郎「いや…、俺…」ゴニョゴニョ 久「一年生誰か!お茶と和菓子の用意を」 咲「は、はい。今すぐ用意して来ます」タッタッタ 咲「お茶もお菓子もどこに仕舞ってあるのかなぁ…。普段は京ちゃんが全部やってるからわかんないよー」ゴソゴソ まこ「困ったの。優希、買いに行ってくれるか?」 優希「ラジャー」 京太郎「あの…、お茶なら白糸台の渋谷さんが送ってくれた玉露がまだありますし」 咲「え?」 京太郎「そこの戸棚の左奥だよ」 咲「こんな所にあったんだ」ゴソゴソ 咲「ど、どうぞ粗茶ですが…」コトッ 京太郎「…どうも」 京太郎(やっぱり気がつかないのか) 久「それで貴方は何年生なのかしら?麻雀部は見学に?」 京太郎(いつもいいように使われてるし、たまには仕返ししてやるか…) 京太郎「い、一年生の山田花子と申します」ペコリ 京太郎「麻雀は点数計算とか出来ない素人で、初心者です」 久「うんうん、麻雀の点数計算は難しいものね。初心者とか全然気にして無いから」ニコッ まこ「そうじゃ、私らがいくらでも教えてやるわい」 京太郎「えー、お…私に出来るかなぁ~」 京太郎(女と男でなんでこんなにも態度が違うんだよ!) 京太郎、男の時 久「須賀君さー、まだ符計算覚えてないわけ?」 京太郎「はい。俺の練習相手ってネトマだから覚えなくても問題なくて」 久「そんなんで上手くなれるわけないでしょ!ほら、紙にでも書いてチャチャと覚える」 和「符計算くらい覚えて貰わないと清澄麻雀部の一員である資格なんてありませんよ」 京太郎「えぇ~」 京太郎「どうしようかな~」悩むふり 久「ね、ね、お願いよ。実は私が卒業して清澄麻雀部の部員が4人になるの」 咲(京ちゃん入れて5人ですが) 京太郎「そんな事言われても私には関係ないし~」 久「全国大会団体戦は5人居ないと出場出来ない。来年、新入部員が入って来る保証もない」ジリジリ 京太郎(女)との距離を詰める久 久「私で良かったら…、何でもするからさ…」サワッ 京太郎(なんか知らんが手を握られた) 京太郎「何でもですか?」 久「金銭的相談以外ならね」ウィンク まこ(あーあー、安請け合いしよってからに) 京太郎「コホン。じゃあ、おもちタッチいいですか?」 久「へ?」 京太郎「おもちタッチですよ。同性ですし、別にいいかなって」 久「うっ…、胸を触らせろって事ね///」 京太郎「はい、触らせて貰えたら入部を考えます」 久「胸かー。胸をねぇ…」ウーム まこ(一応、初対面なんじゃが…) 咲(でも全国大会にも居たなぁ…、そんな女の人) 玄『和ちゃん、お久しぶりですのだー』モミモミ 和『玄さん!?』 久『誰?和の知り合い?』 玄『清澄の部長さんですね?初めまして、和ちゃんの幼馴染の松実玄です』モミモミ 久『…触っていいって言ってないけど?』 玄『これは奈良式の挨拶でして』モミモミ 久『……ふーん』 玄『私のおもちも触りますか?』ズイ 久『結構です』 玄(Cカップですか…。清澄のおもち力は全国でも下から数える方が早いですね) 玄(後は…)チラッ 咲「それでね、そのドラマの女優さんが…」 優希「へぇー、ごり押しじゃないのか」 まこ「最近よくCMで見るのぉ」 玄(さて、次の学校に行きますか) 京太郎(女の人なら初対面でも胸を揉んでいいのか…。男なら即警察行きだからなぁ) 咲「そんな事があったな。後から聞いたら松実さんは大のおもちマニアだとか」 まこ「なーに一人でブツブツ言ってるんじゃ」 京太郎「で、どうしますか?俺、麻雀は初心者ですが料理、裁縫、日曜大工。雑用なら何でも器用にこなせますよ」 久「…うーん。欲しい」 久「ふ、服の上からよね?///」 京太郎「今日の所はそれでいいです」 久「減るもんじゃないし…、いいわよ///」コクン 京太郎「では、触ります」フニフニ 久「んっ…、んふっ…」 京太郎(うーむ、柔らかいけど大きさがなぁ…。俺の方が大きいかもしれん) 京太郎「……」モミモミ 久「あっ…、あん!た、タッチって言ったじゃない!?」 京太郎「失礼しました、つい考え事をして」ペコリ ガチャ 和「おはようございます」 久「で、これが入部届ね。約束は守って貰えるのよね?」 京太郎「はいはい、もちろ…」 和「須賀君ですか?」 京太郎「ぎくっ!?そそそそ、そんなわけあるか!俺は女だぞ」 京太郎「須賀君は男じゃないか!」 和「……」ジトーーー 久「入部届ありがとう。あら?山田花子さんじゃないの?」 咲「須賀京太郎って書いてますけど…」ジトー 優希「おい、山田。お前の持って来た鞄を見せるじょ」ヒョイ 勝手に京太郎の鞄を取る優希 優希「……」クンクン 優希「これ、犬の家の匂いだじぇ!?」 久「きゃあああああああああ!」 まこ「おぬし、京太郎か!」胸倉掴む 京太郎「マジすいません!ほんの出来心で…」ブルブル 咲「最低だよ、京ちゃん」 和「ホントに最低ですね」プンプン ・ ・ ・ 久「で、言い訳とかあれば聞くけど?」ムスッ 京太郎「来年も清澄の雑用係として末席に置いて下さい」ドゲザ 久「ったく。男の子に胸触られるのとか初めてだつーの!」 咲「ホントに京ちゃんなの?」 京太郎「信じられないかもしれないが、須賀京太郎だ。起きたら女になってた」 和(実験は成功ですね)ニヤリ 久「いくつか質問をしましょう。他校から送られてきたスパイかも」 まこ「まぁ…、わしらは仮にも全国大会で優勝したチームじゃしな」 優希「京太郎の事は私が一番詳しいじぇ。おい、花子。私の質問に答えろ」 京太郎「花子じゃねーよ!」 ・ ・ ・ 優希「あっ、間違いないじぇ。この花子は、京太郎だ」 咲「だよねぇ…。私と京ちゃんの中学時代の事まで知ってるなんて」 和(咲さんの中学生時代の話が聞けて貴重でした) 京太郎「信じて貰えましたか?」 久「次は本当に女になったかをチェックね」 咲(胸、どう考えても私より大きい!こんなのってないよ)ズーン 京太郎「ははは…、女の体って不便ですね。体力は絶対落ちました。筋力もですけど」 久「私は貴方の体を触る権利あるわよね?」 京太郎「た、多少は」 久「ふふっ…、少し楽しみね。さぁ、須賀君そこのロッカーに入りなさい」 京太郎「は?」 ギィィィィィ まこ「どうぞ、ごゆっくり」 京太郎「……」ビクンビクン 久「ふぅ、一仕事終えたわ」フキフキ 咲「部長、本当に女の子でした?」 久「間違いないわね。身長169cm、体重49kg、BWHは90-62-92」 久「清澄では和に次ぐナイスバディーよ」 優希「犬の癖に生意気だじぇ」 咲「京ちゃんいいなぁ…。私もバスト90とかなってみたい」シュン 和(咲さん、安心して下さい。私がもうすぐ咲さんをバスト(胸囲)90に変えてあげますからね) そして京太郎が女のまま夏がやってくる 県大会予選 まこ「いいか。優希で稼ぐ。そして次鋒の京太郎に繋ぐ」 京太郎「は、はい」 優希「私が他校を飛ばしてしまってもいいんだじぇ?」 まこ「もちろん。京太郎はあくまで防御にこだわるんじゃぞ」 京太郎「はい、ベタ降りの練習はずっとして来ましたから大丈夫です」 咲「京ちゃん、何点取られても気にしないでね」 和「私達が取り返せばいいんです」 京太郎「おぅ。お前らに任せた。俺は飛ばされない事だけを考えて打つよ」 優希「大丈夫だじぇ。半年間私と咲ちゃんの東場で練習して来たじぇ。もうちょっと自信持つじぇ」 パーン 京太郎の腰を叩く優希 京太郎「いてて…」 まこ(次鋒は火力が高い選手が少ないからの。大丈夫じゃと思うが…) まこ(久が居ない分、去年より確実に厳しい。しかし、京太郎が女になってくれたおかげで県大会出れたんじゃ) まこ(京太郎に感謝せんと) なお県大会優勝は龍門渕 10年後 京太郎「おっ…、動いた!」ドクン 優希「私も動いたじぇ。流石双子」 和「双子なんですかね?まぁ…、母体が違うだけで遺伝子は同じですからね」 京太郎「しかし、和には感謝してるぜ。iPS細胞での女性同士の妊娠。滅茶苦茶お金かかるからな」 優希「何年かかってもお金は必ず返すじぇ」 和「気にしないで下さい。私は須賀君にとても感謝してるのです」 京太郎「俺に?」キョトン ?「京ちゃんも優希ちゃんもお腹大きくなったねぇ~、久しぶり!」 京太郎「お前、咲か!?ヒゲ似合ってねーなー」 咲「むっ?厳つい感じを出したかったのに…」 優希「咲ちゃんはカワイイ男の子だから、ヒゲなんて辞めといた方がいいじぇ。イチローって言うかムネリンタイプ」 和「世界大会はどうでした?」 咲「ごめんね、負けちゃった」エヘヘ 京太郎「ニュースで見たぜ。監督の指示ミスなんだよな?」 咲「違うよ。私の責任。ちょっと焦ってリーチかけちゃったのが原因」 優希「ネットでは戦犯とか言われてるけど、気にする事ないじぇ」 和「当たり前です!咲さんは日本を代表して戦ってたんです、リーチかけて直撃振り込んだからって戦犯だなんて…」 咲「事実だよー。大将だからね、責任は取らないと」 咲「和ちゃん、ごめんなさい。坊主にして来ました」ぺっこりん 帽子を取って坊主頭を見せる 和「咲さん」ウルウル 咲「私の事、嫌いなった?」 和「……」フルフル 和「坊主頭くらいで嫌いになれるわけないです」 咲「良かった。そうそう、日本に帰って来たらね…。ホントは勝って言うつもりだったんだけど…」 咲「け、け、結婚しませんか?」 和「喜んで」ニコッ 京太郎「おおっ!ついに咲が…」 優希「明日の朝刊の一面は決まりだじぇー。染谷先輩や竹井先輩に報告しないと」 こうして女になった京太郎は末永く優希と暮らしました。 男になった咲さんも、末永く和ちゃんと暮らしましたとさ 終わり
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1372845067/ 京太郎「……飛びました」 優希「またー!?ほんとに犬は弱いじぇ!」 和「こら、優希」 久「あはは、須賀君たら駄目駄目ねー」 まこ「そう笑ってやりなさんな」 久「それじゃ、咲と交代して須賀君は買出しお願いね」 咲「ごめんね京ちゃん」 京太郎「はい、行ってきます」 スタスタ ガチャ バタン 京太郎「…………はぁ」 ―須賀邸― 大沼『……ツモ』 『決まったー!!大沼プロの優勝です!!』 <ワーワー 京太郎「……」 京太郎「…………はぁ……」 京太郎(なんで俺はこんなに麻雀が弱いんだろうな……) 京太郎(最近はずっと麻雀の勉強してるんだけど……強くなった気がしない) 京太郎「……才能、無いのかな」 京太郎(…………それに、正直……清澄の顔に……俺が泥を塗ってる気がする) 京太郎(皆は団体や個人戦で良い成績収めてるのに、俺は一回戦敗退) 京太郎(これじゃ来年は男子麻雀は和や咲目当ての奴しかこないんじゃねえか?) 京太郎(実力のある奴は皆俺を見て清澄に見切りつけて風越に行っちまうんじゃ……) 京太郎「……はぁ」 京太郎「………………部活、やめちまうか……」 ―翌日― 京太郎「……ふぁあ……」 咲「あれ、京ちゃん。おはよ」 京太郎「ん?ああ、咲か」 咲「眠そうだね?」 京太郎「ん?はは、まあな」 咲「……?」 京太郎「?どうした?」 咲「ううん……なんだか、元気ない?」 京太郎「……」 京太郎「いんや?元気過ぎて困るくらいだぜ?」 京太郎「ちょっと寝不足でさあ、まぁ授業中寝れば大丈夫だ」 咲「もう、駄目だよ!授業中に寝ちゃ!」 京太郎「ははは」 京太郎(……わりぃな、咲) ―3年教室― 「竹井さーん」 久「んー?なにー?」 「一年生の男の子が来てるよー」 久「一年生の……?あ」 京太郎「……」ペコ 久「わかったーすぐ行くわー」ガタ ―廊下― 久「おはよう、珍しいわね。須賀君が会いに来るなんて」 京太郎「……いきなりすみません」 久「いいわよ別に。で?どうかしたの?」 京太郎「……えっと」ゴソゴソ 京太郎「…………すみません、コレを」スッ 久「ん?何ー?まさかラブレター?」 久「………………――え?」 【退部届】 京太郎「……すみません、急に」 久「……え」 久「冗談、とかじゃ……ないの?」 京太郎「……すみません」 久「……」 京太郎「……」 久「……考え直してくれたり……しないかな」 京太郎「……御世話になりました」ペコ クルッ 久「あ!ちょっと須賀く――……」 京太郎「……」タッタッタ タッタッタ…… 久「……行っちゃった……」 久「……………………困った、わね……」 スタスタ 優希「情報技術の授業は楽だからいいじぇー」 和「そうですね」 タッタッタ 優希・和「え?」 京太郎「……」タッタッタ 優希「おう!犬っころ!」 和「あ、こんにちわ須賀く――……」 ビュン 京太郎「おう、じゃあな二人とも!」タッタッタ 和「わわ、廊下は走っちゃ駄目ですよ!!」 タッタッタ…… 和「……行ってしまいました」 優希「何を急いでたのか」 タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(少し……後ろめたいけれど……これでいいんだ) 京太郎(麻雀だったら……雀荘でも、ネットでもできるし) 京太郎(元々、和に憧れて入った部活だし……もういいんだ) 京太郎「……」 タッタッタ 京太郎「……これで、いいんだ」 ガタッ!! 京太郎「あぐっ!!?」 ドターン 京太郎「っ……!いてて……!」 京太郎(……な、何も無い所で転んじまった……?) 京太郎(でも、何か足に引っかかったような感触が……) ―帰り道― スタスタ 京太郎「……」 京太郎(結局……みんなには何も言わずに帰ってきちゃったな) 京太郎(皆怒るかな……いや、変わりなさそうな気がする)ハハ 京太郎(でも、咲には怒られそうだな……『誘ったくせにやめるなんて最低』とか) 京太郎「……」 京太郎(咲にゃ悪い事したな……) 京太郎(待ってろよ、すぐにすっげー強くなって……お前相手に飛ばないように、いや) 京太郎(お前に勝てるくらい強くなって、お前を楽しませてやるからな……!) スタスタ 京太郎「……」 スタスタ 京太郎(……ん?) クルッ 京太郎「……」 シーン…… 京太郎(……気のせいか?) クルッ スタスタ 京太郎「……」 スタスタ スタスタ 京太郎「っ!」バッ!! シーン 京太郎「……」 京太郎(…………おかしい) クルッ タッタッタ 京太郎「……っ」 <タッタッタ 京太郎「!」 京太郎(やっぱりだ)チラッ <タッタッタ 京太郎(誰か後をつけて来てる……!) ピタ 京太郎「……」クルッ シーン…… 京太郎「……咲……か?」 京太郎「……」 京太郎「優希……?部長……?」 シーン…… 京太郎「……」 京太郎「……染谷先輩……?」 京太郎「…………まさか、和ってことは……」 シーン…… 京太郎「……」 京太郎(……何も返事が無い) 京太郎(小学生のいたずらか何かか……?) 京太郎「……」 京太郎(…………とにかく、帰るか……) ピタ 京太郎「……ん?」 京太郎(……なんだ?) 京太郎(あの……電信柱の下から……誰かがこっち見てる……?) 京太郎「……」 スタスタ 京太郎「誰、だ?何か用か?」 京太郎(まさか、本当に咲が俺を追っかけて来て――……) 京太郎(隠れっ――――……)ピタッ 男「……」 京太郎「……」 京太郎(……誰だ) 京太郎(誰だ、このおっさん) 男「……」 京太郎(……何だ、このおっさん……なんで、俺をじっと、見て) 京太郎(え、て、事は……さっきから俺を追いかけてたのって) 京太郎「…………――――っ!!!!」ゾッ ダッ 京太郎「ひっ……!!」タッタッタ 京太郎(き、気味悪ぃ!) 京太郎(全速力で逃げよう!!!!) タッタッタ…… …… … ・ ―須賀邸― 京太郎「……はぁ……」グテー 母「どうしたの京太郎、そんなに疲れて」 京太郎「いや……なんでもない……」 京太郎(結局なんだったんだ……あの後は何も無かったし……) 京太郎「……」 京太郎(でも、なんだろう……あのオッサンどっかで) コンコンコンコン 京太郎「……ん?」 コンコンコン 京太郎「……」 京太郎(誰か玄関をノックしてる……?) コンコンコンコンコンコン 京太郎(なんでチャイムを鳴らさな……) コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン 京太郎「……」 コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン 京太郎「っ……」ゾク 京太郎「な、なあ母さん!さっきからずっと玄関のドアをノックされてんだけど!」 母「えー?本当ー?」ジャバジャバ 京太郎「でてくれよ!なんかしつこくて……」 母「洗い物してるんだから京太郎出てよー」ジャバ カラン 京太郎「そっ…………!……ったく……!」ガタ スタスタ 京太郎「……」 京太郎(や、俺の考えすぎか……。流石に撒いたはずだし) ガチャッ 京太郎「はーい」ギィ シーン…… 京太郎「……?」 京太郎(誰も……いない……?) 京太郎「……はぁ」 京太郎(なんだろう、動物とかか) 京太郎(な――……) 男「……」 京太郎「……――え」 男「……」 京太郎「……」 京太郎(あいつ) 京太郎(家の、塀の外から……こっち見てるあのおっさん) 京太郎(あいつ、あいつだ) 京太郎(夕方の……あいつだ……!!) 男「……」 京太郎「な……な……」 京太郎(なんだこいつ……なんだこいつ) 京太郎「な、なんの用ですか……!あんた……!」 男「………………鬼門」 京太郎「っひぃっ!!!」バターン タッタッタ! 京太郎「か、母さん!!家の前に変な人が居るんだけど!!」 母「はぁ?変な人?」 京太郎「そ、そう!!なんか、禿げたおっさんでさ!!」 母「ちょっと見てくるわ」スタスタ 京太郎「ちょ、あ、危ないって!」 母「見るだけだから大丈夫よ」スタスタ ガチャッ 母「……」 京太郎「か、母さん!俺の後ろに隠れて――……」 母「何もいないじゃない」 京太郎「……――え?」 シーン 母「……あんた、疲れてる?」 京太郎「ほ、本当だって!!確かにあそこにいたんだ!!」 バタン スタスタ 母「ほらほら、もうバカ言ってないでさっさとお風呂入っちゃいなさい」 京太郎「でも本当に――……」 <ワーワー 京太郎「……――?」 『……ロン』 『また決まった―!!大沼プロ、捲り上げた―!!』 母「まーた麻雀の番組……」 京太郎「……こいつだ」 母「え?」 京太郎「こいつだ、大沼プロだ」 京太郎「俺が言ってた変なおっさん、こいつだよ!!」 京太郎「大沼プロがさっきあそこに本当にいたんだよ!!」 母「……」 京太郎「さっき塀の外から――……」 母「京太郎」ポン 京太郎「え?」 母「あんた、ここ最近ずっと麻雀の勉強してて碌に寝てなかったでしょ」 母「もう寝なさい……暖かくして、風邪引かないように」 京太郎「ほ、本当だって!本当なんだって!!」 母「さ、カピは今日はママと寝ましょうねー」 カピ「ピカピ」 京太郎「母さん!母さーん!!」 …… ―翌朝― スタスタ 京太郎「ふあ……ふぅ……」 京太郎(……結局、信じてもらえなかったな……本当なのに) 京太郎「……」 京太郎(でも、もしかしたら大沼プロに似てるだけのおっさんだったのかもな……) 京太郎(いや、それでも問題だけども) 京太郎(もう来ないといいな……今の所、家の外にも居なかったし、つけられてる様子も) 「京ちゃん」 京太郎「っ!!!!!?」ビクゥッ!!!! 咲「はゎっ!?」ビクッ!! 京太郎「って、さ、咲?咲か……」 咲「ご、ごめんね?驚かせちゃって……」 京太郎「いや、いいんだ……ごめん、おはよう」 咲「う、うん……おはよ」 京太郎(ビックリした……良かった、咲か……) 京太郎(……ん?咲?) 咲「……っ……」 京太郎「……」 京太郎(……あ) 京太郎(そうだ……俺、昨日……) 咲「あの、ね?京ちゃん……」 咲「なんで…………麻雀部、やめちゃったの……?」 京太郎「……」 京太郎(……――部活、やめちゃったんだっけ) 京太郎「……ごめんな」 咲「う、ううん……でも、何で――……」 京太郎「……悪い、咲」 咲「え?」 ダッ 咲「え!?京ちゃん!?」 京太郎「ちょっと急ぐから先行く!ごめんなー!!」タッタッタ 咲「……京ちゃん……」 タッタッタ…… 京太郎「っ」 京太郎(だっせぇ……!だせえぞ俺!!何逃げて来てんだよ……!) 京太郎(本当に根性なしだ俺……!!素直に言えばよかったんだ!!) 京太郎(『弱すぎて自信がなくなったから、やめました』って――……) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(……あぁ……) 京太郎(……駄目だな、俺……本当) 京太郎(駄目な奴だ……) ガサッ 京太郎「ん?」 京太郎(なんだ?今……道の左の山の奥) 京太郎(何か――……) ガサッ!!ガサガサガサガサッ!!!! 京太郎「……」 大沼「……」ガサガサガサッ!!! 京太郎「う」 京太郎「う……~~っ……!!!?」 大沼「……」ガサガサガサガサ!!!!! 京太郎(あ、あいつだ……!!) 京太郎(あいつが、山の奥を……走ってる……!!!) 京太郎(俺の事) 京太郎(俺の事を凝視しながら) 京太郎(俺に平行して、走ってきてる!!!!) 京太郎「う」 ダァッ!!!!! 京太郎「うわああああああああ!!!!!!!!!」タッタッタ ガサガサガサッ!!!!! 京太郎「ひっ……!ひい……!!」 京太郎(は、走らなきゃ!!あいつより早く走らなきゃ!!) 京太郎(右にはガードレール、その向こうは少し高い崖だ……!!) 京太郎(後ろには、咲がまだ歩いてる……巻き添えにしちまう!!) 京太郎(前しか、逃げ道が無い……!!)チラッ 大沼「…………」ガサガサガサガサガサガサ!!!!!!! 京太郎「ひぃっ!!!!」 京太郎(とにかく走るんだ……!!もうすぐで人気の多い場所に、開けた場所に着く!!!!) ガサガサガサッ 京太郎「えっ?」 大沼「…………」ガサガサガサガサ 京太郎「う」 京太郎「うわぁぁぁっ!!!!」 京太郎(こ、こっちにきやがった!!!!今まで並走してたのに!!いきなりっ!!!) 大沼「…………」ガサガサガサガサ!!!! ガサッ!!! 大沼「………………おはぎ」タッタッタッタッタ 京太郎「ひぃぃぃ!!!」 京太郎(山から抜けてっ!!!道路に来たっ!!!!) プァァァ――――!!!!! 京太郎「うわぁっ!!!!!」ガバァッ!! キキィー!!!! …… ドサァッ!! 京太郎「はぁっ……!!はぁっ……!!」 ガチャッ バタン 女「だ、大丈夫ですかっ!!?」タタタ 京太郎「はぁっ……!!はぁっ……!!?」 京太郎(あれ……あ、あいつは……)キョロキョロ シーン 京太郎(……いなく、なっ……た……?) 女「もう!危ないでしょ!いきなり飛び出してきちゃ!!」 ―学校― スタスタ 咲「おはよー……」 クラスメイト「宮永さんおはよー」 咲「おはよ……あれ?」キョロキョロ クラスメイト「ん?どしたの?」 咲「えっと……京ちゃ……須賀君は?」 クラスメイト「京太郎君?さっき保健室行ったよ」 咲「え?保健室?」 クラスメイト「うん。なんでも来る途中に怪我しちゃったみたい」 咲「怪我……!?」 ―保健室― 京太郎「いつつ……」 保険医「もう、なんで登校するだけで怪我してるの」ペタペタ 京太郎「すみません……」 保険医「はい、おしまい」ペシン 京太郎「いだっ!」 保険医「全く……歩ける?」 京太郎「はい、なんとか……」 保険医「そう、それじゃ私は職員会議行ってくるから痛みが引いたら教室に帰りなさいよ」 京太郎「はい、分かりました」 保険医「それじゃ、御大事に」 ガラッ ピシャン 京太郎「……はぁ」 京太郎(……) 大沼『………………おはぎ』 京太郎(どうしよう……) 京太郎(あいつの事……先生達に相談した方がいいのかな) 京太郎「……」 京太郎(やっぱり相談した方がいいよな……) 京太郎(俺以外にもこんな目に遭わせないようにしなきゃ) スクッ 京太郎「よし」 京太郎(それじゃ……教室じゃなくて職員室に) スタスタ 京太郎「!!」 スタスタスタスタ 京太郎「……」 京太郎(この、足音……保健室に向かってきてる) 京太郎(……まさ、か……) スタスタ…… ピタ 京太郎(…………っ) ガラッ!! 京太郎「……っ!!」 スタスタ 優希「せんせぇー……ちょっと体調が」 優希「……――って」 京太郎「……」 優希「……京、太郎……」 京太郎「…………はぁぁぁ……」ヘナヘナ 優希「って、ええ!?ど、どうした!?」 京太郎「いや、優希か……本当にびっくりした……」 優希「だ、大丈夫か……?」 京太郎「悪い悪い、ちょっと色々あって――……あ」 優希「……」 京太郎(……これまた、気まずい奴が……) 京太郎「……えっと」 優希「……なあ、京太郎……」 京太郎「……」 優希「……本当に辞めるのか?」 京太郎「……」 優希「え、えっと」 優希「あの、一昨日言った、弱いなんちゃらっていうのは冗談というか」 優希「その」 優希「えっと……」 京太郎「……優希」 優希「やめるのは……考えてみて欲しいというか」 京太郎「……」 優希「えっと、いや、正直、私も言い過ぎたし」 京太郎「……――優希」 優希「あう、えっと、うう……」 京太郎「……優希」 優希「と、とにかく!」 京太郎「おい、優希」 優希「気にすることは――……え?」 京太郎「優希……こっち」 優希「え……京太郎?」 京太郎「こっち、来い」 京太郎「ドアの方……振り向かずに」 大沼「……」 京太郎「早く……こっち……!!来い……優希……!!」 優希「え?な、なにが」 京太郎「振り向くな!」 優希「っ!?」ビクッ 大沼「…………」 京太郎「いいから……こっち来い」 優希「う、うん……」スタスタ 京太郎「……ここ、座ってろ」 優希「ど、どうした?ドアに何か……」 京太郎「……優希」 優希「え?」 京太郎「しばらく、耳と目……塞いでてくれ」 優希「……」ギュッ 京太郎「……あ、アンタ……なんなんだ」 大沼「…………」 京太郎「なんで俺をつけてるんだよ!!警察に突き出すぞ!!」 大沼「……」 京太郎「……っ……」 ガシッ!! 京太郎「どっか!!」 ブンッ!!!! 京太郎「いけよぉっ!!!!!」 バリィン!!!!! 優希「ひっ!?」ビクッ 大沼「……」バッ!! 京太郎「!!待ててめぇっ!!」ダッ ガラッ! 京太郎「逃げるなっ!お前っ」バッ 保険医「須賀!!どうしたの!今の音!!」スタスタ 京太郎「せ、先生!!」 保険医「あー!薬瓶が割れちゃってるじゃない!」 京太郎「先生!!今そっちに男が行きませんでしたか!?」 保険医「え?」 京太郎「禿げてて、ヒゲ生やしたおっさんが行きませんでしたか!?」 保険医「や、私は忘れ物取りに……こっちから来たからちょっとわかんないけど」 京太郎「……じゃあ、反対側に……?」 優希「きょ、きょうたろぉ……!?」ビクビク 京太郎「ん?……あ」 優希「も、もういい……!?ねぇってばぁ……!」フルフル 保険医「……ちょっと須賀……」 京太郎「あ、いや」 保険医「いやらしい事してて……誤魔化すためにそんな事いってるんじゃないでしょうね……」 京太郎「ほ、本当です!!本当なんです!!!!」 優希「ま、まだかぁ……!?」ビクビク ―教室― ガラッ 京太郎「はぁ……」 咲「!京ちゃ……」 クラスメイト「おー!どうしたんだよ京太郎ー!」 クラスメイト2「なになにー?重役出勤じゃーん」 京太郎「はは……色々あってな……」 咲「……っ」 咲(京ちゃん……大丈夫なのかなぁ) ガラッ 先生「ほら、席つけー」 咲(……次の休み時間に話してみよう) 先生「えっと、突然だが、今日はこれで終わりだ」 生徒「「「えぇ!!!?!」」」 先生「ちょっと校内に不審者が紛れ込んだとある生徒から報告があってな……今日は自宅から出ない様に」 ザワザワ 「まじかよ」「やったぁ!」「早く帰ろうぜ」 咲「……」チラッ 京太郎「…………」 咲(……まさか、京ちゃんの怪我と何か関係が……) 先生「あー、それと……須賀」 咲「!!」 京太郎「……はい」 先生「お前はちょっと残ってくれ……それじゃ、号令」 <キリーツ レーイ 先生「よし、先生達が誘導してるからそれに沿って安全な道で帰れよー」 ザワザワ 先生「……それじゃ、須賀」 京太郎「はい……」 咲(……京ちゃん……) ブロロロロロ…… 先生「はは、お前が変質者につけ狙われるとはなぁ」 京太郎「笑い事じゃないですよ……」 先生「すまんすまん、まぁちゃんと家まで送ってやるから」 京太郎「お願いします……」 先生「しかし、最近お前目のクマ凄いなと思ってたが……こんな状況じゃ眠れやしないよなあ」 京太郎「はは……まぁ、でも家の中は安全ですから」 先生「あはは、違いない」 京太郎「あ、先生。赤ですよ」 先生「おっと」 キィー 先生「すまん話に夢中で」 京太郎「はは、しっかりして下さいよ」 京太郎「……」 京太郎「…………あ、れ」 先生「ん?どうした?」 京太郎「……」 先生「……須賀?」 京太郎「……」 京太郎「先生、青、です」 先生「ん?ああ、すまん……で?どうかしたか?」 京太郎「……走ってください」 先生「え?」 京太郎「走ってください」 先生「走ってるが」 京太郎「もっと!速く!!走って!!!!」 京太郎「乗ってる!!!…………後ろの車!!!!」 大沼「……」 京太郎「あいつが……あいつが乗ってる!!!!」 先生「なにっ!!!?」 京太郎「後ろ見ないで!!走って!!」 先生「そ、そういうワケにもいかんだろう!」 京太郎「いいから!!」 先生「いや!ちょっと降りて先生が捕まえて――……」 京太郎「駄目!!駄目だって!!」 京太郎「あいつ……いや!!」 京太郎「あいつら……!!!!一人じゃない!!!!!」 先生「一人じゃない……!?」チラッ 先生「…………たし、かに……見えにくいが、車に何人か乗ってる……!」 京太郎「あいつら!!!笑ってる!!!!」 京太郎「笑ってるよ!!!!あいつ!!!!」 大沼「…………」ニコォ 京太郎「遊んでる!!」 京太郎「俺たち二人追いかけて……あっ、あ、遊んでるんだ!!!!」 先生「ど、どうする……!」 京太郎「……!」 先生「一先ず、警察署がしばらく行った所にあるから、そこまで」 ガチャッ!! 先生「!!!?須賀ぁ!!!?」 京太郎「多分あいつらの狙いは俺です!!!!」 京太郎「車だと小回りが利かないと思うんで……俺、走って帰ります!!」 先生「ば、バカっ!!」 京太郎「先生!さようならっ!!!」 バッ!!! 先生「須賀ぁ――――!!!!」 ドンッ ゴロゴロゴロゴロ!! 京太郎「ぐぁぁっ!!……――くっ!!!」ガバァッ!! 京太郎「っ!!」ダッ!! タッタッタ 京太郎「はぁっ!!はぁっ!!」 京太郎(すぐに小道に入ったから……多分、大丈夫だ……!!) 京太郎(もし、俺に気付いたとしても……そんなに早くは) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎「……」クルッ 京太郎「……」 京太郎「…………――嘘、だろ」 大沼「………………」タッタッタッタ 京太郎「う、あぁ」 大沼「…………」タッタッタッタ 京太郎「わ、わぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!!」 京太郎(あ、ありえるか!こんなの!こんなんありえるか!!!) 大沼「…………」タッタッタッタ 京太郎「な、なんで」 京太郎「なんで俺を追いかけんだよ!!!!!」 京太郎「何がしたいんだよぉ!!!!!!!!!やめてくれよぉ!!!!!!!」 大沼「…………素敵なくらし」タッタッタッタ 京太郎「……!!!!?」 大沼「…………膝の皿を使って」 大沼「…………飯をよそう」 大沼「…………素敵なくらし」 京太郎「!!?……!!?……!!!!!?」 大沼「………………痙攣」 大沼「………………脳内のポリープ」 大沼「………………単騎待ち」 京太郎「わ」 京太郎「わけ、わかんねぇっ」 京太郎「わけわかんねぇ!!来るなぁぁ!!!!」 京太郎「来るなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!来るなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 大沼「………………喉仏は」 大沼「………………悲願なので」 大沼「………………素敵なくらしを」 大沼「素敵なくらしを……素敵なくらしを」 京太郎「うぁぁぁっ!!!!うぁああぁぁぁあ!!!!」 ズザァァァッ!! 京太郎「はひぃう!!!!」 京太郎(よ、ようやく開けた場所に着い――……) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(なん、だ) 京太郎(なんだ、向こうから走ってくる人) 京太郎(こっちを、凝視しながら……こっちに向かって――……) 健夜「……」タッタッタッタッタ 京太郎「わ、あ、あう」 京太郎「あっ、わぁぁぁっ、わあああああっ」 京太郎(同類だ……!!多分、あの人、大沼の……!!同類だ!!!!!) ダッ!! 京太郎「はひっ!!」 タッタッタ 大沼「…………素敵なくらし」タッタッタ 健夜「待ってよー」タッタッタ 京太郎「はぁっ、はぁっ!!!!」 京太郎(なん、だ、こいつらっ) 京太郎「なんなんだ!!あんたらぁっ!!!!」 健夜「きっと止まればいいよ。そこに腰を据えるんだよ」 健夜「きっといい人生が待ってる。全てが生まれ変わる」 健夜「多分あなたも分かってるはずだよ」 健夜「アラサーだよ」 京太郎「わああぁぁぁっ!!!来るなぁっ!!!来ないでくれぇぇっ!!!!」 タッタッタ 京太郎「!!」 京太郎(前から人が!!) 京太郎(た、助けを) 京太郎「す、すみませっ……」 京太郎「……」 京太郎(……なん、で……この人……) 京太郎(俺の事、凝視、して…………) 京太郎(走って……) 照「美しい暮らしなどいない」ギュルルルルル 京太郎「……」 京太郎「ウワァァ」 京太郎「ウワアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」 大沼「………………尿道」 健夜「きっと、素晴らしい威光を授かれるよー」 照「ここには健康的なハイエンドなどいない」 京太郎「ウワアアァ!!!!!ウワアアアアア!!!!!」 京太郎(逃げ道っ!!逃げ道!!っは!!!!) 京太郎「っ!!!!」 京太郎(か、河に……!!) ガシッ!! バッ!! 京太郎(飛ぶしかねぇぇっ!!!!!) バシャーン!! 京太郎「っっぷはぁっ!!!」 辻垣内「腹を切れ」バシャバシャ 京太郎「うああああああああああああああああ!!!!!!!!」 ―須賀邸前― 咲「……」 ズザッ 咲「!!」 京太郎「ぜぇっ……ぜぇっ……」ヨロッ 咲「京ちゃん!」ダッ ガシッ 咲「大丈夫!?京ちゃん、大丈夫!?」 京太郎「さ、き……どうして」 咲「だって、京ちゃんが心配だったから……大丈夫だったの!?」 京太郎「はぁっ……はぁっ……変な、奴らに……追いかけられまくって……」 京太郎「でも……はぁっ……皆、撒いてやったぜ……」 咲「と、とにかく休まなきゃ!!」 ガチャッ 京太郎「ただ、いまっ……」 シーン 京太郎「誰も、いない……か」 咲「大丈夫?早く休まなきゃ!」 グイッ 咲「靴、脱げる?」 京太郎「大丈夫、だっての……」 咲「……もう……無理しちゃだめだよ……」 ―京太郎の部屋― ドサッ 京太郎「はぁっ……!はぁっ……!!」 咲「すごく疲れてる……」 京太郎「……はぁっ、わるい、な……咲」 咲「ううん、気にしないで」 京太郎「っ!そ、そうだ……!」 ムクッ 咲「!だ、だめだよ!寝てなきゃ!!」 京太郎「あ、あいつらの事……警察に、電話しなきゃ」 咲「だめ!休まなきゃ!!」 京太郎「……咲」 咲「休みなさい!」 京太郎「……」 咲「もう、本当に京ちゃんはいつもいつも……」 京太郎「……咲」 咲「……ん?」 京太郎「……悪かった」 京太郎「勝手に……部活……やめて」 京太郎「お前、らに……相談も無い、ままで……」 咲「……京ちゃん」 京太郎「俺……情けなかったんだ」 京太郎「一人だけ、才能なくて……」 京太郎「俺だけ、必要とされなくて……」 京太郎「くやし、かったんだ……」 ギリッ…… 京太郎「悔しかったんだ…………本当、は」 咲「……」 京太郎「いつの、間にか……麻雀自体を……すげぇ好きに、なってて」 京太郎「でも、才能も……頭も足りなくて……」 京太郎「お前たちに…………すげえ、嫉妬……してた……!!」 咲「……」 京太郎「そんな、ちっぽけな……屑なんだ……俺は……――俺はっ……!!」 ナデ…… 京太郎「!!」 咲「…………そんな事ない」 京太郎「……咲」 咲「そんな事ないよ」 咲「京ちゃんは京ちゃんなんだから」 咲「そのままで……いいんだよ」 咲「屑なんて……言っちゃ駄目」 咲「私は、知ってるよ」 咲「京ちゃんの良い所も……勿論、悪い所も」 咲「でも、そんな私が見ても……」 咲「京ちゃんは、ゼッタイゼッタイ……屑なんかじゃないよ」 京太郎「……――――咲……」 咲「だから、休まなきゃ……」 京太郎「………………え?」 咲「休まなきゃだよ。京ちゃん」 咲「ちゃんと休むのは肯定だよ。休めばきっとわかるんだ」 咲「人生はきっと美しいって」 京太郎「……」 ヴーヴー 京太郎「……携帯……が」ゴソッ 咲「皆、屑は休まないし休めないよ。風が吹くもの」 咲「だから休んだら今度は風になるの。次は鬼ごっこの鬼役になるの」 咲「そうすればもう誰もが休めない、全部風速が持っていくの!」 京太郎「……」 着信 宮永咲 咲「全部全部!!!!!美しい人生が始まって終わっていくの!!!!」 ピッ 咲『あ、もしもし京ちゃん?』 京太郎「……咲」 咲『うん、大丈夫だった?』 京太郎「……何が」 咲『ううん、今日、クラスでなんだか様子おかしかったし……』 京太郎「……」 咲「次は皆を箱の船で雨の洪水に浮かべるの!!!!!」 咲「きっと皆は『助けてー』って言うよ!!!!!!!!」 咲「でも駄目!!まだ駄目!!!!」 咲「だってそれはまだ人生じゃ、生きている人じゃないから!!!!!」 京太郎「………………」 咲『京ちゃん?どうしたの京ちゃん!』 咲『京ちゃ――……』ピッ 京太郎「……」 咲「まるでそれはア・プリオリな頸椎上の宣教師みたいに」 咲「笑って泣いて、食べて、転んで、交わって生きるの!!!!」 咲「素晴らしいでしょ!!!」 咲「だって皆カルテを待ちわびる間に」 咲「脂ぎった肉を精一杯頬張る事ができるんだよ!!!!!」 咲「誰だって止める権利なんてないよ!!!!!!!きっと自分自身にだって!!!!!」 咲「京ちゃん!!!!踊ろう!!!!踊ろうよ!!!!!もうすぐ車が来るよ!!!!!」 咲「大変な事なんだよ!!!!そしてコレはとっても大事な事!!!!!」 咲「踊ろう!!!!!!!!!!京ちゃん!!!!!!!!!!!!!」 咲「人生は!!!!!!!!!!!美しいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 京太郎「……」 京太郎「人……生……?」 スタスタ 大沼「…………人生」 詠「七転八倒とは言うけどねぃ」 藤田「人を殺して食べる飯は糧になるのか」 辻垣内「それを趣味と、スポーツと言い張る姿はまるで」 衣「跳梁跋扈の魑魅魍魎」 美穂子「人は一人では生きられないもので」 豊音「気付いた時にはやりたい事がちょーしんどいよー」 淡「それでもご飯をお腹いーっぱい食べたくなるのは」 洋榎「ひとえに欲望のお陰っちゅうやつや」 健夜「アラサーだよ」 はやり「だから素直になるのが一番☆」 咲「愛おしい人は放っておいて」 照「邪魔な人は撲殺し尽くさなきゃいけない」 戒能「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「人生七転八倒とは言うけど」 京太郎「人を殺して食べる飯は糧になるのか」 京太郎「全てをモラルと、常識と言い張る姿はまるで」 京太郎「跳梁跋扈の魑魅魍魎」 京太郎「俺は一人では生きられないもので」 京太郎「気付いた時には一人だった!!!!一人きりだった!!!!」 京太郎「それでも飯を食べたくなるのは」 京太郎「俺に欲望しかないからだ!!!!!」 京太郎「だから素直になるのが一番で」 京太郎「愛おしい人は放っておいて」 京太郎「邪魔な人を殺しに行こう!!!!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 ―長野のとある病院― 母「あの……先生……それで、京太郎は……」 医師「……大変申し上げにくいのですが……雀力に起因する心因性知覚障害です」 母「……雀……力……?」 医師「えぇ、京太郎さんは麻雀部に所属されてましたね?」 母「はい……」 医師「それで、全国大会まで勝ち進んだとか……原因はそれです」 医師「麻雀の手練というのは、特殊な波といいますか、そういうものを放っておりまして」 医師「その波長によって精神に影響を及ぼすケースが稀にあるんです」 母「……」 医師「まあこれは普通その波を放っていない普通の人間には影響がないんですが……」 医師「おそらく京太郎さんはあまりにも強い雀波を間近で長い年月をかけて浴び続けてきたのでしょう」 医師「……きっと、京太郎さんのご学友の方の仲に……強い雀波の発信者がおられます」 医師「今回はきっとその影響により、京太郎さんの麻雀に対するコンプレックスが」 医師「“今までに見た麻雀の強い人々が追ってくる”という幻覚をみせたのでしょう」 スタスタ 咲「……」 ―京太郎の病室― コンコン 咲「京ちゃん……京ちゃん、お見舞いに来たよ」 咲「……」 ガラ 咲「京ちゃん、お花を持ってきたよ」 咲「……」 サァァァ…… 咲「……京ちゃん?」 咲(いない…………あれ?) 咲(窓………………開いてる) ――東京―― 「いやぁ、今日も流石でした!大沼プロ!」 「また今度もお願いします!御疲れ様でした!!」 大沼「…………お疲れ」 スタスタ 大沼(帰って一杯やるか……)スタスタ 大沼「…………」 ピタ 大沼「……?」 京太郎「はぁっ……はぁっ……!」ニコォ… 大沼「……!?」 大沼(何だ……?この、寝巻きの格好をして) 大沼(ツルハシを持っている少年は…………) ……………… ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「愛おしい人は放っておいてっ」 ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「邪魔な人を殺しに行こうっ」 ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 カン!
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特別編 和とクリスマス ※本編との関係も一切ない特別編です。普段と違う形で書いてます ※メインヒロインは和です。多少キャラのねつ造等がありますので気になる方はスルーでお願いします 京太郎(和と付き合い始めて数ヶ月……今日は待ちに待った12月24日、クリスマスイブ) 京太郎(親父もお袋もちょうどいないが、あの和をどうやってうちに誘うか悩んだ……が) 和『クリスマスイブは……うちに来ませんか?』 京太郎(ぶっちゃけ大チャンスだと思ったね!あの和が誘ってくれるんだし!期待したよ!) 京太郎(なのに……なのにっ!) 和父「…………その皿とコップはこっちだ」 京太郎「…………はい、これですね」 京太郎(なんで俺は和の父親とテーブルの準備してるんだ!!) 数十分前 京太郎「よし、こっちは仕上げだけだな」 和「京太郎くん、これは?」 京太郎「あぁ、そっちはまた食べる前に火を通せばいいだけだ」 和「はい……でも、本当に料理上手ですね。少し彼女として複雑ですよ」 京太郎「和の料理だって美味いだろ。この前の弁当とか、毎日でも食べたいくらいだ」 和「ふふ、御世辞を言っても何も出ませんよ?」 京太郎「本音だって。っと、そろそろテーブルの方準備するか?」 和「そうですね……料理も後は仕上げたり盛り付けたりするものばかりですしね。時間もそろそろですし」 京太郎「そろそろ?何が?」 和「えぇ、実は…」 ガチャ 和父「和、今帰った……ぞ……」 和母「ただいま。あら、料理もほとんどできてるのね」 和「2人とも、おかえりなさい」 京太郎「…………はい?」 和母「あなたが和の彼氏?へー、和が言ってたよりかっこいいじゃない」 和「も、もう!そんなこと言うくらいなら手伝ってください!」 和母「はいはい。それじゃあなた、2人でテーブルの用意よろしくね?」 和「お願いしますね、京太郎くん」 京太郎「…………え?」 和父「…………」 現在 京太郎(何故だ!何故クリスマスイブにご両親と対面からの父親と2人きりという状況にしたんだ和!!) 京太郎(つーかさっきから滅茶苦茶怖いんですけど!なんかプレッシャーやべーんですけど!!) 和父「…………」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎(ただ食器とか置いてるだけだよな?だけだよな!?) 和父「…………京太郎くん、といったかな」 京太郎「は、はい!須賀京太郎です!!」 和父「…………和のことだが」 京太郎「こ、高校生らしい健全なお付き合いをさせていただいておりますっ!!」 和父「…………まだ何も言ってないが、まぁいい」 京太郎(よ、良かったのか?) 和父「もしもの場合はしかるべき対応をするだけだからな」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎(やっぱ良くなかったっ!!) 和父「君も、清澄の麻雀部だったか?」 京太郎「は、はい」 和父「一応試合結果などに目を通してはいる。君の名前は無かったようだが」 京太郎「それは……その、俺初心者で、部でも男子が俺1人な状況で、試合らしい試合も初戦敗退の個人戦だけだからでして……」 京太郎(やべ、言ってて悲しくなってきた) 和父「なるほど……同じ部だから和と親しくなったと……」 京太郎「そ、そうですね」 和父「そうか……最近、いや、9月に入ってから、和は楽しそうにしている」 京太郎「楽しそう?」 和父「あぁ。こちらに残ることが決まってからだ」 京太郎「あぁ……全国制覇してから……」 和父「私は今も和は東京の進学校に行くべきだと思っている」 京太郎「!?」 和父「だが……今のように楽しそうなら、それも悪くないと思っているよ」 京太郎「そ、そうですか」 京太郎(良かったな、和) 和父「だが娘はまだやらん」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「は、はいっ!?」 和父「いいか?和に何かあってみろ。私は弁護士で妻は検察官だ。分かるな?」 京太郎「そ、それはもう!」 京太郎(社会的に抹殺される!!) 和父「……泣かせるような真似をしたら許さんからな」 京太郎「……当然です。和を悲しませるようなことはしません」 和父「……ならばいい」 京太郎(お義父さん……) 和父「それと間違えてもお義父さんと言うな。心の中でもだ」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「は、はいっ!!」 和「それでは、メリークリスマス、と言うべきでしょうか?」 和母「あんまり気にすることじゃないでしょう?さぁ、食べましょう」 和「ですね。はい、どうぞ」 和父「うむ」 和「はい、京太郎くんも」 京太郎「お、おぅ」 和母「あーん、とかしていいのよ?」 和「も、もう!でも、京太郎くんがいいなら……」 和父「」ギロッ 京太郎「ふ、普通でいいって!ほら、和も食べな」 和「むぅ……では二人きりの時に、ですね」ニコッ 和父「……ほーぅ」 京太郎(和さーん!?なんで今そういうこと言う!?ご両親の前で言っていいの!?) 和母「あ、これ美味しいわね」 和「それ、私が作ったんですよ」 和母「腕上げたわね」 和父「これも中々だな」 和「それ、京太郎くんが作ったんですよ」 和父「……そうか……君が作ったのか」 京太郎「え、えぇ……まぁ」 和「京太郎くん、料理は私より上手で……この前も京太郎くんのおうちでご馳走になってしまいました」 京太郎(今言う!?それ今言っちゃう!?できれば今言っちゃ駄目なことだよね!?) 和父「彼の家で……ねぇ?」ギロッ 和母「いやー、和にこんないい彼氏さんができるなんて、嬉しいわねー」 和「いいんですか?父に送ってもらわなくて」 京太郎「まだそんな遅くないし、大丈夫だって」 京太郎(これ以上和父と同じ空間に居たら胃に穴が空きかねん。さっきもほとんど料理の味が分からなかったし) 和「……その、ごめんなさい」 京太郎「お、おい。なんで謝るんだよ」 和「京太郎くんのご両親が留守だったといえ、私の両親も一緒にクリスマスを過ごしてしまって……」 京太郎(あ、一応悪いって考えはあったんだな) 和「……久しぶりに、父と母も揃う日でしたし……京太郎くんとも居たかったので……」 京太郎「……いいって。和がそうしたかったんなら、そうしてやりたいし」 京太郎「それに……こんな形だけど、和とクリスマス過ごせて俺は嬉しかったし」 和「京太郎くん……」 京太郎「次こういうことになるなら事前に言ってくれよ?ちゃんと、親父さんとお袋さんの好みのもの作るからな?」 和「……はい。でも……」グイッ 京太郎「ちょ、引っ張って…」 和「つ、次は……2人きりがいいです……これは予約ということで……」チュッ 京太郎「……和、今……」 和「そ、それではおやすみなさい」 京太郎「あぁ、おやすみ、和」 和母「もう、そんな顔して。彼なら大丈夫じゃない?」 和父「ふん、どうだか」 和母「少なくともそこいらの男よりはいい男だったわよ?」 和父「……まぁ、それはそうだな」 和父「……だがまだ娘はやらん」 カンッ!!
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京太郎「特に用はないけど、売店まで来てみたぞ」 京太郎「お菓子でも買っていこうかな」 買えるもの 1.女性を落とす40の方法 1000円 2.プロ麻雀せんべい 100円 3.ポッキー 200円 4.たけのこの里 200円 5.きのこの山 200円 6.近藤さん 500円 7.プリン 200円 8.(自由) 京太郎「せんべい、ポッキー、たけのこ、きのこっと」ポイポイ 京太郎「こんくらいでいいか」 「お次のお客様ー」 京太郎「あ、はーい」 「えっと、おせんべいが一点、たけのこが一点、ポッキーが一点、きのこが一点……」 京太郎(可愛い店員さんだな、ちょっと日に焼けてるけど目が蒼くて綺麗で……外人さん?) 「……えっとぉ……」カァァ 京太郎「どうかしまし……えっ」 近藤「いつ使ってくれるん?」 京太郎「」 京太郎「ちょっと外に出てきてみたけど……」 ピュゥー 京太郎「秋ともあって寒いなー」ブルブル 良子「あー疲れたー」グデー 京太郎(良子さん?ベンチに寝転がってるけど) 京太郎(あのままじゃ……) 京太郎(スカートがめくれて……ぐふふ) 京太郎(よし、ダンボールを持って来よう) ダンボール「」ゴソゴソ ダンボール(ターゲット捕捉!風来を待たれたし!) ピュウー ダンボール(来たっ!) 良子「…………」 良子「京太郎?」ジトッ ダンボール「違う!俺は京太郎ではない!」 良子「その声は京太郎のボイス」 良子「そんなところで何してるの?」ジトッ ダンボール「え、えっと、これにはマリアナ海溝よりも深ーいわけが……」 良子「ふんっ」ゲシッ 良子「京太郎のエッチ!変態!ド変態!」ゲシッゲシッゲシッ ダンボール「痛い!痛いです!あ、でも見えそう!てかなんか気持ちいい!」 良子「ふんっ!」ゲシッ 京太郎「痛たたた、良子さんの蹴りはなんであんなに重いんだ?」 京太郎「傭兵だったとか聞いたことはあるけどさぁ……」 京太郎「ちょっと寝よ、15分くらい」 夕 京太郎「ちょっと小遣い稼ぎに行ってこよっかな」 おっさま「ほな今日も頑張ってな」 京太郎「あんまりいられないんですけどね」 おっさま「客寄せパンダとしては十分やで」 カランコロン おっさま「お客さんが来たみたいやから、接客よろしくなー」 京太郎「いらっしゃいませー」 洋榎「近場にこないなところあったんやなー」 絹恵「せやねー、って須賀くん!?」 洋榎「京太郎、何しとるん?」 京太郎「何ってバイトですよバイト」 洋榎「へー京太郎みたいなんも働けるんやなー」 京太郎「ナチュラルに酷くないですか?」 絹恵「せや!須賀くん、一緒に打たへん?」 京太郎「はい、別にいいですけど」 おっさま「せやったらワイも入らせてくれるか?」 洋榎「別にええでー」 絹恵「ちょっ、お姉ちゃん失礼やって」 おっさま「ええってええって、ほな始めよか」 結果 京太郎 43800 洋榎 20700 おっさま 17900 絹恵 17600 おっさま「ロン、3900や」 洋榎「三確て、何がしたいん?」 おっさま「須賀ちゃんが高いの和了りそうやったさかい、堪忍な、妹ちゃん」 絹恵「せっかく勝てると思うとったのにな、あはは」 京太郎「俺も……なんかすみません」 洋榎「なんかって何やねん、負けたウチらが悪いんや」 絹恵「せやね……あっ」 絹恵「せや、私ら須賀くん呼びに来たんやった」 京太郎「俺をですか?」 洋榎「あーせやせや、最終戦に向けた練習やって、まあ来るかどうかは自由やけど」 京太郎「ならメールとかで良かったんじゃ?」 洋榎「……せ、せやな」 夜 京太郎「懐も温まったしどっかいきたいけど……」 京太郎「やっぱり練習に行くべきだよな」 京太郎「最後の練習つってもすることないしな……」 京太郎「適当に空いてる人と話してみるか」テクテク 絹恵「はぁ……」ズーン 京太郎「なんでため息なんて吐いてるんですか?」 絹恵「ん、須賀くんか、何でもないで」 京太郎「そうなんっすか?」 京太郎(なんでもないようには見えないんだよなぁ) 京太郎(やっぱりさっきの雀荘のことなのか?) 京太郎(そうだとしても、俺が蒸し返してもな……) 絹恵(最近上重さんにも勝てるようにもなってきて、お姉ちゃんにも須賀くんにも勝てるかな、って思うとったけど) 絹恵(私……まだまだやな) 絹恵「……はぁ」 京太郎「そういえば、絹恵さんの胸って大きいよな……」ゴクリ 絹恵「へっ?」 京太郎「えっ?」 京太郎「……あっ」 絹恵「…………///」カァァ 京太郎「……その、すみません……」 絹恵「ほんまやで、須賀くんの……えっち」 京太郎「いや、つい口が滑ったというか、えっと……」モジモジ 絹恵(須賀くんも、前は私と同じやったんやんな……) 絹恵(せやから私を励まそうと……)※違います 絹恵(なんや、私がアホみたいやん) 絹恵「……ぷっ、あはははは!」 京太郎「ええっ!?どうしたんすか急に!」 絹恵「ううん、なんでもないなんでもない」 絹恵「須賀くんのおかげで元気出たわ、おおきに!」 京太郎「?」 絹恵「ほなまた頑張って来るわー!」 京太郎「??」 京太郎「何だったんだ一体」 「ロン」 「ツモ」 「ロン」 絹恵「あぅぅ」 絹恵「全っ然勝てへん……」 京太郎「でしたら俺が力になりましょうか?」 絹恵「また須賀くんかぁ」 京太郎「また、って何ですかまたって」 絹恵「その提案は嬉しいんやけど……悪ぅない?」 京太郎「俺が一番暇ですからね、なんでもござれですよ」 絹恵「ほんまにええの?」 京太郎「もちろんです!」 絹恵「んー……せやったら、お願いしよっかな」 京太郎「じゃああそこの卓で打ってみましょうか」 絹恵「うん、よろしくな!」 絹恵「流局やね」 絹恵「ツモ……えっと、2000オールやったっけ?」 絹恵「あ、親流れてしもた」 京太郎「絹恵さんって普通に上手くないですか?」 絹恵「お姉ちゃんとかお母さんに比べたらまだまだやって」 京太郎「絹恵さん、洋榎さんとか監督とかと相対比較してたって疲れるだけですよ?」 絹恵「あはは、浩ちゃんと同じこと言っとるわ」 京太郎「でも絹恵さんって中学までサッカー一筋だったんでしょう?それでインターハイまで出たんだから十分凄いですって」 絹恵「そういう京太郎くんやって今までそういう大会出とらんかったらしいやん、そっちこそ凄いと思うで」 京太郎「いやいや絹恵さんこそ」 絹恵「いやいや京太郎くんこそ」 京絹「「ぷっ」」 京絹「「あはははははは!」」 京太郎(……ん?京太郎くん?) 【二日目】終 【三日目】 チュンチュン 京太郎「もう朝か……なんか胸のあたりがきついな」 洋榎「むへへ……ウチも大きくなったで……」ギュゥ 京太郎「なんで洋榎さんが俺の布団の中にいるんだ?」 京太郎「それに背中になんかポチポチ当たってるのがあるし」 洋榎「むにゃむにゃ……」ギューッ 京太郎「……まあいっか」 京太郎「どんな夢見てんだろ」 京太郎「することもないし洋榎さんと何かするか」 洋榎「どやーおっぱいミサイルー……むへへ……」 京太郎「つってもこの調子だからな……」 京太郎「いや、どうせだからイタズラでもしてみよっかな?」 京太郎「うむむ、どうしよう」 洋榎「きぬぅ~……」ギュゥ 京太郎「この状況はあれだ、昔照たちと寝たときみたいな感じだ」 京太郎「そう思うと何かしたくなるな……」 京太郎「洋榎さんって背はあんまり高くないし、胸も足りないけど、可愛いよな」 京太郎「…………」 京太郎「そうだ、ひたすらからかってみよう」 洋榎「ん……」 洋榎(朝?) 洋榎(でもまだ寝てたいな……布団も気持ちええし、抱き枕やって……ん?) 洋榎(ウチ、抱き枕なんか持っとったっけ) 京太郎「洋榎、可愛いよ」 洋榎「へっ?」 京太郎「ポニーテールもジト目も元気なところも可愛い」 京太郎「愛してるよ」イケメンヴォイス 洋榎「な!なんやいきなり!///」ガバッ 京太郎「もう起きちゃったんですか、これからたっぷり話そうと思ってたのに」 洋榎「う、うっさいわアホ!」カァァ 京太郎「ああ、そうやって顔赤くするのも可愛いです、実にいいです」 洋榎「何なんやもう……」 京太郎「洋榎」 洋榎「さっきからなんで呼び捨てなんや!」 京太郎「洋榎、好きだ」キリッ 洋榎「あぅ……ぁぅ……」プシュー 京太郎(勝った!任務成功だ!) 京太郎(あとはネタばらしをして……) 洋榎「……う、ウチも、京太郎が、そこまで言うんやったら……その……///」ゴニョゴニョ 洋榎「って何言わすんやアホ!」 京太郎(あ、マジで可愛いかも) 京太郎「暇なのでジェンガしましょうジェンガ!」 洋榎「別にええけど」プイッ 京太郎「もうそろそろ機嫌直してくださいよー」 洋榎「誰のせいや、ったく」 京太郎「だからずっと謝ってるじゃないっすかー」 洋榎「京太郎のアホ」ボソッ 京太郎「あーはいはい、じゃあこうしましょう」 京太郎「ジェンガで勝った方が負けた方を自由にできる、これで洋榎さんが俺に勝てば煮るなり焼くなり好きにすればいいですよ」 洋榎「う……それは……」 京太郎「あれ?怖気づいたんですか?天下の洋榎さんともあろうお方が?」 洋榎「ふん!ええわ!やったるわ!後で半べそかいても知らんからな!」 京太郎「それじゃあ準備しましょうか」 京太郎「この俺が……負け、た……?」 洋榎「ほな言いだしっぺの京太郎にはウチの足をマッサージしてもらおかなー」 京太郎「脚ですか?」 洋榎「ウチよく走っとるやろ?せやから疲れるんや」 京太郎「ああ、控室に帰ってくるときとかいつもそうですもんね」 洋榎「へーよう見とるやん」 京太郎「ケガしないかどうか心配なので」 洋榎「なんやそれ、ウチが子供みたいやん」ブー 京太郎「実際そうじゃないですか」 洋榎「何やとー!」 京太郎(足って言われても、どこをやればいいんだ?) 京太郎「じゃあさっさとやっちゃいますね」 京太郎(短めの寝巻でよかった)モミッ 洋榎「んぁっ!ど、どこ揉んどるんや!」 京太郎「どこ、って脚ですよ脚」 洋榎「足言うたら普通足の裏とかや、んっ、ろ!」 京太郎「足も脚も耳で聞いてわかるわけないじゃないですか、洋榎さんの自爆ですよ」モミモミ 洋榎「くすぐったいから、やめぇ……」 京太郎「嫌ですよこんなにスベスベで気持ちいいのに」 洋榎「すべすべ……ウチが?」 京太郎「また洋榎さんの良いとこ見つけちゃいましたね」 洋榎「あ、あれは冗談やろ?」 京太郎「洋榎さんが可愛いのは事実ですよ?」 洋榎「ほぇ?」 京太郎「じゃあマッサージやってる間に順々に挙げていきましょうか」 洋榎「は、恥ずかしいからやめてぇ!」 ――――――――――――――――――― 京太郎「はい、終わりです」 洋榎「おおきに……」プシュー えり「やって参りました、国民麻雀大会地区選抜団体戦三日目」 えり「実況は私、針生が、解説は大沼プロがお送りいたします」 秋一郎「…………」 えり「大沼プロ、何か一言、どうぞ」 秋一郎「…………」 えり「えーっと……」 えり「それでは各地区の紹介です」 秋一郎(何なんだこれは) 秋一郎(今年に入って鹿児島選抜の解説では女子アナウンサーと組み) 秋一郎(この大会では生娘たちの世話を見て) 秋一郎(挙句の果てにまたアナウンサーと組んで決勝戦の解説とは……) 秋一郎(まあ憧れの福与アナじゃないだけよかったか) 171 名前: ◆r05KxLrr0E[] 投稿日:2013/04/14(日) 18 22 05.46 ID bNhMmQbko [11/29] トシ「みんな、準備はいいかい?」 豊音「もちろんです!」 塞「トヨネ、いつになく張り切ってるね」 豊音「だって、みんなとまた戦えるんだもん!」 胡桃「いやーそれにしても東北選抜をあたしらがほぼ独占しちゃうなんてね」 トシ「私らと有珠山くらいしかいい成績を残せてなかったからねぇ」 白望「そろそろ試合……だる」 塞「まあまあそう言わないの、私だって結構疲れるんだから」 トシ「そろそろ時間だね、行ってきな」 塞「はい!」 穏乃「いつも通り頑張ってください!」 灼「ファイト」 玄「頑張るのです!」 宥「うん、お任せあれ!なんちゃって」 晴絵(大星淡に荒川憩、か) 晴絵(頑張れよ、宥!) 淡「今日もぽんぽん取って来るよ!」 菫「油断はするなよ」 淡「わかってるわかってるー」 智葉「本当にわかってるのか?」 淡「まあいざとなればテルもいるわけだしね!」 照「お菓子、いる?」 淡「あー!ありがと!」 照「霜崎さんも」 絃「ありがとうございます」ペリッ 絃「…………砕け散ってる」 憩「今日は勝ってくるさかい、待っとってな!」 洋榎「またウチが取り返すんやから別にええでー」 咏「うっはー、すんげえ自信だねぃ」 怜「私らも頑張らへんとな」 郁乃「せやで~憩ちゃんファイト~」 憩「ほな行ってきますーぅ!」 172 名前: ◆r05KxLrr0E[] 投稿日:2013/04/14(日) 18 31 09.45 ID bNhMmQbko [12/29] 憩(ウチが一番乗りか……) 宥「あったかくない……」ガクガク 塞「あっ、もう席決め始めてます?」 憩「まだですよ、先どうぞ」 塞「どうもすみません、それじゃあこれかな!」 宥「じゃ、じゃ「あーっはっはっは!」」 淡「んっふー、チミたち早いねえ感心感心」 淡「今日も大星淡ちゃんが大勝しちゃうんだから!」 塞「あっ、はい」 宥「北……あったかくない」 憩(いいように流されとるなー) 東一局 淡 100000 憩 100000 塞 100000 宥 100000 憩(淡ちゃんにリードさせたらまた好き勝手にやられる!) 憩(そうはさせへん!)ピキィィン! 憩「リーチ!」 【孔穿つ閃光】発動! 塞「!」ゾクッ 塞(東一局で出しちゃうかーそれをー) 塞(まあ私も負けられないから) 塞(塞ぐよ!)カッ 【幻想塞ぎ】発動! 【孔穿つ閃光】の効果が書き換えられます 憩(全然来る気配がしいひん……どういうことや) 憩(何かに道を遮られてるみたいな) 憩(ウチを誰かが邪魔してる……みたい) 憩(何なんや一体!)トン 淡「ロン、3900」 憩「う……」 塞(何これ、きっつい……) 【孔穿つ閃光】を発動したため、憩の聴牌判定と和了判定が下がった! 【幻想塞ぎ】を発動したため、塞の雀力が下がった! 東一局一本場 淡 104900 憩 95100 塞 100000 宥 100000 (3900+供託棒一本) 淡「ツモ、1100オール」 塞(他の人が聴牌に向かってる間に和了ってるってさ……) 塞(ちょっとずるいよそれ) 宥(あったかくない……) 憩(くっ……) 淡「連荘連荘~♪」 東一局二本場 淡 108200 憩 94000 塞 98900 宥 98900 憩(このまま三連荘なんてさせへん!) 憩(もう一回や!) 憩「リーチ!」ピキィィン! 塞(荒川さん、また使うんだ……) 塞(でもこのまま行くよりさっさと流すべきだよね) 塞(んじゃ、いっか) 【孔穿つ閃光】発動! 憩「嶺上ツモ、リーチ一発の責任払いの8000は8600」 えり「荒川選手はリーチをかけると特殊な役が付くことが多いですね」 秋一郎「…………」 秋一郎(確かに、リーチの後は一発ないしは裏、海底などおかしな役ばかりだ) 秋一郎(天江衣や神代小蒔と比べると火力は劣る、だが彼女らとは何か本質が違う) 秋一郎(彼女から和了った者はその力を出せなくなり、彼女に和了られた者はツキを失う) 秋一郎(天江衣たちが牌を支配しているというのなら、彼女はまるで対戦相手を支配しているよう……) 秋一郎(って何を考えているんだ儂は) えり(何を考えているんだろう) 東二局 淡 108200 親 憩 102600 塞 98900 宥 90300 全員ノーテンのため、流局 淡(まだまだ大丈夫だよね、減らされてないし) 憩(このまんまやと親流れてまう……) 塞(後何回行けるかな……) 宥(あったかい牌、来ない……) 東三局一本場 淡 108200 憩 102600 親 塞 98900 宥 90300 塞(大星さんにも荒川さんにも動きは見られないね) 塞(勝負は南場かな) 塞(よっし、これでテンパイ)トン 憩「ロン、3900は4200」 塞「うっわーい……」ガクッ 東四局 淡 108200 憩 106800 塞 94700 親 宥 90300 全員ノーテンのため、流局 宥(玄ちゃん……私、全然だめだよぉ……) 憩(六向聴はやっぱりきついって……) 塞(また流局かー) 塞(ま、誰かが大きいの和了るよりは十分マシなんだけどさ) 淡(出そっかなー、どうしよっかなー)ウムム 南一局一本場 淡 108200 憩 106800 塞 94700 親 宥 90300 宥(あったかい牌はそれなりに来てる……) 宥(でもぉ、全然聴牌できないよぉ……)トン 憩「ロン、2600は2900」 宥(あうぅぅ……) 憩(このまま安定でいったる!) 淡(ケイがまた頑張ってるね♪) 淡(でもまだまだ!) 南二局 淡 108200 親 憩 109700 塞 94700 宥 87400 宥(また手が進まないよ……) 淡「ポン」 塞(なーんかやばそうな感じ) 淡「来た来た!カン!」スチャ 淡「む~嶺上ならずか~」トン 憩(親やからテンパイしたいんやけどな……) 淡「あっ、ツモ!2000・4000」 塞(……もうやるか) 【幻想塞ぎ】発動! 南三局 淡 116200 憩 105700 親 塞 92700 宥 85400 塞(荒川さんが高そうな感じ) 塞(私はテンパイできてないからそっちは任せて、こっちは……っ!)カッ! 淡「!?」 淡(何……?) 淡(手が、全然進んでない!) 淡(だったら鳴けばいいもんね!) 淡「ポン!」 淡(このまんま勝ち越しだよ!)トン 憩「ロン、12000」 淡「なっ……」 塞(よし、あと一回!)カッ! 【幻想塞ぎ】発動! オーラス 淡 104200 憩 117700 塞 92700 親 宥 85400 憩(ほな、行かせてもらおか!)キィィィン! 憩「リーチ!」 塞(んーやっぱりテンパイしてくるかァ) 塞(まぁ、抑えてあげるよ) 【孔穿つ閃光】発動! 【幻想塞ぎ】により効果が書き換えられます 憩(ムダヅモばっか……他の人たちがテンパイしとらんからええけど) 憩(ようやく、ウチがみんなの役に立てるんや) 憩(ここは、もっと粘る!) 塞(ダメだ、このままじゃ塞げない) 塞(誰も和了れなかったのに) 塞(一体、何が……?) 憩(海底、か) 憩(上出来や!) 憩「ツモ、700・1300」 宥「あ……終わっちゃった……」 塞「もー疲れたー」 淡「次こそは負けないんだからねっ!」 憩「お疲れ様でしたー」 塞(役目は果たせたからいっか) 宥「玄ちゃん、ごめんね……」 終局 大阪 120400 (+20400) 関東 103500 (+3500) 東北 92000 (-8000) 関西 84100 (-15900) 京太郎「憩さん、大活躍でしたね」 雅枝「このままいけばええんやけどな、次も頼んだで」 咏「うぃーっす」 京太郎「緊張感ねえな」 咏「まー気負ったところで意味ねーかんな」 京太郎「そんなもんなのか?」 咏「んじゃ、行ってくるわ」 京太郎「俺もついでに売店でも行ってくるか」 宥(控室に帰ったら……) 晴絵『あっはっは!宥がここまで役立たずだったとはなぁ!』 はやり『流石にないわ……』 玄『お姉ちゃん、見損ないました』 穏乃『何やってるんですか、ふざけないでくださいよ』 灼『……誰?』 宥「はわわわわわ」 宥「もう帰れないよぉ……」グスッ 京太郎「松実……さん?」 宥「!」ビクッ 宥「は、はいぃ」ウルウル 京太郎「そんなところで何うずくまってるんですか?」 宥「みんながこわくてぇ……」ナミダメ 京太郎(守ってあげたい、なにこの可愛い人) 宥「私、点棒いっぱい取られちゃったから……」 京太郎「ああ、なんだそういうことですか」 宥「ふぇぇぇん」 京太郎「大丈夫っすよ、皆さん優しいじゃないですか」 宥「でも、でもぉ……ひくっ」 京太郎「じゃあ落ち着くまで俺が傍にいます、控室まで送りますよ」 宥「ひぐっ、ひぐっ」 京太郎「顔がぐじゅぐじゅですよ、これで拭いてください」 宥「うん、うん……」 京太郎「そろそろ試合始まりますから、行きましょうか」 宥「……うん」 京太郎(世話の焼ける姉ってこんな感じなのかな) 京太郎(……照もそうか) 玄(お姉ちゃんが取られた分は私が!)フンスッ 咏「ドラローが相手かよぉ……」 胡桃「早く座るそこ!」 菫「今日も勝たせてもらおうか」 咏「はっ、同じ相手に負けるかよばーかばーか」 玄「一日目に大失点したのに何言ってるんですか?」 菫「うぐっ」 胡桃「まあ私も負けないからそこんとこヨロシク!」 咏=68+128+45=241 菫=7+124+30=161 玄=13+112+15=140 胡桃=70+124+15=209 次鋒戦終了 大阪 148400 (+28000) 関東 89600 (-13900) 東北 103000 (+11000) 関西 59000 (-25100) 玄(なるべく大きい手で和了らないと!)トン 胡桃「ロン、12000!」 菫「んなっ……!」 咏(いつの間に張ってたんだこのチビ……) 玄(今度こそ!) 咏(ドラ無しでも、清一色は作れんだよ!) 咏(読まれててもツモればいいだけ!) 咏「ツモ、3000・6000」 菫(松実玄……狙わせてもらう!)トン 胡桃「ロン、6400!」 胡桃「まだまだ行くよ!」 菫「」チーン 玄「」チーン 咏(こんぐらい稼げば充分だろ) 胡桃(次が勝負だね!) 絹恵「お姉ちゃん、頑張ってな!」 雅枝「お前なら大丈夫やろ」 浩子「はいはいガンバ~」 洋榎「うっし、ほな行ってくるわ!」ダダダダダダダ 洋榎「ばばーん!愛宕洋榎登場!」キキィィィィイイ 智葉「相変わらず五月蝿いやつだな」 洋榎「なんやとこのツンツンメガネ!」 まこ「まあまあ、二人とも落ち着きんさい」 洋榎「うっさいわワカメガネ!」 まこ「ワ、ワカ……」 藍子「ささっ、席へどーぞどーぞ」 洋榎「なんや次はグルグルメガネかいな」 藍子「グルグル……ねぇ」 洋榎「なんでメガネばっかなんや?」 藍子(さてさて、見せてもらいましょうかね) 藍子(どれだけ頑張れるかな!)グルグルグル 洋榎(なんやこれ) 洋榎(手が進まへん) 智葉「リーチ」 洋榎(しゃあない、オリよ)トン 洋榎「……」スチャ 洋榎(手が進んだ?) 洋榎(なんでオリようとしたんに……)トン 智葉「それだ、ロン」 結果 洋榎=10+132+15=157 智葉=73+132+15=220 まこ=48+124-15=157 藍子=27+124+30=181 中堅戦終了 大阪 135700 (-12700) 関東 113200 (+23600) 東北 104700 (+1700) 関西 46400 (-12600) 怜「愛宕さん、凹んでもうたな」 雅枝「今までが順調すぎたんや、無理はせんようにな」 竜華「頑張ってな、怜!」 怜「うん、竜華の分まで頑張って来るわ」 セーラ「あっはっは、それやと竜華が死んでもうたみたいやん」 灼(このままだと、いくら穏乃でも無理) 灼(もう、負けられない)ギュッ 怜(このまま稼いで渡す、それだけやな) 絃(あら、この二人少しそっくりさん?) 白望(胡桃もいたら面白そうだなぁ……) 絃「…………」ヒョォォォオ 怜(この人と打ってると、テンパイできひん未来しか見えへん) 怜(せやけど、私やっていつも同じってわけやない!) 怜「ポン」 怜(未来は無理やり切り開く!) 灼(まだだ、まだ勝てる) 灼(諦めたら終わりなんだ!) 灼「リーチ」 白望(このままいくと、豊音がだるい) 白望(でもこの手じゃなぁ……) 白望(穏便に行こう) 結果 怜=81+121+15=217 絃=34+128+30=192 灼=51+124+15=190 白望=7+128+30=165 副将戦終了 大阪 149300 (+13600) 関東 113700 (+500) 東北 91100 (-13600) 関西 45900 (-500) えり「副将戦決着」 えり「現在トップは依然大阪選抜」 えり「後ろを負うのは三万点差の関東選抜」 えり「そして五万点差と大きく離された東北選抜」 えり「十万点差をつけられた関西選抜はもう、ダメなのでしょうか」 秋一郎「…………」 秋一郎「……いや」 秋一郎「勝負は最後まで楽しむのが勝負、諦めるには早すぎる」ボソボソ 秋一郎「まだ望みはある」ボソッ えり「は、はぁ」 えり(声が小さくて聞き取れなかった……) えり「それでは各チーム大将選手の紹介です」 善野「これで、良かったんか」 郁乃「うん、私はこれでええ」 郁乃「みんなが期待してくれてるんや、私が姫松の元監督とも知らへんで」 郁乃「せやから私はそれに応える」 善野「ふふっ、昔から変わらへんなぁ」 郁乃「その昔の私が今の私なんやけどな~」 善野「せやったね、っとここまでか」 郁乃「送ってれてありがとな」 善野「いつものことやろ、ほな頑張ってき」 郁乃「また後でな~」フリフリ 照「……郁乃」 郁乃「試合のときは郁代やで~」 照「今日も負けないから」 郁乃「私やって負けてられへんよ~」 穏乃「あ、宮永さんお久しぶりです!」 照「高鴨さん、今日もよろしくね」 穏乃「はい!よろしくお願いします!」 豊音「うんうん、やっぱり壮観だよー」 豊音「個人戦一位と三位の宮永さんに高鴨さん!それに団体戦でちょー頑張ってた赤阪さん!」 豊音「よろしくお願いしますっ!」 東一局 郁乃 149300 照 113700 豊音 91100 穏乃 45900 豊音(宮永さんは東一局は和了らないんだよねー) 豊音(それならまずは温存するよー) 郁乃「ポン」 穏乃(一巡目ポン?) 豊音(んんっ?) 豊音(なんだか調子がいいよーな?) 豊音(まあそれはそれでいいことだよねー) 豊音「ツモ、4000・8000」 穏乃「うっわ……」 穏乃(早速持って行かれたぁ……) 照「…………」 東二局 郁乃 141300 親 照 109700 豊音 107100 穏乃 41900 豊音(……よし) 【友引】発動! 豊音「ポン」 豊音「ポン」 豊音「チー」 照(…………) 照(また裸単騎) 豊音「ポン!」 照(……でも) 豊音(これで私の和了りだね!)トン 照「ロン、2000」 照「……連荘」 東二局一本場 郁乃 141300 親 照 111700 豊音 105100 穏乃 41900 豊音(前は確か……これでいいはず) 【先勝】発動! 穏乃(配牌一向聴!白發の刻子もあるし) 穏乃(……ここは突き進む!) 照「…………」 穏乃(よしよし、テンパイまで来た!) 穏乃(カン……できるかな) 照(テンパイ……これで)トン 穏乃(来た!) 穏乃「カン!」 穏乃「うおおっ!嶺上ツモ!責任払いで8000は8300!」 照(何……) 豊音(宮永さんがたった一回で止まったよー!) 郁乃(う~ん、これはちょーっと予想外やったな) 東三局 郁乃 141300 照 103400 豊音 105100 穏乃 50200 豊音(親だし攻めていくよー!) 【友引】【赤口】発動! 郁乃(このままやとまた照ちゃんが和了り続けてまうから……) 郁乃「チー」 郁乃(安手で流してみよか~) 穏乃(ここで逆転してみせる!)トン 郁乃「……ロン、2600」 東四局 郁乃 143900 照 103400 豊音 105100 親 穏乃 47600 えり「三位に転落してしまった関東選抜宮永照、果たしてどのように巻き返すのでしょうか」 秋一郎(この点差……今回は見れるようだな) 秋一郎(個人戦決勝卓にだけ見せたあの業) 秋一郎(実に楽しみだ) 照「ツモ、400・800」 照(これで300点差) 照(……高鴨さんが危険だけど、いつも通り) 南一局 親 郁乃 143500 照 105000 豊音 104700 穏乃 46800 照「ロン、2000」 照(……ようやく連続) 照(流石に時間をかけすぎたか) 穏乃「…………」 照(厄介になってきた) 穏乃(今日は調子がいい、ツキがある!) 穏乃(こっからが勝負!)ゴッ 【斉天大聖】発動! 南二局 郁乃 143500 親 照 107000 豊音 104700 穏乃 44800 照「ツモ、2000オール」 穏乃(また、和了られた……) 豊音(やっぱりちょー強いよー) 郁乃(これが照ちゃんの強さ、か) 照(…………) 照(時期尚早かもしれない) 照(でも、やってみるか) 【鏡開き】発動! この局のみ【人形劇】【身代わりの幻影】【六曜】が発動できなくなりました! 南二局一本場 郁乃 141500 親 照 113000 豊音 102700 穏乃 42800 ビキィッ! 郁乃(……なんやこの感じ) 郁乃(小鍛治プロほどやないけど、嫌な感じやな……) 穏乃(何かが……) 豊音(これって……宮永さん?) えり「配牌時で国士無双一向聴!?」 秋一郎(宮永姉妹の得意技は共に点数調整) 秋一郎(妹はプラマイゼロを得意としている、と聞いたことがある) 秋一郎(そして姉は点数上昇) 秋一郎(まるで牌のありかをわかっているかのよう) 秋一郎(……彼女らの目には一体何が映っているんだ) 九19①⑨東南西北白發中 照(……国士無双) 照(私が初めて和了った役満) 照(いつからか、ヤオ九牌が見えるようになっていた) 照(ヤオ九牌が私に集まるようになった) 照(これは、点数調整には使いやすい力) 照(なぜ、力なんてものがあるのか) 照(なぜ、私は抗えないのか) 照(だから、こうして――) 照「ロン、48300」 豊音「わ……」 郁乃「え……っ」 穏乃「なっ、た、たった三巡目で!」 照(希望を打ち砕いてしまう) 南二局二本場 郁乃 93200 親 照 161300 豊音 102700 穏乃 42800 豊音(他力本願だけど二位浮上) 豊音(点差は少しでも詰める!) 【先勝】発動! 同コンマのため、流局 照(もちろん利用することもあった) 照(個人戦の決勝だってそうだった) 照(負けたくなかったから) 照(京と咲とモモが見ていると思ったから) 照(私もずいぶんと調子がいい人間だ) 南二局三本場 郁乃 93200 親 照 161300 豊音 102700 穏乃 42800 豊音(うーん、ダメだったかー……) 豊音(でもでも!まだまだ諦めないよー) 【先負】発動! 豊音(うーん?全然テンパイできない?) 照(……) 照(手が進まなくなってきた) 照(これは、多分……) 穏乃「ツモ、4300・8300」 南三局 郁乃 88900 照 153000 親 豊音 98400 穏乃 59700 豊音(大安は最後まで取っておくとして) 豊音(今回は……!) 【友引】【赤口】発動! 照「ツモ、400・800」 照(高鴨さんも姉帯さんも役満直撃でしか私には追いつけない) 照(郁乃さんは、高鴨さん次第か) オーラス 郁乃 88500 照 154600 豊音 97600 親 穏乃 59300 豊音(もう、ダメかもしれない) 豊音(――だけど) 豊音(まだ続けたいので頑張るよー) 豊音(さて、どこまで行けるかな) 【大安】発動! 穏乃(聴牌、今は宮永さんとの点差を縮める) 穏乃(そう簡単には終わらせない!) 照(……これ、は) 照(掴まされた?) 照(いや、だったらこっちを諦めて……)トン 穏乃「ロン、12000」 オーラス一本場 郁乃 88500 照 142600 豊音 97600 親 穏乃 71300 照(……)スチャ 照(高鴨さんの支配があまり効いていない) 照(それに姉帯さんも郁乃さんも和了れないみたい) 照(ここで、終わりか)トン 豊音(うぅぅ、全然ダメだよー!) 豊音(一回も和了れてないし……) 豊音(みんな、ごめんね)トン 穏乃(うー……ん)スチャ 穏乃(なんも来ないなー) 穏乃(逆転できるかも!って思ったけどさ、やっぱり勝てっこなかったのかな) 穏乃(違う違う!)ブンブン 穏乃(こんなん私らしくない!負けても私らしくするんだ!) 穏乃(最後まで突き進む!)トン 郁乃(……これ、照ちゃんの和了り牌か) 郁乃(テンパイできたのはええんやけどな……) 郁乃(結局、照ちゃんには敵わんかったな) 郁乃(おまけに三位転落) 郁乃(善野ちゃんに言っとったことが恥ずかしいわ) 郁乃(悪あがきはせえへん、この一打で終わりや) 郁乃(私は前へ進む) 郁乃(小さくなっても、何があっても) 郁乃(……楽しかったな)トン 照「…………」 照「ロン、1000は1300」 郁乃「…………」 郁乃(やっぱり、か)グスッ 郁乃(あれ、なんで目が熱いんやろ) 郁乃(こんなん違うやろ、私は……) 郁乃(もっと――) 穏乃「あ、赤阪さん?」 郁乃「…………うん」チャラッ 郁乃(――笑っとらんとな) 郁乃「これで終わりやな」ニコッ ――――国民麻雀大会―――― ―――地区選抜団体戦終了――― 一位 関東 143900 (+30200) 二位 東北 97600 (+6500) 三位 大阪 87200 (-62100) 四位 関西 71300 (+25400)
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――教室―― 京太郎「ハーレムだぁ?」 モブ男1「だってそうだろ?女子5人に男子一人とか、これをハーレムと呼ばず何と呼ぶんだ?」 モブ男2「しかもあの巨乳美人原村さんに、陰で評判の学生議会会長。ほかの部員もかわいいじゃんか」 モブ男1「うらやましすぎだろお前」 京太郎「ハァ……」 モブ男2「なんだよ」 京太郎「いや、お前たちは何も分かってないんだなぁと思っただけだよ……」 モブ男1「何がだよ。どっから見ても勝ち組だろお前」 京太郎「……そろそろ部活の時間だから行くわ。じゃあな」 モブ男2「尻に敷かれたりしてんのかな、アイツ」 モブ男1「あぁ、そう言えば部の中じゃ一番麻雀弱いらしいな。雑用係でもやらされてるんかな」 モブ男2「それにしたって恵まれてるだろ」 モブ男1「全くだ」 京太郎(あいつらは全く何も分かっちゃいない) 京太郎(確かに俺が麻雀部にいるのは女の子が目的ではある) 京太郎(しかし、しかしだ、麻雀部は俺にとってのハーレムなどでは断じてない) 京太郎(そもそも俺があの中の誰かとくっつくということすら万死に値するタブー) 京太郎(俺は唯の観察者でなくてはならない) 京太郎(そう、百合の花を愛でる1人の百合男子として!) 京太郎「すいません、遅れました」ガチャ 優希「遅い! 犬としての自覚が足りてないじぇ!」 京太郎「自覚も何も、俺は犬じゃないからな」 優希「何を寝ぼけたことを。お前は私専属のタコス犬だじぇ!」 京太郎「タコス犬って、お前……」 和(バター犬の仲間のように聞こえます……) まこ「まだ部長も来とらんけぇ、大丈夫じゃ」 咲「今から麻雀やるつもりだったんだけど、京ちゃんもやる?」 京太郎「いや、俺はネット麻雀してるからいいよ。それに全国に出るやつが優先的に打った方が良いだろ」 優希「調教の効果が出てきたみたいだな。自分の立場を良くわきまえてるじぇ」 和「ゆーき、須賀君の気遣いにそんな事を言ってはいけません」 咲「じゃあお言葉に甘えて、さっそく4人で始めようか」 京太郎(そう、俺が麻雀部に入った理由……それは女子たちが育む百合の花を愛でるため) 京太郎(始めは和に目をひかれていた。あんな可憐な少女こそ女の子とくっつけば良いのにと。が、和と絡む優希を見て確信した) 京太郎(俺の青春の全てはあそこにある、と) 京太郎(人数が少ないために出来上がるカプの種類は多く無い) 京太郎(しかしそれでも不純物(男)無しで美少女達が集まっている空間が何ものにも代えがたい楽園であることに変わりは無い) 京太郎(それに何より、麻雀部に入ってからは数々の嬉しい誤算があった) 京太郎(その一つが……) 和「しかし、やるべきことはきちんとやっているはずなのに、全国が近付いてくるにつれてやっぱり不安になってきますね……」 咲「大丈夫だよ!原村さんが頑張ってるのは確かだし、それに原村さんの強さは私たちが一番よく知ってる」 咲「だから自信を持って!一緒に優勝目指そうよ!」 和「宮永さん……」ポッ 京太郎(こ れ だ !) 京太郎(始めはカプの組み合わせが増えれば重畳、くらいに思って咲を無理やり誘ったわけだが) 京太郎(それによって和が覚醒することになろうとは!) 京太郎(まさかの原村和ガチ百合ルート!) 京太郎(俺はこのときほど咲と幼馴染で良かったと思ったことは無い!!) 京太郎(ありがとう咲!俺の人生の中で、お前は今が一番輝いて見える!) 京太郎(ちなみに、のど咲よりも咲のどの方が萌え度は高い) 京太郎(確かに百合における積極性もといガチ百合度は一見すると和の方が高いように見える) 京太郎(しかし和はお嬢様育ち。そして恐らく恋愛自体今まで経験がなかったに違いない) 京太郎(そんな彼女はある少女と衝撃的な出会いをした) 京太郎(始めは強い拒否感を示しながらも、徐々に打ち解け、今では同じ部で共に全国大会優勝を目指す仲間に) 京太郎(しかし彼女の中には友情だけでは説明できない感情が生まれてはじめていた) 京太郎(しかし恋愛経験のない和にはそれが何を意味するのかが分からない) 京太郎(そもそも箱入りに近い環境で育った彼女には同性間に恋愛感情が発生するということが分からない) 京太郎(悶々としながら日々を過ごす和。しかし咲は気づいていた。和が自分に惹かれていることに! 京太郎(自分の気持ちに名前を付けることが出来ないでいる和を煽るように、彼女に対してさりげなく) 京太郎(しかし確かなアプローチを続ける咲) 京太郎(やがて和は原因不明の感情を抑えることが出来ず、先に対して溢れる涙と共に感情を爆発させる) 京太郎(自分で何を言っているのか分からない和を咲はそっと抱き締め、愛の言葉を囁く) 京太郎(その時初めて、自らの感情が本来同性間に存在してはいけないものだと知る和。狼狽する和を咲はやさしくなだめる) 京太郎(自らに強い執着心を抱きながら、それを制御できずにいる和への愛しさが溢れ、咲は和をゆっくりと押し倒した……) 京太郎(和に対して友情以上の感情を持ち合わせていなさそうな咲が) 京太郎(実のところ心の中では舌なめずりをしている状況だというのがこのカプの醍醐味) 京太郎(相手の好意を知りながらその気持ちを持てあそぶ) 京太郎(すばらしい!) 京太郎(普段の行動から素直に和咲というのも確かに良いが、やはりこちらの方が刺激的だ) 京太郎(咲の温厚な性格からは考えられない黒い一面――小悪魔要素というスパイスを加えることで味わいが増す) 京太郎(ここまで実りあるカプはめったにお目にかかれなかった) 京太郎(そう、長野の地区予選までは……) 久「ごめんね、遅れちゃった」 まこ「おう、お疲れ様」 久「さて、みんなに話があるんだけど、ちょっと良いかしら?」 咲「なんですか?」 久「実は今度、県予選決勝に出た四校で合同合宿を開こうと思ってるの」 まこ「ほぉ……」 和「それはまた、大きな催しですね」 久「龍門渕と風越は文句なしの全国クラスだし、それと渡り合った鶴賀もかなりの実力がある」 久「私たちにとって練習になるというのもあるけど、個人戦で全国に出場する風越」 久「それと来年も大会に出る他の1、2年生にとっても悪い話ではないはずよ」 久「今はまだ参加の意思を確認している段階だけど、もしみんなが参加してくれるようなら、全国前のこれ以上ない訓練になるわ」 久「ということで、それに備えていろいろと準備があるから、しばらく私は部活にちょっと顔を出すだけになると思うの」 久「みんなの方でも練習メニューなんかに関して何か思いついたことがあったら、何でもいいから言ってちょうだい」 優希「龍門渕も参加するということは、あのタコス泥棒も参加するってこと……」 優希「ふっふっふ……早くも復讐の機会が訪れたようだじぇ!」 咲「あはは、復讐っていうのはともかく、またあの人たちと打てるって言うのは嬉しいな」 和「ええ、私も楽しみです。皆さん手強い相手になりそうですから」 京太郎(き…………) 京太郎(きたああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!) 京太郎(4校揃って合同合宿!!) 京太郎(県予選決勝戦で熱い戦いが繰り広げられたことは記憶に新しい) 京太郎(しかし、俺にとっては麻雀以外の面でも非常に熱い大会だった) 京太郎(まずは風越!) 京太郎(キャプテンの福路さんが部長に向けていた眼差し……) 京太郎(あれは間違いなく恋する乙女のそれだった!) 京太郎(しかしそのキャプテン自身が、名門風越の中でのアイドル的存在だった!) 京太郎(少し垣間見ただけでもわかる、あの包み込むような慈愛のオーラ) 京太郎(レギュラーメンバーに対する気遣いから普段の彼女の行動は容易に想像できる) 京太郎(そしてその優しさによって、部員たちは皆キャプテンに対して圧倒的な信頼と好意を抱くことになる) 京太郎(しかしそのキャプテンが想いを寄せていたのは、よりにも寄ってライバル校である清澄を率いる竹井久だった) 京太郎(熱い!熱すぎるぜ!) 京太郎(許されざる禁断の恋、まさにロミオとジュリエット!) 京太郎(風越は百合の園としても名門だったな) 京太郎(そして清澄と同様に無名の状態で決勝に進出した鶴賀) 京太郎(ここも見逃すことのできない勢力だった) 京太郎(百合を求めて彷徨っていたら、偶然見かけたあの光景) 京太郎(決勝戦敗退後の鶴賀の大将と副将の会話) 京太郎(「消えてもいい」と言われた時の大将のあの表情……) 京太郎(そこですかさず「先輩を探し回ってみせる」と言ってのける!) 京太郎(まさに落として上げる、のコンボ!) 京太郎(しかし、このあとがさらに問題だった) 京太郎(まさか「なんとしてもその口を閉じさせる」と来るとは!) 京太郎(これは! つまり!!) 京太郎(自らの口で塞ぐということにほかならないっ!!!!!) 京太郎(あれはやばかった……) 京太郎(間違いなくあの二人はガチ) 京太郎(今まで生きてきた中で間違いなくトップクラスの名シーンだった) 京太郎(ウロウロしていたせいで、咲と和の決勝後再会シーンからハブられる結果となってしまったが) 京太郎(それはともかく、あの関係に至るまでのプロセスに強大な萌え要素が含まれているはずだが) 京太郎(いかんせんその情報を仕入れる手段がない) 京太郎(そこに来て今回の合宿!) 京太郎(親交を深め情報網を新設するまたとない機会だ!) 京太郎(龍門渕も見過ごすことのできない勢力だし、是非とも情報を手に入れたい) 京太郎(中堅のタトゥーシールの娘) 京太郎(あの手錠は一体何のためにしているんだ?) 京太郎(もしかしたらあれは、SMプレイの一貫なのかもしれない!) 京太郎(となると、あの中の誰がかご主人様になるわけだが) 京太郎(小学生にしか見えない大将との絡みで、ロリ百合展開も捨てがたいが、やはり和と戦った副将のお嬢様が妥当だろう) 京太郎(名前も龍門渕っていってたし、理事長の家系の人間であることは間違いない) 京太郎(身分違いの恋は、所有という歪んだ形での関係を二人に強いる……) 京太郎(うむ、すばらだ) 京太郎(こういった妄想の燃料に事欠かない環境) 京太郎(これこそ麻雀部に入って良かったと思える最大の理由だ!) 京太郎(なぜか麻雀部の人間は、どこの高校もレベルが非常に高い!) 京太郎(間違いなく俺は今人生の絶頂期にいる!) 久「じゃあ私はまだ準備があるから、あなたたちはとりあえず練習しててちょうだい」 久「段取りが決まったら、また連絡するからね」 まこ「おう、手伝えることがあったらいつでも言ってくれて構わんからな」 優希「いょし!早速妥当ノッポを掲げて特訓するじぇ!」 優希「京太郎!すぐにタコスの補充をして来い!」 京太郎「自分で行けよ、俺は今対戦中だ」 和「ゆーき、わがまま言ってはいけませんよ」 和「もうすぐこっちが終わりますし、そのあとで一旦買い行きましょう」 優希「のどちゃん、ついてきてくれるのか!さすがだじぇ、どっかの駄犬とは違うな!」 京太郎「結構結構、タコスのパシリよか駄犬の方がましだからな」 優希「自分の立場を理解していると思ったらこれだじょ」 優希「まったく、調教が足りなかったのか?」 和「ゆーき、早く終わらせて買いに行くのでしょう?」 優希「そうだったな、じゃあ行ってくるじぇ!」 京太郎(……すっかり忘れていた) 京太郎(最近の咲和に押されて目立たないが、この二人のカプもアリだよな) 京太郎(むしろ咲が来るまでは主力だったし、いまでも垣間見えるその輝きは失われていない) 京太郎(しかも聞くところによると、和が清澄に入ったのは優希と離れたくなかったからだそうだ) 京太郎(これはまごうことなきとびっきりの百合!) 京太郎(百合場面名鑑収録『あなたがいないなんて考えられない』だ!!) 京太郎(そして無事に同じ学校に入学する二人だったが、優希と共にいるために入ってきたはずの和は新しい出会いを果たしす) 京太郎(そしてそちらの方に夢中になってしまう。一方、和が自分のことを追って清澄に入ってきたことに気づいていた優希だが) 京太郎(今までの友情が変化してしまうことを恐れ、それにあえて気づかないふりをしていた) 京太郎(しかし和の目が一旦咲に向き始めると、優希の心には原因のわからない重苦しい気持ちが募ってくる) 京太郎(日に日に仲が良くなっていく和と咲。和の気持ちに答えるつもりはなかったはずなのに) 京太郎(彼女の気持ちが自分から離れたとたん彼女のことを意識してしまう自分に嫌気がさす優希) 京太郎(そしてある日、彼女は目撃してしまう。和が咲にキスをしようとしている瞬間を!) 京太郎(……ふぅ、ここから先は純愛失恋ルートか逆転優和ルート、はたまたタコスヤンデレ化ルートと選り取りみどりだ) 京太郎「ほんと麻雀部は天国だぜ」 まこ「ん?天国?」 京太郎「あっいや、ほんとに麻雀って楽しいなーって思いまして……」 まこ「なんじゃ、京太郎の今の状況を考えると、こっちが申し訳なくなるの……」 咲「京ちゃん……ごめんね雑用ばっかりやらせちゃって……」 京太郎「いや、そんな、悪いよ。それに皆は全国があるだろ?その手伝いが出来るだけで俺は満足だよ」 咲「京ちゃん……」 京太郎「だからさ、先はその分頑張ってくれよ」 京太郎(主に和との絡みをな) 咲「うん!私頑張るよ! 京ちゃんのためにも頑張って優勝するから!」 京太郎「よし、その意気だ! 絶対優勝杯をもって帰れよ!」 久「じゃあ、優勝杯を持って帰るために、卓の空きを須賀くんに埋めてもらおうかしら」 まこ「もうネトマも終わっとるみたいだしのう」 久「もっとも須賀くんが搾取されるだけで終わるだろうから、あまり効果的な練習にはならないでしょうけど」 京太郎「ひどっ! それはあんまりじゃないですか部長!」 咲「部長の言うとおりかも……」 京太郎「咲……お前は俺を見捨てるのか……」 京太郎「わかったよ、俺はもう何も期待しないさ……」 咲「わわっ、じょ、冗談だよ京ちゃん!」 ***************** 京太郎「流石にもうトバされ慣れてきましたよ」 京太郎「メンタルだけは鍛えられましたね!」 まこ「単に向上心が無くなっただけと違うんか……」 久「負け犬根性が染み付いてきたみたいね」 咲「京ちゃん! 諦めちゃダメだよ!」 京太郎「俺から点をがっぽりとっていったのはどこの誰だっけなぁ?」 咲「そ、それは……手加減ずるのは失礼だと思ったからで……」 京太郎「わかってるよ、俺が雑魚すぎるだけだってな」 久「須賀くん、あんまり自虐ネタに走るとみっともないわよ」 久「ところで明日は土曜日だけど、須賀くんはいつもどおり欠席?」 京太郎「あ、はい。 龍門渕に行くので」 まこ「雑用のレベルを超えて、最近は本当の執事に近づきつつあるのう」 久「足繁く通っているわよね。本当に執事になるつもりなの?」 久「それとも龍門渕に気になる子でもいるのかしら」 京太郎「ちょっ、部長!」 京太郎(気になる子……間違ってはいないな) 京太郎(あのお嬢様とタトゥー意外にも、可能性はまだまだ秘めているしな) 咲「え……京ちゃん龍門渕に好きな子がいるの!?」 咲「いったい誰が……や、やっぱり胸の大きさを考えると、あのメガネの……」 咲「はぅ! まさか衣ちゃんとか!?」 咲「それともツンデレ系狙いで龍門渕さんだったり……」 京太郎「おい、俺が割り込んでどうする!」 咲・久・まこ「?」 京太郎「い、いや、そうじゃなくてだな」 京太郎「合宿の時は人数も揃うだろうし、ハギヨシさんに徹底的に立ち回りを仕込んでもらおうと思ってさ」 久「え? 須賀くんはお留守番よ?」 京太郎「…………は?」 京太郎「いやいやまさかそんなおれだけのけものなんてそんなことをやさしいぶちょうがするなんてじょうだんですよねそうですよね」 久「まさか参加できると思ってたの? 身内だけならまだしも、ほかの生徒が居るところに一人だけ狼を放つ訳にはいかないでしょう」 京太郎「」 まこ「完全に魂が抜けおったぞ」 咲「京ちゃん、そんなに他の娘たちに会えないのがショックなの……?」 久「無駄よ咲、完全に意識を失っているわ」 まこ「もう部活も終わりなんじゃが、どうするコレ」 久「とりあえずこの部屋の外に出して置くだけで良いんじゃない? この部屋に鍵さえかかれば問題ないでしょ」 咲「京ちゃん……」 優希「ただいま帰ったじぇ!」 和「すみません、私が途中でタコスを落としてしまって」 優希「まったくだじぇ! そのデカパイでタコスを叩き落とすなんて」 和「で、ですから何度も謝ったじゃないですか!」 優希「そのおっぱいを半分分けてくれるなら、もう何も言わないじぇ」 和「無理です!」 優希「って、おっぱいの話をしたのに京太郎の反応がないじぇ?」 和「そういえばさっきから微動だにしてませんね」 まこ「気にせんほうがええ、夢やぶれた男の残骸じゃ」 久「みんな、コレを外に出すの手伝って頂戴。まったく、余計な手間をかけるさせるなんて雑用失格ね」 まこ「いや、京太郎はそもそも雑用じゃないじゃろ……」 咲「部長、持ち帰っても良いですか?」 和「!?」 久「良いけど、私は手伝わないわよ? 自分だけで持って帰りなさい」 咲「うーん、それじゃあ無理か……また今度の機会に」ブツブツ 和(京咲なんてSOA) 和(宮永さんに野蛮な男なんて論外です!) 久「じゃあとりあえず、コレを外に出して帰りましょうか」 久「下校時刻も過ぎてることだしね。 あとは用務員さんが何とかしてくれるでしょ」 ***************** 用務員「君、大丈夫かい! ほら、起きなさい!」 京太郎「はっ!」 用務員「やっと起きたか。一体どうしたんだい、こんなところで」 京太郎(俺は一体ここで何を……) 京太郎(咲と和がカナダで結婚式を挙げて……) 京太郎(そして咲と和、二人にそっくりな双子の女の子が生まれたんだったよな……) 京太郎(世界初のiPS細胞による同性間の出産だからって、世間から色眼鏡で見られて) 京太郎(それでも二人の絆が解けることはなく) 京太郎(やがて女性同士の婚姻が世界的に一般的になっていった……) 京太郎(…………) 京太郎「って、ちがああああう!!」 用務員「」ビクッ 京太郎(俺が合宿に行けないだと!? そんな馬鹿なことがあってたまるか!!) 京太郎(なにか、なにか現状を打開する方法はないのか!?) 京太郎(どんな方法でもいい! 手段は選んでいられないんだ!!) 京太郎「………………はっ!」 京太郎(そうだ、この手があった!!)ダッ 用務員「あっ、おい君!」 ――龍門渕家―― 京太郎「ハギヨシさん!」 ハギヨシ「来ましたか。いきなりの連絡、驚きましたよ」 ハギヨシ「しかし、そんなに慌てている貴方を見るのは初めてですね。一体なにがあったのですか?」 京太郎「ハギヨシさん……いえ、萩原さん、どうしても聞いていただきたいお願いがあります」 ハギヨシ「お願い…ですか」 京太郎「萩原さんのその技術……誰からも気配を悟られずにいるその術を、俺に伝授してください!!」 ハギヨシ「……!」 京太郎「今日まで何の見返りも差し出せずに、ただただ様々な技術を教えて頂いてきた上で」 京太郎「このようなお願いをするのが失礼にあたることは重々承知しています」 京太郎「だけど、それでも……どうしても成さなければいけないことがあるんです!」 ハギヨシ「京太郎君……」 京太郎「…………」 ハギヨシ「……わかりました。その目、その気迫、よほどの事情があっての事なのでしょう」 ハギヨシ「京太郎君、私は貴方の才能に惚れ込んで、私の持てる全てを授けようと考えていました」 京太郎「……え?」 ハギヨシ「それが少し早まっただけのこと」 ハギヨシ「分かりました、我が萩原家に伝わる奥義の一、『孤塁立』を伝授いたしましょう」 京太郎「あ、ありがとうございます!!」 ハギヨシ「修行は今までのものが児戯に思えるほど厳しいものになります」 ハギヨシ「覚悟はよろしいですか?」 京太郎「たとえこの身が灰になろうと、必ず成し遂げてみせます!」 ハギヨシ「分かりました。では今日から泊まり込みで修行をしていただきます」 ハギヨシ「ご両親の許可は取っておいて下さい」 京太郎「はい! よろしくお願いします!」 ~1週間後~ ――合宿所―― 華菜「4000・8000! 裏はめくらないでおいてやる!」 久「あなたのとこのキャプテンはいいわねえ」 カツ丼「あと一人」 京太郎(…………) 京太郎(完璧だ……!) 京太郎(ここまで気づかれる気配が微塵もないとは) 京太郎(ハギヨシさん……いや、師匠! ありがとうございます!) ~京太郎が龍門渕を訪れた翌日~ ――善光寺―― 京太郎(あれから一晩龍門渕で過ごし、学校をサボって今ここにいる) 京太郎(一体何が始まるんだ?) ハギヨシ「では京太郎君、これから修行を始めます」 京太郎「はい……でもこんなとこで一体何をするんです?」 ハギヨシ「ふふ、山奥の秘境のようなところで修行をすると思っていましたか?」 ハギヨシ「確かに、萩原流の中にはそういった場所での修行の方が適している技も多くあります」 ハギヨシ「しかし、今回あなたに伝授するのは、大雑把に言えば「人の目に留まらないための技」です」 ハギヨシ「よって、人がいなければ修行にならないのですよ」 京太郎「……そうですね! 失念していました!」 ハギヨシ「では改めて」 ハギヨシ「京太郎君、今からあなたには、この善光寺前の通りを往復してもらいます」 京太郎「…………は?」 ハギヨシ「それも、ただ歩いて往復するわけではありません」 ハギヨシ「この時間帯、観光客の数がピークに達しているため、非常に混雑しています」 ハギヨシ「この人ごみの中を、全力疾走で往復してください」 京太郎「は、はぁ……」 ハギヨシ「では行きます」 ハギヨシ「3,2,1、スタート!」 京太郎「え、あ、はい!」ダダッ 京太郎(一体なんなんだこれ……って、やば!) ドンッ! 京太郎「す、すみません!」 おばさん「ちょ、気をつけてよ!」 京太郎(ヤバイヤバイ……って) ドンッ おじさん「おい、君!」 京太郎「ひっ、も、申し訳ありません……」 京太郎(こ、これは……) 京太郎(全力疾走とか無理だろ!!) ハギヨシ「お疲れ様です。どうでしたか?」 京太郎「見ての通りです……怒りの視線を両手では足りないくらい浴びせられました」ハァハァ ハギヨシ「でしょうね。かなりの難易度だったと思います」 ハギヨシ「ですが、このくらいできなくてはあなたの望む力は到底手に入りませんよ」 京太郎「ハギヨシさん、いったいこれは……」 ハギヨシ「では今度は私がやってみせます」 ハギヨシ「よく見ていてください」ダッ 京太郎(いったいこれは何を……) 京太郎(!!??) 京太郎(す、すごい) 京太郎(オリンピックの短距離走レベルの速さで走っているのに) 京太郎(周囲の人が誰も目を向けていない!) 京太郎(いや、そもそも存在に気づかれていないのか!?) 京太郎(しかも、もう戻ってきた) ハギヨシ「ふぅ、良いですか京太郎君、これが我が萩原流奥義の一つ」 ハギヨシ「『孤塁立』です」 京太郎「弧塁……立」 ~冷やしトーカ無双~ ――合宿所―― 一「透華……」 純「すげぇ……」 京太郎(くぅ、あのタトゥーの娘の心配そうな表情がたまらん!) 京太郎(自らのそばにいた最愛の人が、急に離れていってしまった不安) 京太郎(それはより一層の独占欲という、ひどく歪んだものへと変わりかねないものだ) 京太郎(果たして彼女は、変わってしまった愛しい人に対してどのようなアクションをとるのか) 京太郎(このカプは要注目だな) 京太郎(しかし、こんなおいしい思いができるとは) 京太郎(これも全て師匠のおかげだ!) ~善光寺前での全力疾走後~ ――そば処「参タテ」―― ハギヨシ「人の知覚の中にありながら意識下より外れ孤立しているところ」 ハギヨシ「それを弧塁と呼びます」ズズッ 京太郎「弧塁、ですか」ズルズル ハギヨシ「先ほどの善光寺前では、その意識の空白地帯を見抜き、駆け抜けることで、誰の目にも留まることなく往復ができたのです」 ハギヨシ「日頃、衣様の周囲に控えている時も、みなさんの孤塁に立つことで自らの存在を悟られずにいるのです」ズズッ 京太郎「そんな神業、俺に習得することができるんでしょうか……」ズルズル ハギヨシ「私の見立てでは、あなたは萩原流を習得するに十分な才能を持ち合わせています」 ハギヨシ「あとはあなたの覚悟次第です」 ハギヨシ「どうしても成さなくてはならないことがあるのでしょう?」 京太郎「……そうでした、俺には譲れないものがあるんです」 ハギヨシ「それともう一つ、相手の孤塁を見抜く力以外にも、身につけてもらいたいものがあります」 ハギヨシ「広く捉えれば、これも気配を遮断するための方法であると言えます」ズズッ 京太郎「なんですか?」 ハギヨシ「孤塁立は、いうなれば相手に合わせて自らを消す方法」 ハギヨシ「それとは別に、自らが発している気配……気とでも言いましょうか」 ハギヨシ「それを包み隠す術を身につけてもらいます」ズッ 京太郎「気?」ズルズルッ ハギヨシ「人の体をめぐるエネルギーのようなものと言いましょうか」 ハギヨシ「科学的には名状し難いのですが……まあいずれ分かるようになるでしょう」 京太郎「その気ってやつを抑える術を身につけろってことですか」 ハギヨシ「包み隠す、というのには語弊がありましたね」 ハギヨシ「気を制御して、己の存在を空間に溶け込ませる」 ハギヨシ「天地と一つになる、と萩原の奥義書には記されていますが、まさしくその通りです」 京太郎「天地と……」 ハギヨシ「これらの奥義は、極めることによってあらゆる場面で驚異的な効果をうみます」 ハギヨシ「そして、萩原流の中でも会得できた者が最も少ない術でもあります」コチラソバユニナリマス ゴトッ 京太郎「」ゴクリ ハギヨシ「大丈夫ですよ、あなたならできます」トポトポ ハギヨシ「己を信じ、力を尽くせば必ずモノにすることができますよ」ズッ ~そして現在へ~ ――合宿所―― 京太郎(そして俺は手に入れた……) 京太郎(この身を死角に置き、天地と……空間と一つになる力を!) 京太郎(今の俺はかつての『須賀京太郎』ではない) 京太郎(百合のために生き、百合のために死ぬ、森羅万象と一体になった百合男子の戦士) 京太郎(ここからは『アトモスフィア京』の独壇場だぜ!!) 透華「こんなの…こんなの私じゃありませんわッ!! きゃっかですわ!」 一「透華…」 透華「これでは原村和とスタイルが違いすぎますわ」 一「う…」 京太郎(ふむ、冷やしトーカさんは元に戻ってきたみたいだな) 京太郎(しかし、和に対してみせる執着は、タトゥーっ娘の嫉妬を掻き立てているようだ) 京太郎(百合場面名鑑収録『誰にもあなたを渡さない』!!) 京太郎(ずっとそばに仕えていたはずなのに、想い人の心は会ったこともない女に釘付けのまま) 京太郎(彼女の心を手に入れようと努力を重ねる日々が続くが、どんなに手を尽くしてもその心が和から離れることはなかった) 京太郎(そしてついに恐れていたことが起こってしまう) 京太郎(和の所属する清澄が県予選の決勝で、透華が和と当たってしまうことになったのだ) 京太郎(そして実際に和と戦った透華は、和に対する執着をますます強めていってしまう) 京太郎(坂道を転がり落ちるように止められなくなった最悪の状況) 京太郎(そして一の思いは、いつしか純粋な恋慕から憎しみを伴うものになっていった) 京太郎(自分に手枷を課して心を縛っておきながら、そのことを気に止める素振りもなく他の女にうつつを抜かすなんて……) 京太郎(そして彼女の抑圧された欲望は、ある日ついに臨界点を超えてしまう……) 京太郎(もう少し嫉妬が高まれば、もしかすると下克上レ○プルートが実現するかもしれん……) 京太郎(帰ったら和をたきつけてみるのもアリだな) 京太郎(っと、もうこんな時間か) 京太郎(もう少しこのカプに注目したいところだが) 京太郎(そろそろ敦賀や風越の方にも行かないとな)スタスタ 京太郎(やはり風越のキャプテンと部長の関係、敦賀の果樹園カプも気になるしな)スタスタ 京太郎(それに、昨日の様子を見ていると他にも魅力的な組み合わせが存在するようだしな) 京太郎(最も気になったのが、次鋒戦メンバーの絡みだ) 京太郎(名門風越でレギュラーを勝ち取った吉留未春) 京太郎(昨年1年生のみのメンバーでレギュラーを奪い、全国へ進出した龍門渕の沢村智紀) 京太郎(そして幼い頃から雀荘で麻雀に親しみ、麻雀が生活の一部になっていた染谷まこ) 京太郎(立場は違えど、己の技量に揺るぎない自信とプライドを持っているメンバーだ) 京太郎(しかし彼女たちのプライドはある日突然打ち砕かれてしまう。全国へ進むための関門、県予選の決勝で) 京太郎(そしてあろうことか彼女たちの道を阻んだのは、役も満足に覚えていないド素人の妹尾佳織だった) 京太郎(大舞台で辛酸を舐めさせられた彼女たちであったが、その後4校合同合宿にて再び妹尾と合い見える機会に恵まれる) 京太郎(麻雀は確かに運の要素が少なくない。だから初心者でも上級者を打ち負かすことが十分に起こり得る) 京太郎(しかしそれはあくまで「ありえないことはない」という程度の可能性のものであって、やはり実力の差というものは大きい) 京太郎(今回こそはと、自らの中で名誉を挽回するためにリベンジマッチを挑む次鋒戦メンバーであった) 京太郎(しかし、ここでも妹尾が1位になるという、悪夢のような結果が待ち受けていた。完全に意気消沈する彼女たち) 京太郎(そしてその心の傷は、次第に妹尾への執着へと姿を変えてゆく) 京太郎(そして合宿最終日、彼女たちは最後の戦いを挑もうと妹尾を探していた) 京太郎(しかしそこで見つけた妹尾は、他に誰もいない個室でその肢体を無防備にさらけ出しながら眠っていた) 京太郎(それを見た3人の心の中に、ある濁った欲望が沸き起こる。3人は部屋に入ると、そっと鍵を占めた……) 京太郎(ちょっと飛ばしすぎだが、こんな感じの輪○ルートもアリだよな) 京太郎(問題はこれだけのメンバーが一堂に会することがこれから先にあるのかどうかということだ) 京太郎(しかし、次鋒戦メンバーは全員2年生なわけだから、来年もあるんだよな) 京太郎(「卒業するまで結局一度も勝てなかった」っていうくらいの火薬があれば) 京太郎(大爆発するという流れもより自然になりそうだし、これから先の展開にも期待が持てる) 京太郎(なんにせよ、ここにはまだまだたくさんのお宝が眠っているぜ!) ?「やはり、こういうことでしたか……」 京太郎「!?」 ハギヨシ「京太郎君……」 京太郎「し……師匠!? なぜここに!?」 ハギヨシ「あなたがうまくやれているかどうか気になったのですが、まさかこんなことに力を使っているとは」 京太郎「こ、これは、その」 ハギヨシ「京太郎君……今すぐに帰りましょう」 京太郎「……師匠、俺は、俺には譲れないものがあります」 京太郎「それが今の、この生き方です!」 京太郎「どうしても連れ帰るというなら、俺は……」 京太郎「あなたを倒してでも、己の道を貫きます!」ズアァァ! ハギヨシ「……これ以上、今のあなたを見過ごすことはできません」 ハギヨシ「龍門渕家のCB(コンバットバトラー)としても」 ハギヨシ「同じ志を持つ……百合男子としても」 京太郎「!?」 京太郎「し、師匠が……百合男子?」 京太郎(馬鹿な……そんなはずはない) 京太郎(百合男子は多かれ少なかれ、その瞳のうちに冥い“欲望”の光を灯している) 京太郎(今まで出会った奴らはみんなそうだった) 京太郎(そして……鏡越しに覗きみた、俺の瞳の中にも……) ハギヨシ「私もかつてはあなたと同じでした」 ハギヨシ「仲睦まじい女性達を眺めては、己の世界の中で百合の絵画を描く」 ハギヨシ「今のあなたと同じ行動に出たことも、1度や2度ではありません」 ハギヨシ「しかし、執事として龍門渕にお使えするようになってから、私は苦しむことになりました」 ハギヨシ「主君に忠誠を誓っているように見せかけ、裏ではとても好ましいとは言えない妄想を繰り広げている」 ハギヨシ「そして苦しみぬいた末、私はひとつの決断をしました」 ハギヨシ「それは、見方によっては“逃げ”と捉えられるかもしれません」 ハギヨシ「……いえ、実際は逃げたのです」 ハギヨシ「百合“男子”として生きることの、重圧から」 京太郎「!?」 京太郎「師匠……まさか、あなたは……」 ハギヨシ「百合男子の欲望の根源は、通常の男性の欲望と変わりません」 ハギヨシ「だから私は……自らその根源を絶つことを選択したのです」 ハギヨシ「執事として、生きるために」 京太郎(……去…………勢……したのか!?) 京太郎「師匠……あなたは……」 ハギヨシ「私は、自らが下した決断に対して微塵も後悔をしておりません」 ハギヨシ「ただ……何かを残すということができなくなってしまったことだけは、残念でした」 ハギヨシ「そんな私の前に、京太郎君、あなたが現れたのです」 京太郎「俺が……」 ハギヨシ「これは私の勝手な理想の押し付けです」 ハギヨシ「しかし、あなたには一流の執事としての道を、そして一流の百合男子としての道を歩んで欲しいのです」 京太郎「ま、待ってください! 執事はともかくとして、ここで退くことが百合男子としての行動だとは到底思えません!」 京太郎「手の届く範囲の百合の花を観察し尽くすことこそが、百合男子のあるべき姿じゃないんですか!?」 ハギヨシ「……百合男子とは、そもそもが歪な存在です」 ハギヨシ「男の身でありながら、女性同士の恋愛に惹かれてしまう」 ハギヨシ「その性質上、対象となる女性感の関係に影響を及ぼすような行動は避けるべきだと、私は考えます」 ハギヨシ「百合男子の手が加わってしまっては、それは真の百合の花と呼べなくなってしまうと思うゆえに」 京太郎「それは、分かりますが、しかし観察するということはっ」 ハギヨシ「周囲の流れに抗ってまで観察を行うということは」 ハギヨシ「たとえそれがどんなに完璧な隠匿のもとに行われていたとしても、影響を及ぼしてしまう危険性があります」 ハギヨシ「真の百合男子とは、周囲の流れに逆らわず、ただ身を任せてそこに在る者を指すのではないでしょうか」 ハギヨシ「その流れの中にある限りは、百合男子は周囲を構成する空間の一部になっていることができます」 ハギヨシ「そしてそれは自然な百合の花の背景となり得る」 ハギヨシ「しかし、今あなたがしていることは、その流れに逆らって、百合の花に力ずくでにじり寄ろうとする在り方のように見えます」 京太郎「!!」 ハギヨシ「京太郎君、あなたが求める“百合”とは一体なんなのですか?」 京太郎「俺は……俺には……」ガクッ ハギヨシ「ここから先はあなたが決めることですが……」 京太郎「師匠の言うことは、これ以上ないほどの正論です」 京太郎「それはいま、心の底から理解することができました」 京太郎「今日まで定まらなかった、自らの立つべき場所も分かりました」 京太郎「けれどっ……!」グッ 京太郎「この体がっ! 求めてしまうんですっ!」 京太郎「俺には男を捨てる勇気がない……」 京太郎「だから、師匠と同じ道を歩むことが……できない……」 ハギヨシ「京太郎君、今のはあくまで私の道です。私の生き方です」 ハギヨシ「私の言った言葉が理解できたのなら、あとは自分で、自らの生き方を選べる」 ハギヨシ「いや、“創り”だせるはずです」 京太郎「師匠……」 ハギヨシ「百合男子としてあなたに伝えなくてはならないことは、全て伝えたつもりです」 ハギヨシ「あとはあなたの選択に任せます」 ハギヨシ「こんなこと、本当はあってはならないのですが」 ハギヨシ「あなたに伝えたいことを伝えて、私も何か肩の荷が下りてしまったようです」 ハギヨシ「……なんだか、力が抜けてしまった気分です」 ハギヨシ「……今日だけは、執事としての役割を忘れることにします」 ハギヨシ「また会いましょう、須賀京太郎」スゥー… ********** 京太郎(俺は、どうしたら……)フラフラ 京太郎(咲……和……)フラフラ ?「龍門渕の執事さんは帰ったみたいっすね」 京太郎「!?」ガバッ ?「おお、さすがっすね。今の状態の私を認識できるなんて」 京太郎「あ、あんたは!」 桃子「鶴賀の副将、東横桃子っす」 京太郎(ど、どういうことだ!? いくら気が散っていたとは言え、まだ俺はアトモスフィア状態のはず……) 桃子「最近身につけたばかりの技が、完全にモノになっているとでも思ってたんすか?」 桃子「気配に関する分野では、私の方が経験も技術も圧倒的に上っすよ?」 桃子「それはもちろん、察することに関しても」 桃子「にわかは相手になんないっす」 京太郎「だけど……和は大会の時あんたのことが……」 京太郎「俺はその和にも察知されなかったはず……」 桃子「あれは本気で消しにかかっていなかったからっすよ」 桃子「先輩が見ているところで本気を出して、万が一先輩が耐性をつけてしまったら」 桃子「先輩に色々とできなくなってしまうじゃないっすか」ニコッ 京太郎(……っ、コイツ!) 京太郎(『百合っ娘(ホンモノ)』だ!) 京太郎(しかし、目的がわからない以上、素直に喜ぶことができない)ゴクリ 京太郎(今の今までアクションを起こさずにいて、ここで俺に接触する意味はどこにある?) 桃子「最初から、あなたがいることには気づいてたんすよ?」 桃子「どうせならお風呂を覗いているところをみんなの前に引きずり出して」 桃子「薄汚い野郎が二度と麻雀部に立ち入れないようにしてやろうと思ってたっす」 桃子「でも、あなたはお風呂を覗くような真似はしなかった」 桃子「それどころか、普通の野郎なら垂涎もののシチュに反応すらしなかった」 桃子「だけど、誰か二人以上が一緒にいる状態の時は、鷹の目のような鋭い視線を向けてくる」 桃子「そこで私は気づいたんっす」 桃子「コイツは『百合男子』だって、ね」 京太郎(完全に……バレているっ!) 京太郎(どうする……) 京太郎(今のこの状況、完全に向こうの掌の上だ) 京太郎(ヘタをしたら……消される) 桃子「そんなに警戒しないでくださいよ」 桃子「こっちは取引を持ちかけに来ただけっすから」 京太郎「……何?」 桃子「御宅の部長、竹井久とかいったっすね?」 桃子「あの女がうちの加治木先輩に近づかないようにして欲しいっす」 京太郎「……?」 桃子「訳がわからないって顔っすね」 桃子「詳しい説明は省くっすけど、あの女はうちの先輩にちょっかいを出しているっす」 桃子「だから、本格的に手を出される前に、何とかして欲しいんすよ」 京太郎「俺は……」 京太郎(師匠……俺は) 京太郎「そういったことに、加担することは……」 京太郎(やっぱり、師匠の教え……俺は守りたいです!) 桃子「これ、なんだと思いますか?」 京太郎(カメラ……はっ、まさか!!) 桃子「あんたが皆のことを観察してる、決定的証拠っすよ」ニヤッ 京太郎「」グッ 桃子「おっと、変な真似はしないほうが身のためっすよ」 桃子「すぐそこは清澄の部屋っす」 桃子「私が大声を出せばすぐに見つかりますし、たとえコレを奪って逃げたとしても、証拠は他にもあるっすから」 京太郎「くっ!」 桃子「それに、これはあんたにとっても悪くない話だと思うんすけどね」 京太郎「どういうことだ?」 桃子「私は先輩が無事なら他には何もいらないっす」 桃子「例えば、あの女を風越のキャプテンとくっつけようとするなら全力でサポートするっす」 桃子「そうすればあんたは目の前で百合ップルが誕生するところを見られるし、そこから先の観察も自由自在」 桃子「どうっすか?」 桃子「もっとも」 桃子「断れば……待っているのは迫害と追放っすけどね」ニコッ 京太郎「お……れは……」 ゴソゴソ 京太郎「ちょっと…!東横さんなにしてるんですか…!」 モモ「暴れないでくださいっす 変に暴れたらバラすっすよ」トントントン 京太郎「そ、そんな…う、羽毛…」 京太郎「うっ…」ガクン モモ「落ちたっすね…(確信)」 モモ「………京太郎さん…あなたの事が好きだったんすよ…」
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特別編 アラフォー道場 ※上の特別編の続きです あらすじ デッドエンドな京ちゃんに救いの手を差し伸べよう! 京太郎「……ん?なんだここ……道場?」 「ここは迷えるものが訪れる場所……」 京太郎「だ、誰だ!?」 はやり「その名も……牌のお姉さん道場!!」道着&竹刀装備 健夜「……どーも」ネコミミ&スク水装備 京太郎「…………夢か」 はやり「ちょっと!!いきなり何言ってるの!?」 京太郎「夢だ。だってアラフォー道場って看板が上にあってそんなこと言える訳ないし」 はやり「え?あぁ!?何この看板!?ちょっと!!どういうこと!?」 健夜「もうどうでもいいじゃん……私なんか、『ブルマ?いやいやこっちでしょ!』とか言われていい年してネコミミとスク水だし……」ズーン はやり「すこやん暗くならない!!私達まだアラフォーじゃないから!!その恰好もまだいけるって!!」 健夜「いいよ……大体なんなのブルマ枠って……そんなの咏ちゃんとか良子ちゃんがやればいいのに……」ブツブツ はやり「あー……とりあえず落ち込み始めたすこやんはほっといて、ようこそ我が道場へ☆」 京太郎「ど、どうも」 京太郎(うわ、きっつ) はやり「ここはデッドエンドった君を救うための場所です!!」 京太郎「あー……やっぱデッドだったんですね俺」 はやり「そうそう、君の今回の死因は……まぁいいとして☆」 京太郎「それよくないでしょ!?そこをどうこうするアドバイスとかする場所じゃないんですか!?」 はやり「それが……うん、ぶっちゃけ君じゃどのルートも入れないね☆」 京太郎「そんな馬鹿な!!和ルートも長野おもち制覇ルートも全国おもちハーレムルートも無理だって言うんですか!?」 はやり「あ、ロリコン副会長との友情ルートならいけるっぽいよ?」 京太郎「社会的デッドエンドじゃないですか!!」 はやり「まぁ落ち着いて☆そんな君を救うための道場だからね☆」 京太郎「アラフォー道場が?」 はやり「次そう呼んだら潰すぞ」 京太郎「さーせん。で、その……この道場はそんな役割が」 はやり「そうそう、という訳で、解決策を発表しまーす☆」 京太郎「おお、アドバイスとかじゃなく具体的な解決策ですか!是非教えてください!!」 はやり「はやりんルートに入ろう☆」 京太郎「……はい?」 はやり「だから、女子高生はスパっと諦めて、はやりんルート☆」 はやり「今ならなんと、これにサインするだけでルート確定だよ☆」婚姻届、はやり記入済み☆ 京太郎「……そんなの人生の墓場ルートじゃないですかー!?助けて!!そこのネコミミスク水の人!!」 健夜「……仕方ないなぁ……はい、これで少なくともそっちのルートからは逃げられるよ」婚姻届、健夜記入済み 京太郎「こっちも駄目だー!!」 理沙「……こっち!!」婚姻届、理沙記入済み 京太郎「増えた!?」 はやり「さぁ」ズイッ 健夜「さぁ」ズイッ 理沙「……早く!!」ズイッ 京太郎「う、うわあああああああああああああ!!!」 京太郎「……っはぁ!!死んでられるかー!!」ガバッ 照「あ、おかえりー」 京太郎「照さん!?」 照「とりあえずギュルって引き戻しといた」 京太郎「よ、良かった……あのままえらいことになるとこだった」 照「そう……とりあえず」 京太郎「はい?」 照「お菓子が切れた。作って?」 京太郎は、照専属シェフルートに確定した!! カンッ!!